神戸での初の大規模ライブにかける、熱きパンク魂
Ken Yokoyamaがいよいよ10月3日(日)に
『DEAD AT BAY AREA』を開催!
'90年代、Hi-STANDRDのギタリストとして日本にメロコアシーンを根付かせ、’00年代に入ってからはソロとして活躍するKen Yokoyama。ハイスタ時代から自主レーベル『PIZZA OF DEATH RECORDS』を運営し、2児の父でもありながら、今なおパンクスピリッツで日々邁進する。そんな彼が今秋、『DEAD AT BAY AREA』という大規模なライブを、幕張と神戸で開催する。10月3日(日)・神戸国際展示場 2号館 特設会場でのライブもいよいよ間近に迫った今、『DEAD AT BAY AREA』への意気込みをKen兄貴へ直撃インタビュー!
Ken Yokoyamaからの動画コメントはコチラ!
――まずは『DEAD AT BAY AREA』という大きなライブを開催するきっかけと、なぜ関西でも開催しようとしたのかを教えてください。
「’08年の1月に、3rdアルバム『Third Time's A Charm』を出してのツアーの延長線上として、武道館で『DEAD AT BUDOKAN』というライブをやったんです。本当に楽しくて、やって良かったなって。今年はアルバムツアーの延長じゃないけど、気持ちの区切りとしてひと手間かかったライブをやりたかったんですよ。イチから準備して全部を注ぎ込めるライブをやりたいなと。武道館ライブのとき、“関西なら観に行く!”っていう人がいっぱいいるのを感じてたんで、関西でもやろうと!」
――HPで、このライブが告知されるまでカウント画面を出したのも話題になりましたよね。いろいろ妄想するファンも多かったですけど(笑)。
「ハイスタの復活や『AIR JAM 2010』とかと言われたけど、よく考えたら俺のライブだってわかるはずなのに! ねぇ(笑)! まぁ、あのカウントはPIZZAのスタッフが考えてくれて。ウチの連中は、何をしたら俺やお客さんがワクワクするのか分かってくれてて。まぁ、みんなの気を惹きたいんです!」
――(笑)。これだけの大規模なライブを関西でもやってもらえると、普段なかなかツアーに行けない人も来られる可能性が高いですよね。
「最近はライブハウスに行ってないって人が、この日は10年ぶりにライブ行くか!ってなってくれたら、こんな嬉しいことはないよ」
――関西の中でも神戸になったのは、なぜなんですか?
「千葉を最初に決めていて。で、おもしろいコンセプトを作りたかったんですよ。そこで、“湾岸”でやりたいなと。俺はスラッシュメタルが大好きなんですけど、サンフランシコ出身のミュージシャンが多いから、“ベイエリア・スラッシュ”で呼ばれたりしてるんです。あと、若いときって、海に夜景を観に行ったりしたじゃないですか? ロマンチックっていうか、若くて蒼いイメージがあって、今でも惹きつけられる。だから、“ベイエリア”っていうコンセプトができて、神戸になったんですよ」
――海って惹きつける力がありましたよね。海がすぐ横にあったベイサイドジェニー(※)、大好きでした。 ※‘06年に閉館した大阪のライブハウス
「ベイサイドジェニー、俺も好きだったな~。ほら、野外でやるとフェスティバル調になるじゃない。基本は単独公演の延長として考えられたライブだから、屋内がいいなと」
――オールスタンディングとはいえ、アリーナクラスのハコじゃないですか。Kenさんはライブハウスのイメージが強いだけに、驚きがあります。
「俺らはライブハウスで育ってきたから、そこでやるのは当然。だけど、大きな場所で、大人数が集まる興奮っていうのも良いんですよ。アリーナでやったからって、これからはライブハウスでやらないっていうナンセンスなことにもならないしさ。どちらも、そこに興奮があるってことではいっしょ」
――今回、このライブを立ち上げるまでのいろいろな認可についてのやり取りを、赤裸々にHPに記してあるじゃないですか。まず、Kenさん自身がやり取りに行ってるということが、何よりもビックリでしたけど!
「(笑)。普通のバンドマンは事務所に所属してるけど、俺は自分が事務所をやってるからね。だから、そういう話し合いの場には出て行かないといけない立場だから、むしろ普通のこと。おもしろい立ち位置だとは思うよ。そら今回の(HPでの発表の)件だって、いっしょに一生懸命やってくれてるイベンターさんには怒られたよ(笑)。でも、俺からしたら全部を説明した上じゃないと筋が通らないし、ストーリーにならない」
――少しでも多くの人にライブに来て欲しいからこそ、Kenさん自身が体を張っているんだなと感じました。
「俺は40歳だけど、いまだに音楽が大好きで、そういう同年代の人はいっぱいいると思う。でも、いつもライブに来れない人も、この日は来て欲しいから。歳を取ると、音楽がいらなくなったりするのは自然なことだっていうのも分かってるんだけどね。生活の殻を破るきっかけになればいいし、新しい可能性の提示になればなと。みんなといっしょに歳を取っていきたい。こんなに何でも赤裸々に言う人っていないと思うんです。本気と書いて“マジ”です(笑)。俺、マジなんです! いろいろな人の視界に入りたいし、いろいろな人に観て欲しいんですよ」
――Kenさんは本当にみんなのことを考える人なので、次は関東と関西だけでなくいろいろな地区で、この規模のライブをやられたりするんじゃないかなと思ったりしています。
「可能性としてはありますよね。俺、議員になってライブをしやすくなる法案を提出しよっかな(笑)。日本は、文化が軽んじられてますから。アメリカは映画の台本を担保にして、お金を借りられたりするんですよ。安全面を重視する気持ちはわかるんですけどね。でも、それを黙って指をくわえて見てるのはできなくて。今回のHPもそうだけど、チクッとしちゃうんです(笑)。悪意はないんですよ」
――それはすごく伝わりますよ!
「まぁ結局は“俺、ドカーンとやっからさ、逢いに来て!”っていう(笑)。細かいことをゴタゴタ言うよりも、(ライブをやれば)伝わるんじゃないかな。インターネットもいいけどね、百聞は一見にしかず。現場で得たものが血となり肉となるから」
――現場至上主義ですね。これからもKenさんが、どのような感じでお客さんを巻き込んで行くのか、本当に楽しみです。今日は、本当にありがとうございました!
「ありがとう!」
Text by 鈴木淳史
Photo by 渡邉一生(SLOT)
(2010年9月27日更新)
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