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いずみシンフォニエッタ大阪 第56回定期演奏会は
東欧、ロシアの現代音楽の輝きを告げる「Breathe,Listen,Shine」

音楽監督に藤倉大を迎えた新生・いずみシンフォニエッタ大阪(ISO)。その第56回定期演奏会が7月11日(土)に行われる。今回は「Breathe,Listen,Shine」と題して東欧とロシア現代音楽を中心としたプログラムを贈る。5月26日には記者会見が行われ、常任指揮者、飯森範親とソリストに迎えるチェロの新倉瞳が登壇した。

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▲東欧をはじめ、世界の伝承音楽にアプローチする新倉瞳への共感を語る飯森範親。

本公演は一昨年に亡くなったジョージアの作曲家ヴァージャ・アザラシヴィリ(1936-2024)の作品を、新倉とともに演奏しようという飯森範親の発案から始まったという。新倉はクラシック奏者としてのみならず広く世界の伝承音楽にアプローチした活動で知られ、特にアザラシヴィリの演奏にかけてはジョージア本国からも招かれるなど高く評価される存在だ。今回はそのアザラシヴィリのチェロ協奏曲を中心に、ルーマニア出身のリゲティ(1923-2006)、ハンガリー出身のエトヴェシュ(1944-2024)の作品を選曲。アクセントとして東欧圏の作曲家にも影響を与えた19世紀の巨匠ワーグナー(1813-1883)を挟みながら、後半に神秘的な作風で知られたロシアの女性作曲家、グバイドゥーリナ(1931-2025)の「音楽の玩具箱」(2024/管弦楽版)を演奏する。「前半のリゲティから、最後のグバイドゥーリナまで、1つの共通なイメージのあるプログラム。そこから聴こえてくるものを感じ取っていただければ」と飯森範親は語る。

また今年度からは公演前夜にスペシャルイベントが行われることも決定。7月10日(金)19:00より、新倉瞳といずみシンフォニエッタ大阪のチェロ・メンバーにより、アザラシヴィリ作品の演奏とジョージアの音楽についてのトークが行われる。本公演のチケットをお持ちの方(限定)は無料で入場できるので併せて楽しんでほしい。「呼吸し、耳を澄まし、光を感じる」というタイトルと、タンポポの綿毛を吹く子ども、というビジュアル・コンセプトは藤倉大によるもの。その瑞々しいセンスが、私たちをより世界の音楽の近くへと誘ってくれるに違いない。

あらためてアザラシヴィリの作品を紹介できる喜びを感じながら新倉瞳

Niikura220.jpg昨年、アザラシヴィリさんの一周忌にジョージアで、彼のチェロ協奏曲を日本人に弾いてもらいたいというジャパン・ウィークという企画があって、ご招待いただきました。それですごく弾丸だったんですが、正味2日、ジョージアに滞在してジョージア室内管弦楽団と一緒に演奏し、また現地の人のアザラシヴィリさんに対する思いに触れて、さまざまなインスピレーションを受けることができました。アザラシヴィリさんはジョージアの国民全体から愛され、親しまれている作曲家で全体に明るい曲調の作品が多いのですが、このチェロ協奏曲は美しさの中にも影がある15分程度の作品。彼のお父さまへの追悼の思いも込められた作品であると、(アザラシヴィリの)お嬢さまから直接うかがうことも出来ました。そうした1つ1つを自分の中でかみ砕き、理解していく中で、あらためて今、この作品を日本で演奏できる機会をいただき、とてもありがたく思っています。

まずは"静寂の香り"からお楽しみください飯森範親

Iimori220.jpg今回はリゲティの「100台のメトロノームのための交響詩」で始まります。ネジを巻いたメトロノームを100台使うんですが、これを演奏者の方に譜面台のあたりに置いてもらって私の合図で一斉にカチッとスタートします。そうするとそれがいろんなテンポで鳴り出すんですよ。1つはカチッカチッ、1つはカチカチカチカチみたいに。そしてそれが終わってゆく時の静寂が素晴らしいんです。静寂の香りとでもいうんでしょうか。静寂の中に色や匂いまで感じられるようなこの時間を、ぜひ味わっていただきたいと思います。グバイドゥーリナの「音楽の玩具箱」はもともとピアノ曲ですが、ネジを巻くというイメージはこの作品にも出て来て、おもちゃの人形が突然動き出したり、止まったりする様子がユーモラスだったり、少し怖かったりする感じで描かれます。東欧の作曲家とは言ってもその作風はさまざまですが、今回はどこか共通するイメージも持ったプログラムです。その中でそれぞれの個性を感じ取っていただければ面白いと思いますね。

                                  取材/文:逢坂聖也(音楽ライター)




(2026年6月30日更新)


 いずみシンフォニエッタ大阪
   第56回定期演奏会
 「Breathe,Listen,Shine」

2026年7月11日(土)
16:00開演(15:15開場)
住友生命いずみホール
◆15:30~ロビーコンサート
◆15:45~プレトーク
一般-6000円(指定)
チケット発売中 Pコード:315-760

【プログラム】
G.リゲティ:
 100台のメトロノームのための交響詩
P.エトヴェシュ:リゲティ牧歌(日本初演)
R.ワーグナー:ジークフリート牧歌
V.アザラシヴィリ:チェロ協奏曲
S.グバイドゥーリナ:音楽の玩具箱
(2024室内管弦楽版/日本初演)


※公演前夜(7月10日)19:00より、ソリスト新倉瞳によるスペシャル・イベント開催。
本公演のチケットをお持ちの方に限り、ご入場いただけます。

【問い合わせ】
住友生命いずみホールチケットセンター
■06-6944-1188

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