ホーム > インタビュー&レポート > ナショナル・ユースオーケストラUSA 大阪公演 [ヴァイオリン]レイ・チェン インタビュー
――この夏、ソリストとして参加されるナショナル・ユースオーケストラUSAの日本公演でメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾かれますね。
まず、ナショナル・ユースオーケストラUSA及びワシントン・ナショナル交響楽団音楽監督のジャナンドレア・ノセダさんとの初めての共演がとても楽しみです。
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は9歳から弾いている大好きな曲です。NHK交響楽団との共演でもメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾きましたが、レイ・チェンといえばメンデルスゾーン、とイメージされるのは光栄です。完璧に書かれている協奏曲であり、みんなから高い期待を寄せられるのでそれに応えなければなりません。
――メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のどういうところに魅力を感じますか?
瑞々しさに惹かれますね。静けさから激しさまでのコントラストもわざとらしくなく、何回弾いても新鮮な気持ちになります。私は、毎回、初恋のような気持ちで弾いています。これだけ有名な曲で聴衆のみなさんに初めて聴くような気持ちになっていただくように弾くのは私にとってチャレンジングなことです。
――ナショナル・ユースオーケストラUSAとの共演はいかがですか?
若者たちとの共演は喜びでしかありません。彼らは短期間で信じられないような成長を遂げます。まるで別のグループのようになります。そういうことはプロのオーケストラでは経験できません。彼らとの共演はすべてのコンサートが祝祭になります。
――ザ・シンフォニーホールでは2017年にバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」全曲を弾かれましたね。
2017年にバッハの無伴奏曲全曲でリサイタルをひらきました。私にとって、マイルストーンとなる、大切なコンサートでした。あのときは、ホールが私にインスピレーションと自信と勇気を与えてくれて、ホールが私を助けてくれました。大阪の聴衆のこともよく覚えています。
大阪のみなさんが気持ちをストレートに出してくださるのはうれしいですね。私は大阪スタイルが大好きです。今回、私も感情をストレートに出して、若者たちとメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏します。
文:山田治生
(2025年6月 6日更新)