ホーム > インタビュー&レポート > 『浜松国際ピアノコンクール』で日本人初優勝を果たした 大阪・箕面出身のピアニスト鈴木愛美、 優勝記念リサイタルを箕面市立文化芸能劇場 大ホールにて開催!
まずは日本人初優勝という素晴らしい成績を収めた『第12回浜松国際ピアノコンクール』を振り返り、「自分がまさか優勝するとは想像していなかったので、6位から順位が呼ばれて2位の時点で名前がなく、優勝だと気づいて本当に驚きました。ただ大きな国際コンクールですし、歴代の優勝者も素晴らしいピアニスト揃いであることに少し不安な気持ちにもなりました。それでもすごくうれしかったです」と素直な気持ちを告白。
そしてこの春に開催を予定している『~浜松国際ピアノコンクール日本人初優勝記念~ 鈴木愛美 ピアノ・リサイタル』は、『浜松国際ピアノコンクール』優勝後初のリサイタルだ。
「今回演奏するハイドンのピアノ・ソナタ第13番は『浜松国際ピアノコンクール』でも演奏した曲です。この曲はハイドンのピアノ・ソナタの中でも好きな曲で、ハイドンの初期曲だからこその自由さと美的感覚を感じられる作品だと思っています。そしてメインプログラムとなるシューマンはこれまで勉強したことがない作品なので、自分自身初めての挑戦です。私の新たな可能性を感じていただける演奏会になればいいなと思います」と意気込みを語る。
『浜松国際ピアノコンクール』優勝後初のリサイタルというトピックスに加えて、初めての地元・箕面でのリサイタルとあり凱旋公演という側面も併せ持つ。「地元で初めてのリサイタルなので、とても楽しみです。地元に新たに素晴らしい劇場ができたことも、ここでリサイタルをさせていただくこともうれしいことです。演奏させていただく作品のよさを伝えられるような演奏をするために、全身全霊で準備ができたらいいなと思っています」
そして記者会見で印象的だったのは、理想とするピアノの演奏について語った言葉だ。「作品がそこにあって、自分が消える演奏が理想です。個性を出そうとすることは、考えません。個性は作品の邪魔になると思うんです。でもひとりひとり指紋が違うように、違う人が弾けば違う演奏になるとは考えています」
2025年にもたくさんの公演やコンクールへの出場が予定されている鈴木。まずは箕面でのソロ・リサイタルで彼女の指先から、そして全身から放たれる生の音に身を預けたい。
取材・文/桃井麻依子
(2025年2月 7日更新)
すずきまなみ=2002年生まれ、大阪府箕面市出身。大阪府立夕陽丘高等学校音楽科を経て、東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)を首席で卒業。現在、東京音楽大学大学院修士課程に特別特待奨学生として在学中。浜松国際ピアノアカデミー、霧島国際音楽祭に参加。これまでに稲垣千賀子、佐藤美秋、石井理恵、仲田みずほ、橘高昌男、高田匡隆、石井克典の各氏に師事。2023年、『第92回日本音楽コンクール』ピアノ部門第1位および岩谷賞(聴衆賞)、野村賞、井口賞、河合賞、三宅賞、アルゲリッチ芸術振興財団賞、INPEX賞を受賞。『第47回ピティナ・ピアノコンペティション』特級グランプリおよび聴衆賞、あわせて文部科学大臣賞、スタインウェイ賞を受賞。2024年『第12回浜松国際ピアノコンクール』にて日本人初となる第1位、及び室内楽賞、聴衆賞、札幌市長賞、ワルシャワ市長賞を受賞し、同年箕面ピアノ音楽大使に就任。これまでに東響、東京フィル、日本フィル、関西フィル等、そして梅田俊明、大井剛、ユベール・スダーン、角田鋼亮、藤岡幸夫、松尾葉子各氏各の指揮で共演を果たす。2025年には京響、日本センチュリー、札響、群響、新日本フィル、日本フィル、アンサンブル金沢、名古屋フィル、大阪フィル、広響等との共演を予定している。
2月22日(土)一般発売 Pコード:289-839
▼4月29日(火) 14:00
箕面市立文化芸能劇場 大ホール
全席指定-5000円
演奏予定曲目/
ハイドン:ピアノ・ソナタ第13番 ト長調 Hob.XⅥ:6(浜松国際ピアノコンクール演奏曲)
シューベルト:3つのピアノ曲より第2番 変ホ長調 D946-2
シューベルト:高雅なワルツ集 D969 Op.77
リスト:ウィーンの夜会(シューベルトのワルツ・カプリス)第6番 S.427-6
シューマン:幻想小曲集 Op.12
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション
■0570-200-888