ホーム > インタビュー&レポート > 甲斐翔真がフルオーケストラ公演を初開催 「甲斐翔真がやりたいことをやるコンサートです」
――お会いして驚いたのですが、背が高い(185センチ)ことは存じていましたが、腕、胸板の厚みがすごいですね。
海外の公演を観ると、真ん中(主演級)に立つ方は肉体的にも作り上げられていて、どっしりされている。『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』でメインキャストの一人として出演することが決まったとき、自分もそういった雰囲気を出したいと思ったんです。『ムーラン・ルージュ!』の衣装も、そういう作り上げられた肉体の方が似合うものでしたし。そう考えてトレーニングをやり始めたら、いつしかやらないと気が済まなくなってきました。余裕があるときは週2、3回、ジムへ行きます。ただ体のサイズがどんどん変わるので、衣装さんの顔が若干ひきつることもあったり(苦笑)。
――そういった完成された肉体だからこそ、今回のフルオーケストラ公演でも力強い歌を聴くことができそうですね。
なかには、筋肉をつけすぎると声帯が引っ張られているみたいで「歌いづらい」と感じる方もいらっしゃるそうです。逆に肉体を作り上げると「ここ」というときにパワーが発揮されるという方もいらっしゃいます。あと、声の使い方などは、やはりボイトレが重要になります。ただトレーニングすることで、歌声の響き方に変化が表れる気がしています。そしてなによりメンタルが安定します。自分への自信にもつながって、それがいろんな舞台へ望むときに良い影響を与えてくれます。
――確かにトレーニングをすると気持ちに余裕が出ますよね。
舞台上で0番(センター)に立ったときに求められるのは、いかに地に足をつけて歌えるか、演じられるか。なにより自分は、20代後半になって30代が近づくなかで役者としての在り方について考えることが増えてきて、「ずっと同じ場所に立ち続けるのはとても難しいことだ」と感じ始めています。だからこそ、肉体面も精神面も鍛えてどっしり構えていたいんです。
――30代の生き方について考えているんですね。
自分はずっと、上空1万メートルのところに架かっている渡り木を歩いているような、そんな感覚で活動してきました。「いつもギリギリなんだ」と考えるようにしているんです。それが危機感というわけではないですが、ギリギリだからこそ目の前にあることの一つひとつとちゃんと向き合いながらやっています。これは決してマイナスな意味ではなく、俳優業にそこまで執着がないんです。それよりも「自分は今、なにがやりたいか」を大切にしています。
――そういう意味では、フルオーケストラ公演を経験することでまた新たな道が見つかるかもしれませんね。
オーケストラを背負って歌わせていただけるのは、クラシック好きにとって本当にありがたい機会です。また、新たなチャレンジができることにメラメラしています。実はトレーニングをしているときも、よくクラシックを聴くんです。テンションが上がりそうなクラシックを検索して、割と強めの楽曲を聴いて鍛えていますね。
――セットリストは当日のお楽しみということですが。
自分的には今回は「クラシック好きが送るミュージカルコンサート」だと思っています。しっとりするところ、盛り上がるところなど、誰もが喜んでくださるような曲などで構成します。胸熱な展開が待っているというか...。冒頭から「なにか違うぞ」となる気がします。あと、もう一つのテーマは「甲斐翔真がやりたいことをやるコンサート」です。良い意味で公私混同ですね。ファンsの皆様には、甲斐翔真の"公"だけではなく、"私"の部分も知ってもらえるかも。最初のMCパートでは、みなさまからの「いやいや、公私混同じゃないか!」というツッコミをお待ちしています(笑)。
――京都公演では、城田優さん、昆夏美さんがゲストで登場されます。昆さんは『マリー・アントワネット』(2021年)で共演されましたね。
共演当時は自分がまだ舞台に出始めた頃。あのときは昆さんの大劇場で歌を届ける力に驚かされ、「本物のミュージカル俳優だ」と圧倒されました。昆さんの歌には魂が宿っていて、一声発すると空気がガラッと変わる。あのときの衝撃が忘れられないんです。だからこの機会に、プロのオーケストラの皆さんの演奏に乗って一緒に歌声を響かせたいと思いました。
――城田さんとは舞台共演は初になりますね。
念願のデュエットです。優さんは演出もされていらっしゃり、お客さんの目線も考えて作品を作られている。自分自身はもちろんのこと、お客様が求めていることもやる。その視野の広さに憧れているので、今回、学べるものがたくさんあるのではないでしょうか。あとなにより、体が大きな二人がステージに並んだときの迫力も味わって欲しいです(笑)。
――フルオーケストラ公演に臨むにあたっての課題はございますか。
自分が公演を楽しむためには、とにかく練習しまくるしかないです。緊張をこえるために必要なのは、練習量の多さ。ただ、自分が歌っているときの絵はちゃんと浮かんでいます。セットリストを組んだ時点で「これはいける」という自信は持っているんです。ですので、そのイメージを実現させるために中身をどう埋めていくか。今の甲斐翔真のコンサートとしてなにをすれば一番おもしろいか、そして「自分が甲斐翔真ファンだったら...と」いうものを見せたいです。
――フルオーケストラ公演でどんなものが得られると思いますか。
もちろん大きな経験になると思いますが、それが今後の俳優人生に生きるものなのか、なんなのかはまだ分かりません。
――と言うと?
自分はよく「何者でもない」と言っているんです。もしかすると今も俳優ではないのかもしれない。自分はいろんなものに興味があって、特に衣食住の大事さを感じています。特に食は、すべての物事の根底にある。だからこそ農業などをやっていらっしゃる方への尊敬が本当に大きく、それがなければ多くのことが成り立たない。ですので、そういった分野にも興味があります。もちろん俳優としても、出演する作品をちゃんと背負いたい。一つのことにとらわれず、いろんな物事に興味を持ちながら活動したいです。その点では、今回のフルオーケストラ公演などの経験によって、人間的に太くなれるのではないでしょうか。
Text by 田辺ユウキ
(2024年10月11日更新)
【京都公演】
▼10月14日(月・祝) 18:00
京都コンサートホール 大ホール
S席-12000円
A席-10000円
P席-10000円(ステージ後方から観覧するお席となります)
[出演]甲斐翔真
[ゲスト]城田優/昆夏美
[指揮]西谷亮
[演奏]大阪交響楽団
※【注釈A席】は、会場の構造上、ステージ全体が見えにくく、十分な音響効果が得られない可能性がございます。
※未就学児童は入場不可。車椅子をご利用のお客様は、お問合せ先までお電話にてお問合せください。チケットはおひとり様1枚必要となります。チケットを紛失された方、または当日お忘れになった方はご入場できません。チケット購入の際は、必ず公式サイトに掲載している注意事項をご確認の上、チケットをお求めください。ご購入後の返金、座席の振替はできません。あらかじめご了承ください。[ご来場のお客様へのお願い:https://billboard-cc.com/notice]
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