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佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2022 歌劇『ラ・ボエーム』
ロドルフォ役、笛田博昭インタビュー

佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ「ラ・ボエーム」で、7月16日(土)、18日(月・祝)、21日(木)、24日(日)にロドルフォ役を演じる笛田博昭。客席を包み込む豊かな美声で、日本屈指のプリモ・テノールとして活躍中だ。初登場となる兵庫県立芸術文化センター公演を前に話を聞いた。

パバロッティを聴いた瞬間、衝撃が走った

 
――音楽との出会い、歌を学び始めたきっかけは何だったのでしょうか?
 
高校2年生の音楽の授業で、3大テノールの映像でルチアーノ・パバロッティの歌う「誰も寝てはならぬ」を観たのがきっかけです。その瞬間、衝撃が走り「自分もあのようになりたい!こんな歌が歌いたい」と思いました。それまではまったく音楽とは無縁だったんですが。その後も、パバロッティ、マリオ・デルモナコ、ジュゼッペ・ジャコミーニは特に好きで、沢山の映像やCDを聴いたり、真似したりもしました。彼らは私にとってヒーローです。
 
――プロの歌手になろうと意識されたのは、いつ頃でしたか?
 
高校3年生の時に、地元新潟で行われた新潟県音楽コンクールに音楽の先生の勧めもあり挑戦しました。まだほとんど歌の勉強をしていない頃だったですが、第一位を獲得する事が出来たんです。その時「俺って才能があるのかも」と思い、また周りも後押ししてくれたので、この道に進む決心がつきました。それ以来、自分には歌しかないと思い続けていますし、昔から「何があってもやっていける」という自信だけはありましたね。
 
――その後、イタリアで学ばれ、オペラデビューや数々の賞も受賞されています。
 
イタリアでトータル3年間ほど勉強しました。やはり日本とは違う環境、建物や空気であったり、そこでしか感じれない空間でのレッスンは刺激的でした。歌の技術はもちろんですが、作品や音楽に対するリスペクトする気持ちを特に強く教わりました。常に音楽に対して純粋で真摯でありたいと思っていますし、ストレスなく自然体で何事にも取り組みたいと思っています。一生成長したいですし、己の芸を高めていけたらと思います。
 

 
個性は違えど目指す夢は同じ、「絆」を感じる芸術家仲間のシーン

 
――「ラ・ボエーム」のロドルフォは何回くらい演じていらっしゃいますか?
 
すでに5~6回は演じているかと思います。ミミとロドルフォの恋が芽生えるシーンもいいですが、私は男4人でワイワイしている所が大好きです。まだ形にもなっていない芸術家たちが、一つ屋根の下でバカな事やって、みな個性は違うんですが、目指している夢は同じで熱いものがある。心のどこかで繋がっている「絆」みたいなものを感じるんです。他のオペラでも「男の友情」みたいなシーンを演じるのが好きですね。
 
――日本人離れした素晴らしい体格と歌声で、映像で見ただけで、とてつもない包容力を感じます。プライベートでの笛田さんは、どのようなキャラクターなのでしょうか。
 
自然と生き物が好きですね。本当に子どものままです。休日は静かに過ごす事が多いです。少し前は自宅に金魚を飼っていましたし、今も鯉の世話をしたりしています。あと、最近はディスク・ゴルフにはまっています。学生時代に少しやっていたのですが、熱が再燃してきました。
 
――CDリリース、リサイタル開催などオペラ公演以外でも精力的に活動をされています。今後、挑戦したいことや、やってみたいことがあれば教えてください。
 
やってみたい作品としては来年5月に挑戦する事が決まった『アンドレア・シェニエ』(ジョルダーノ作曲)、あとは『運命の力』(ヴェルディ作曲)などですかね。「必ずこれを成し遂げたい!」みたいなのはあまりなくて、努力し続ければ、結果として色々な機会に出会えるのでは、と思っています。あとは、出来れば自宅に大きな池を造って、錦鯉を飼いたいですね(笑)。



(2022年7月11日更新)


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笛田博昭

Profile

ふえだひろあき…名古屋芸術大学音楽学部声楽科首席卒業。同大学院修了。「トゥーランドット」カラフ役でオペラデビュー。イタリア留学中フェッラーラ歌劇場で「イル・トロヴァトーレ」マンリーコ役でイタリアでのデビューを果たす。藤原歌劇団公演オペラをはじめとし、プリモ・テノールとして数多くのオペラやコンサートに出演し常に好評を博す。第20回五島記念文化賞オペラ新人賞、文化庁新進芸術家海外留学制度研究員、第50回日伊声楽コンコルソ第一位、及び五十嵐喜芳賞・岡部多喜子賞受賞等、受賞多数。藤原歌劇団団員。新潟県湯沢町特別観光大使。


佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2022 歌劇『ラ・ボエーム』

チケット発売中 Pコード:211-937

▼7月15日(金)・16日(土)・17日(日)・18日(月・祝)・20日(水)・21日(木)・23日(土)・24日(日) 14:00

兵庫県立芸術文化センター
KOBELCO大ホール

A席-12000円 B席-9000円 C席-7000円
D席-5000円 E席-3000円

[指揮]佐渡裕
[演出]ダンテ・フェレッティ
[合唱]ひょうごプロデュースオペラ合唱団/ひょうご「ラ・ボエーム」合唱団/ひょうごプロデュースオペラ児童合唱団
[演奏]兵庫芸術文化センター管弦楽団

[出演/ダブルキャスト]
■15日(金)・17日(日)・20日(水)・23日(土)
【ミミ】フランチェスカ・マンゾ
【ロドルフォ】リッカルド・デッラ・シュッカ
【ムゼッタ】エヴァ・トラーチュ
【マルチェッロ】グスターボ・カスティーリョ
【ショナール】パオロ・イングラショッタ
【コッリーネ】エウジェニオ・ディ・リエート
【ベノア/アルチンドーロ】
 ロッコ・カヴァッルッツィ
【パルピニョール】清原邦仁

■16日(土)・18日(月・祝)・21日(木)・24日(日)
【ミミ】砂川涼子
【ロドルフォ】笛田博昭
【ムゼッタ】ソフィア・ムチェドリシュヴィリ
【マルチェッロ】髙田智宏
【ショナール】町英和
【コッリーネ】平野和
【ベノア/アルチンドーロ】片桐直樹
【パルピニョール】水口健次

※未就学児童は入場不可。Wキャストあり。全4幕 イタリア語上演・日本語字幕付 新制作。やむを得ない事情により、出演者等が変更となる場合があります。
※販売期間中はインターネットでのみ受付。店頭での直接販売はなし。お1人様1公演2枚まで。

[問]芸術文化センターチケットオフィス
■0798-68-0255

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