「The Melody～100年の音楽～コンサート」ザ・シンフォニーホールのステージに立つヴァイオリニスト川井郁子が語る、自分らしさと情熱と。 - インタビュー＆レポート

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「The Melody～100年の音楽～コンサート」
ザ・シンフォニーホールのステージに立つ
ヴァイオリニスト川井郁子が語る、自分らしさと情熱と。（2/3）

■故郷の景色が、私の原風景だと思う。

―――人に音楽を届ける。演奏家にとってはそれをステージで実感した時が、きっといちばん充実した時間なんだと思うんですけど、コンサートで弾いている時には、川井さんはどういうこと考えて弾かれてるんでしょう？

　コンサートによりますけど、私の場合いちばんいい状態っていうのは心が飛翔してる状態ですよね。自分が弾いてるんだけど、音に誘われてどっかに気持ちが飛んでる状態。すごいトランス状態っていうか。

―――トランスまでいっちゃいますか（笑）？

　たまにあって(笑)。そういう時はなんかすごく、幸せです。あるいは、お客様と会場の響きと自分の気持ちが一体になってる感覚を覚えた時。そんな時は安心して演奏できるので、やっぱり幸せですね。その時どうなるかっていうのは弾き始めてみないとわからないですけどね。

――――なるほど。そのどちらかになれればいい演奏ができているってことなんでしょうね（笑）。演奏以外にも川井さんには作曲家としての顔もあって、映画『北のカナリアたち』の音楽では日本アカデミー賞を受賞されています。こうした表現の中心にあるものというか根本はどういうものなんでしょう？

　同じものです。曲作り、あるいはアレンジをするっていう作業は、より自分自身の世界を表現するためのものなので。映画音楽にしても、その映画そのものストーリーに沿って作るというよりは、映画から得たインスピレーションから自分の世界を膨らますっていう作り方ですね。

―――では、その表現の一番奥底にあるものというのは何なんでしょう？難しい質問かも知れませんが。

　ここにないものを求める気持ち、孤独感。孤独感と何かを求める気持ち、このふたつのような気がする。それは憧れとも言うし、心の叫びとも言うと思うけど。それが曲作りの時、いちばん集中している時に向かい合う気持ちですね。

―――昔から何かを表現したいっていう風に思っていたんですか？

　意識はしてなかったですね。ただ孤独感はすごく強くて、うまく人と交われないとか、自分の中の矛盾に苦しむとか内省的なタイプだったんです。でも、それは人にはあんまり言えないっていうのかしら。上手くやろうとするタイプだったんです。でもそういう私だったからヴァイオリンに癒されたんだろうな、とは思いますね。弾くことでそうしたものから解放されていたんですよ。

―――最初にヴァイオリンを手にしたのはいくつの時ですか？

　6歳でした。

―――ブルッフの作品を聴いてすごいと思ったって話を聞いたことがあります。

　そう、その音色にすごく感動して。アイザック・スターンだったらしいです。で、感動して、ヴァイオリン欲しいって半年間粘ったら、クリスマスの日にサプライズで父が持って帰って来てくれた。2分の1だったか、4分の1だったかの子ども用のヴァイオリンをもらいました。

―――香川県のご出身とうかがったんですが、子どもの頃の思い出などはありますか？

　そうなんです。海も山もあって。でも今のほうが、住んでいたところの良さがわかるような気がします。すごいところだなって思いますね。お仕事もいただいたりして、今でも年に2、3回は帰る機会があるんですけど。

―――今のほうが良さがわかるというのは？

　あの頃どうして良さがわからなかったかな、っていうくらいの気持ち。瀬戸内海の、こんな景色は他にないっていうくらいの景色とか、あの空気感とか人の暖かさ。それは、今のほうがずっと感じます。

―――自分の生まれ育ったところが、自分の音楽を育んだような部分っていうのは感じますか？

　それは感じます。曲を作る時に浮かんでくる風景が多いんですよ。それはふるさとの海の景色だったり、あるいはそこを歩いていた時の自分の気持ちが甦って来ることだったり、私の原風景なんだなと思いますね。曲を作ってる時などに。

（2015年1月22日更新）

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川井郁子(ヴァイオリン)

「The Melody
　～100年の音楽～コンサート」

●2015年1月31日(土)17:30
　ザ･シンフォニーホール
　S席-5500円　A席-5000円　
　チケット発売中　Pコード　247-764

【演奏予定曲】
・リベルタンゴ
・ニューシネマ・パラダイス　
　テーマ曲・愛のテーマ
・ツィゴイネルワイゼン
・Let It Go　　他

【問い合わせ】
キョードーインフォメーション
■06-7732-8888

川井郁子　MOVIE COMMENT

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Now On Sale

「The Melody～100年の音楽～」

01．So In Love
02．春の声
03．白鳥
04．愛の挨拶
05．慕情
06．黒い瞳
07．ロンドンデリーの歌
08．ツィゴイネルワイゼン
09．ウィリアム・テル序曲
11．ジュ・トゥ・ヴ
12．リベルタンゴ
13．アメイジング・グレイス
14．黒いオルフェ
15．ラ・クンパルシータ
16．チャールダーシュ
17．G線上のアリア
18．ふるさと
19．ニュー・シネマ・パラダイス
　　　テーマ曲・愛のテーマ
20．星に願いを
21．ブルーバード

VICC-60891　3000円+税