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撮影地・関西の中心・大阪で、
W主演の伊藤英明と染谷将太、井筒和幸監督らが会見!
映画『国境』オール関西“撮影中”会見レポート

黒川博行による“疫病神シリーズ”の傑作小説「国境」を、『パッチギ!』など数々の名作を世に送り出してきた井筒和幸監督の手によって実写映画化する『国境』。大阪のヤクザ・桑原と、建設コンサルタント・二宮がバディを組み、ふたりのアウトローが悪党を相手に暴れ回るこのシリーズはすでに7作品におよび、第5作「破門」は第151回直木賞を受賞。シリーズの中でも、あまりにもスケールが大きく、原作の黒川自身も映像化不可能と考えていた「国境」が今回、まさかの実写映画化。

ヤバすぎる“国境破り”バディに伊藤英明、染谷将太を迎え、関西各地で大規模なロケーション撮影を敢行中だ。撮影の真っ只中である、4月16日(木)、撮影地・関西の中心・大阪の超高層ビル「あべのハルカス」で会見が行われ、W主演の伊藤英明と染谷将太、8年ぶりの新作を手掛ける監督・井筒和幸、原作者・黒川博行、そして、本作の企画・企画を務める紀伊宗之が登壇した。

まずは伊藤が「まいど」と関西弁で挨拶。「関西メディアの方がたくさん来られると聞いたので、和気あいあいとした会見にしたいと思って「まいど」と言ったら失笑でした」と自虐的に意図を説明。同じく染谷も「まいど」と挨拶。「撮影真っ只中の会見ということで、不思議な気持ちです」と心境を明かした。

撮影の手ごたえについて井筒監督は「奇しくも、世界の親分たちがシマの取り合いをしてる最中ですよね。劇中にはそういうことを揶揄するくだりもあります。最近は娯楽映画がなかなかないので、娯楽映画を作りたかった」と意気込みを語ったかと思えば、「今は辛気臭い映画ばっかりやから(苦笑)」とぶっこむ場面も。

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そんな井筒監督の元、初の井筒組に参加した伊藤と染谷。伊藤は「現場が楽しくてしょうがない」と言い、「まだ駆け出しだった30年ぐらい前、ある役者さんについていったらそのままチンピラAで出ることになって。その時は右も左もわからなくて、ただただ井筒監督が怖かった。撮影後に「台詞に血が通った感じで言えたらいいと思うわ」と言ってくださった」と当時を振り返った。

続けて、「井筒作品はキャラクターたちが生き生きしてる印象があった。そのアドリブのような空気感は監督が作られたもの。監督の熱量と演技指導によって、毎日新たな発見や気づきがあって、いい経験になっています」と、新たな経験に胸躍らせながら撮影に参加しているよう。

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染谷も「井筒さんの作品は学生の頃から大好きでした。まさか自分が井筒監督作品の世界に入るとは思ってもなかったです。実際に現場に入っても熱量が高くて。それがすごく刺激的ですし、改めて映画を作るってこんなに楽しいことなんだと噛みしめているところです」と、現場を楽しみながら撮影に臨んでいるようだった。

8年ぶりの新作となる井筒監督。「前回も8年ぶりで今回も8年ぶり。あんまり撮ってないのか(苦笑)」と笑わせながら、「黒川先生が疫病神シリーズを書かれた理由のひとつだと思いますが、かつての大映京都の『悪名』シリーズがモチーフになっているそうです。僕は、勝新太郎さんと田宮二郎の掛け合いを辛うじて観た世代。原作を読んであの掛け合いをすぐに想起しました。大映の『悪名』を抜くことはできないけど、追いつくようなものを作れたら」と意気込みを語った。

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6度目の共演となる伊藤と染谷。染谷は「英明さんとは何度も共演させてもらって、毎回濃い現場を乗り越えてきて。木に登ったり戦ったり。殺し合ったり殺されたり。それを乗り越えての井筒組。集大成のような(笑)。いつも英明さんには助けてもらってます」と話すと、監督も「いいバディになってると思う」と称賛し、染谷は「英明さんのパワフルさに巻き込まれながら、楽しく撮影してます」と同意していた。

そんなふたりにお互いのリスペクトしていることを尋ねると染谷は「立ち姿がかっこいい。ただ歩いてるだけでも絵になるので、いつもズルいと思ってる。エネルギーが爆発する時の沸点はカメラのレンズが割れるんじゃないかと思うぐらい波動が出るので。やろうと思ってできることじゃないと思いながら見てます」と称賛。

伊藤は「監督の演技指導の中で難しいこともあるんですが、染谷くんは瞬時にリアリズムと即興性を持って対応する。助監督たちが染谷さんに「こうした方がいい、ああした方がいい」と言ってるのを監督が聞いていて、「染谷さんやで」と言った信頼感が、俳優として羨ましかったです」と、撮影中の出来事を交えて称賛していた。

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『国境』という作品のチャレンジングなところについて紀伊は「『国境』は、北朝鮮に密入国して詐欺師を追い詰めるヤクザの話。東映、東宝、松竹は絶対やらない企画をやりたいという思いが強かった。皆さんにご快諾いただいた。今回、実現できて嬉しいです」と企画の意図を語っていた。

井筒監督も「冒険物語というのは僕も今までやったことがない。しかも大阪が舞台。大阪のヤクザものと生きあぐねてる青年が、なんとか落とし前をつけに国境を突破する話です。被差別者は存在自体が抹消されそうな社会になってる。そういうふたりが決着をつけてやろうと動き回る物語なので、小難しい話じゃないから気楽に観てほしいです」と意気込みを語った。

「映画化されるとは全く思ってなかった」と言う黒川は、「コンビが北朝鮮に潜入して暗躍するというのは今までなかった。疫病神シリーズはいくつかドラマか映画にはなっているけど、スケールが大きいから『国境』だけは無理だと思ってた。実現するとは思ってなかったので、撮影が始まって嬉しいです。この映画が完成して観られるのが楽しみで仕方ない。紀伊さんと井筒さんに感謝したい」と、ふたりへの感謝の思いを述べていた。

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本作の面白さについて伊藤は「考え方も育ちも全く違うふたりが、ひとつの目的のためにバディを組んで国境まで超えていく。そこにこの作品の面白さがある。ここまで早く出来上がりを観たいと思う作品はない。人の業と人間の生き様がエネルギッシュに映っていると思うので、楽しみです」と完成を心待ちにしているよう。染谷も「本当に娯楽映画です。笑えるしハラハラするし。娯楽の中に説教くさくなく社会的縮図が描かれていて。生きづらい世の中で自分の居場所を見つけていく成長物語でもある。我々はまだ冒険の途中なので。早く完成作が観たいです」と、撮影中でありながら完成を楽しみにしているようだった。

最後に、染谷が「まだ撮影は残ってますが、面白いシーンしかないです。無事に撮影を終えて、皆様に観ていただける日が来るのを楽しみにしてますので、公開された際にはぜひ劇場でご覧ください」、伊藤が「まだまだ撮影が続くので公開は来年になると思いますが、特に関西メディアの方々に公開まで盛り上げていただければ嬉しいです。井筒監督と染谷くんと3人で参ります。井筒監督は決して怖い監督ではありません。こんなに人間味があって温かい監督はいないです。そんな監督の元、撮影は続きます。皆さん、応援してください」と作品をPRし、会見は終了した。

取材・文/華崎陽子




(2026年4月16日更新)


Movie Data


(C) 2027 K2 Pictures

『国境』

出演:伊藤英明 染谷将太
原作:黒川博行『国境』(文春文庫)
監督:井筒和幸     
脚本:吉田康弘

【公式サイト】
https://k2pic.com/film/border/