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長塚京三、若葉竜也ら豪華俳優陣が登壇!
《おおさかシネマフェスティバル2026》イベントレポート

“映画ファンのための映画まつり”《おおさかシネマフェスティバル2026》が、3月8日(日)、大阪市北区のエルセラーンホール(ホテル エルセラーン大阪5F)にて開催され、同イベントのメインプログラムであるベストテン&個人賞の表彰式に主演男優賞の長塚京三や助演男優賞の若葉竜也ら豪華ゲストが出席した。

《おおさかシネマフェスティバル》は、関西で前年中に上映された作品からベストテンおよび個人賞を選出し、毎年豪華ゲストが来場して表彰式を行う、大阪の春の風物詩として映画ファンに親しまれ、今年で50年目を迎える映画祭だ。今年も早くからチケットが売り切れるなど、観客からの期待の高さがうかがえた。なお、長年司会を務めていた浜村淳は検査入院のため欠席した。

『この夏の星を見る』で監督を務めた大阪出身の山元環が新人監督賞を受賞。ビデオメッセージで「何よりも、僕を育ててくれた大阪という街で栄誉ある賞をいただけたこと、僕の初めての映画を評価していただいたことを嬉しく思っています」と喜びを表現。「来年、再来年と精力的に映画を作っていくので、皆さんの元に素敵な映画を届けられるように頑張りますので応援よろしくお願いいたします」と締めくくった。

撮影賞は、『てっぺんの向こうにあなたがいる』の笠松則通が受賞。本作の撮影で「初めてのことがいくつかあった」と言い、「山に登ったことのない私が富士山に登ったこと、映画の中で50年近い時間を描くこと、中でも吉永小百合さんをファインダーを通して見つめたことが一番嬉しかったです」と言うと場内からは拍手が。「吉永さんとは一生縁のない方だと思っていたので」と笑顔。阪本順治監督とは長年タッグを組んできた笠松。「どっちかと言うと男性を撮ることが多かった」が、「(吉永小百合と天海祐希は)最強のふたりだった」と本音を明かした。

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そして、日本映画の作品賞を受賞した『国宝』を代表し、李相日監督からビデオメッセージが。「俳優たちの献身努力と呼応するようにスタッフの意地とプライド、技術力を総合的に結集して日本映画の第1位をいただくことができました」と挨拶。「お伺いできず、本当に申し訳ありません。そして、阪本監督、僕にとっては映画界でのお兄さんなので、阪本さんの監督賞をお祝いできず、本当に心苦しいです。ずっと何年先まで言われるのか今から怖いです」とお茶目なコメント。

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監督賞は、『てっぺんの向こうにあなたがいる』の阪本順治が受賞。李相日監督のメッセージを受けて開口一番「李相日来いよ」と言うと、場内は爆笑。「頭に血が上ったことはあるけど、山は登ったことはなかった」と笑わせ、富士山への登山では「笠松さんの方が年長なんですが、笠松さんの方が先に着いた」と裏話を明かした。

13年ぶりの吉永とのタッグについて「吉永さんはダジャレが大好きなんですよ」と言い、「靴変えます」と言うと「靴だけに覆しましたね」と吉永のダジャレを明かす場面も。「山の映画であり登山家の映画ですが、家族の映画でもある。登山隊との絆を含めて、人間関係の映画でもあるので魅力を感じてもらえたら」と本作の見どころを語った。

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新人女優賞は、『ブルーボーイ事件』で主演を務めた中川未悠が受賞。撮影中は「緊張とプレッシャーでずっと体調を崩していた」という中川。「私自身がトランスジェンダーの当事者で、性について悩んできたことなど、主人公と重なる部分が多かったので、自分自身の気持ちを届けたいと思って演じました」と、演技に込めた思いを語った。次作については「『となりのとらんす少女ちゃん』という作品が決まって、1月に撮影を終えた」と言い、「今後も女優を続けていきたい」と抱負を語った。

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新人男優賞は、『見はらし世代』で主演を務めた黒崎煌代が受賞。兵庫県三田出身の黒崎。「三田の田舎者がシティボーイを演じるので大丈夫かな?と思っていた」と自虐的に撮影を振り返った。本作で「カンヌ国際映画祭にも参加した」と言い、「監督とふたり揃ってロストバゲージをして大変困りました。ふたりでパンツだけ買って2週間ぐらい滞在した」とユニークなエピソードを織り交ぜて振り返っていた。

「監督の自伝的な映画なので監督とのコミュニケーションを大事にして、監督と若者を観察しながら渋谷をぐるぐる歩いた。あの辺りはナンパが盛んですね」と言うと、場内からは笑い声が起きていた。

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助演女優賞は、関西大学などでロケを行った『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』の伊東蒼が受賞。「自分の地元で開かれているおおさかシネマフェスティバルで賞をいただくことができてすごく嬉しく思っています」と挨拶し、「これからも映画作りに参加できる喜びを大切に頑張っていきたいと思います」と抱負を語った。

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』での告白シーンについては「(自分が演じた)さっちゃんと同じ気持ちで、何日か前から振られに行くんだと思って憂鬱だった」と、演じたキャラクターと一体化していたようだった。

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助演男優賞は、『てっぺんの向こうにあなたがいる』の若葉竜也が受賞。「ここ最近、学生時代に見ていた方たちとお仕事できることが多くなっていて、ちょっと出来過ぎじゃないかと思っている」と謙遜し、「今回も笠松さんと阪本順治監督と吉永さんとこんな場所に立てるなんていませんでした。この場に呼んでくださってありがとうございます」と挨拶。

吉永小百合演じる主人公の反抗的な息子を演じた若葉。吉永と佐藤浩市との共演については「レジェンドの方々なので緊張しましたが、おふたりが映画に対してまだ緊張しているのを見て、僕も映画の現場ですごく緊張するので、それが正しいと言われているような気がして救われた」と、貴重な体験だったよう。

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主演男優賞は、『敵』の長塚京三が受賞。「大阪の映画好きの皆さんに対面することができて嬉しいです。こういう方たちに観ていただくために映画をやってるんだと実感できました。ありがとうございます」と挨拶。本作が久しぶりの主演作だった長塚。「喫緊の問題である、老いや衰えを看過するわけにいかない。渦中にいる自分が映画にしなくてどうするんだと思い、お引き受けした」と振り返った。

主人公は「僕の日常と同じような日常を送っている人物だった」と言い、「自分を演じるようだった」そう。「役に似すぎていてしんどかったが、言ってしまえば演技しないということだったので、悩みました」と役作りについて明かした。

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授賞式後に、主演女優賞を受賞した『てっぺんの向こうにあなたがいる』の吉永小百合と会場をオンラインで繋ぎ、「折角、素晴らしい賞をいただいたのにお伺いできず申し訳ありません」と挨拶すると、場内からは大きな拍手が。吉永が「ダジャレは監督の方がもっともっと得意なので、皆さん誤解なさらないように」とくぎを刺すと、阪本監督は吉永のいる五島とかけて「五島でご当地試写」とダジャレを披露し、場内からは笑い声が。

阪本監督は吉永について「背中を見てついていく存在。国宝です」と言うと場内からは拍手が。吉永は「恥ずかしいです。もっと勉強して皆さんに迷惑かけないようにやります」と謙遜すると、若葉は「何十倍すれば勉強すればいいですか」と質問。吉永は「完璧なんです、若葉ちゃんは」と返すと、若葉は「初めてちゃん付けで呼ばれた。嬉しい」と喜んでいた。

取材・文/華崎陽子




【2025年度個人賞】

【日本映画 個人賞】
主演男優賞 長塚京三(『敵』)
主演女優賞 吉永小百合 (『てっぺんの向こうにあなたがいる』 )
助演男優賞 若葉竜也(『てっぺんの向こうにあなたがいる』)
助演女優賞 伊東蒼 (『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』 )
新人男優賞 黒崎煌代(『見はらし世代』)
新人女優賞 中川未悠(『ブルーボーイ事件』)
監督賞 阪本順治(『てっぺんの向こうにあなたがいる』)
脚本賞 内田英治(『ナイトフラワー』)
撮影賞 笠松則通(『てっぺんの向こうにあなたがいる』)
音楽賞 原摩利彦(『国宝』)
新人監督賞 山元環(『この夏の星を見る』)
 
【外国映画 個人賞】
監督賞   ポール・トーマス・アンダーソン(『ワン・バトル・アフター・アナザー』)
主演男優賞 レイフ・ファインズ (『教皇選挙』)
主演女優賞 デミ・ムーア(『サブスタンス』)
助演男優賞 ショーン・ペン (『ワン・バトル・アフター・アナザー』 )
助演女優賞 ゾーイ・サルダナ(『エミリア・ペレス』 )
 
【2025年度ベストテン】

日本映画
国宝 
ナイトフラワー 
爆弾
宝島

てっぺんの向こうにあなたがいる 
この夏の星を見る
遠い山なみの光
旅と日々
愚か者の身分

外国映画
ワン・バトル・アフター・アナザー
教皇選挙
ANORA  アノーラ
エミリア・ペレス
ウィキッド  ふたりの魔女
サブスタンス
名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN 
F1®/エフワン 
フランケンシュタイン
聖なるイチジクの種

(2026年3月 8日更新)


撮影賞を受賞した笠松則通

Event Data

《おおさかシネマフェスティバル2026》

日時:3月8日(日)
会場:ホテル エルセラーン大阪5F エルセラーンホール

【公式サイト】
https://www.oocf.net/