ホーム > インタビュー&レポート > 吉沢亮、横浜流星、高畑充希、寺島しのぶ、 森七菜、見上愛、田中泯、渡辺謙らが 京都の世界遺産「東寺」でジャパンプレミアを開催! 映画『国宝』ジャパンプレミアレポート
李相日監督が、吉田修一の同名小説を吉沢亮主演で映画化した人間ドラマ『国宝』が、6月6日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開される。組織同士の抗争で父親を失った任侠一門の息子が、上方歌舞伎の名門当主に引き取られ、歌舞伎の世界で出会ったライバルの御曹司と共に切磋琢磨しながら成長していく様を描く。
そんな本作の公開に先立ち、主演の吉沢亮、横浜流星、高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、見上愛、田中泯、渡辺謙ら豪華キャスト陣と李相日監督の総勢9名が、京都の世界遺産「東寺」にて開催される、『国宝』ジャパンプレミアに登壇した。
金堂の扉が開き、9人が登場すると、会場からは大きな拍手と歓声が。天気予報では曇りまたは雨だったが、キャストが京都に着いた頃から晴れてきたことがMCから伝えられると、吉沢が両手を挙げて「晴れ男です」と挨拶し、観客から大きな拍手で迎えられていた。
改めて吉沢が「遂に日本の皆様にこの映画を届けられる日が来たこと、撮影の地でもある京都の世界遺産で、こんなに素敵な空間で皆様に届けられることが楽しみです」、横浜が「不安定な天候で、自分が雨男なので不安だったんですが、晴れ男・吉沢亮のおかげで晴れました。東寺という世界遺産で皆様にこの作品を届けられることを幸せに思います」と挨拶。
続いて高畑が「撮影でもお世話になった京都の地にまた来ることができて嬉しいです」、寺島が「渾身の力を込めて作った映画をいち早く観ていただけるのを嬉しく思ってます」、見上が「特別な場所で特別な時間を共有できてすごく嬉しく思います」、渡辺が「この風景の中に立っていることを奇跡のように思います。この映画もそういう奇跡に支えられてできています」、監督が「京都で数ヶ月間生活しながら撮影を行いました。縁のある場所でお披露目ができることを嬉しく思ってます」と挨拶し、イベントは始まった。
先日のカンヌ国際映画祭での熱狂について吉沢は「日本の伝統芸能をベースにした作品が、カンヌでどのような評価をいただくのか、楽しみな反面不安も大きかった」と明かし、「我々が作品に込めたものが届いていることを実感して胸が熱くなった」と振り返っていた。
横浜も「幸せでした。忘れることのできない景色を見ることができた」と振り返り、「カンヌの地に立てたことだけでも役者としては幸せなこと」と言い、「ほんの少しの手応えと自信も感じたので早く皆さんに観ていただきたい」と思いを語った。渡辺も「字幕だとどこまで伝わるかわからない不安もあった。お客さんに観ていただいて映画は完成するというのはどこの国でも同じだと実感した。今日も一期一会の『国宝』が完成するんだと感じています」と感慨深げに語った。
また、監督は「上映後の反応は熱いものがあった」そうで、「「ビューティフル」という言葉が耳に焼き付いてる」と振り返り、「翌日の機関紙に好意的な批評が載っていた」と明かし、「歌舞伎の生まれではない俳優たちが大きな挑戦に挑み、絶大な説得力を生み出した。今年のカンヌ国際映画祭の映画の中で最も美しい映画のひとつ」と評されていたそう。さらに、「芸術というものに我々が向き合い、挑んできた精神性を含めて美しいと評してくれたような気がした」と、評価についての思いを語った。
カンヌのニュースを見て高畑は、「私も行きたかった。羨ましかった」と本音を語り、「海を越えて言葉を超えてこの作品の美しさが伝わったんだと思って、好評だったというニュースを見て嬉しくなった。4人の写真がかっこよすぎて、胸熱でした」と称賛すると、寺島は「現地で主人の友人が何人か観ていた。バカンスで会うので、その時に質問攻めにすると言われているので、楽しみにしてます」と笑顔で話していた。
本作の撮影について吉沢は、「撮影期間も含めて1年半歌舞伎と向き合いながらの撮影で、ひとつの役の準備にそこまで時間をかけるのは初めての経験だった」と振り返り、「どんな体験をするのか未知数だったので不安も抱えていた」と心情を吐露し、「この作品が集大成というか、僕の代表作になってほしいという思いものせた撮影だった。そういう覚悟を持って臨んだからこそ苦しみもした」と本音を明かした。
撮影を振り返った寺島も「子役のふたりも含めて、パフォーマンスをする方たちを撮る量がすごかった。だから素晴らしい作品になっているんですが、私たちは観客で応援するしかなかったから、タオルを投げたくなった。それぐらい頑張っていた」と歌舞伎の撮影を振り返り、「だから大成功間違いなしだと私は確信してます」と話していた。
それを受けて吉沢も「(撮影は)多かったよね」と横浜に話すと横浜も「多かった」と呟き、吉沢は「もう十分だろうと思った先にまだ2倍ぐらい撮影が残ってて。体力的にも精神的にもハードな日々だった」と振り返ると、横浜が「妥協せず、魂をワンカットワンカット込めてくださる方はいないので幸せな環境でした」と監督の思いを語ると、監督は「そう言っていただけると報われますね。やった甲斐があったな」と笑顔に。
「ふたりの演目の時にセットを観に行かせていただいた」と言う森は「あのセットを見た後なので、さらに京都の街なみに興味が湧いた。こんな素晴らしい街でこの作品は撮られたんだと感じてます」と感慨深げに話し、見上も「場所の持つパワーを感じた現場。お茶屋さんのシーンを京都で撮影すると、床や壁ににじみ出る歴史が街にも建物にも漂っているのが京都だと感じて、助けられた」と振り返っていた。
田中も「主演のふたりは壮絶な努力をなすってます。彼らふたりの身体を伝統が浸食した。僕は大事件だと思ってます。本当に素晴らしい映画です」と称賛。渡辺も「初めて一般の方に観ていただく日です。並々ならぬ映画になってます。劇中、襲名披露を吉沢と一緒に北の方の神社で踊った。神や歴史を感じる京都という場所でこの作品を届けられるのは、この映画に相応しい幕開けだと思う」と、本日のイベントも含めて称賛していた。
皆の言葉を受けた監督は「この映画を浴びてください。カンヌの客席の沸騰のように観客の皆さんにも特別な映画体験をしていただければ、これ以上嬉しいことはありません」と観客に語り掛けていた。
最後に吉沢が、「この作品に込めた我々の思いは皆様に伝わってると思います。たくさんの方にこの作品を絶賛していただいて、期待値の高い作品になっていると思いますが、確実に、その期待を超えていく作品になっていると思います」と作品をPRし、イベントは終了した。
取材・文/華崎陽子
(2025年5月30日更新)
▼6月6日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開
出演:吉沢亮
横浜流星/高畑充希 寺島しのぶ
森七菜 三浦貴大 見上愛 黒川想矢 越山敬達
永瀬正敏
嶋田久作 宮澤エマ 中村鴈治郎/田中泯
渡辺謙
原作:「国宝」吉田修一著(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
脚本:奥寺佐渡子
監督:李相日
【公式サイト】
https://kokuhou-movie.com/
【ぴあアプリ】
https://lp.p.pia.jp/event/movie/370582/index.html