ホーム > インタビュー&レポート > 世界の最新歴史映画が集結! 『SHOGUN 将軍』(第一話、第二話)、 『侍タイムスリッパー』上映&製作秘話に迫る! 《第16回京都ヒストリカ国際映画祭》見どころ紹介
■ヒストリカスペシャル
『黒の牛』 (C)NIKO NIKO FILM / MOOLIN FILMS / CINEMA INUTILE / CINERIC CREATIVE / FOURIER FILMS
~『SHOGUN 将軍』(第一話、第二話)のプロデューサー、日本人監督が登壇、舞台裏を語る!~
圧倒的スケールで描く戦国スペクタクル・ドラマシリーズ『SHOGUN 将軍』(第一話、第二話)を特別上映、宮川絵里子プロデューサーと第七話を監督した福永壮志氏を迎え、製作の裏側に迫るトークを開催! また、2025年1月公開の小泉堯史監督最新作『雪の花 ―ともに在りて―』(主演:松坂桃李)を先行上映、京都映画企画市のパイロット版から初長編化が実現した、70ミリフィルムでの撮影によるモノクロのルックが強烈な印象を放つ蔦哲一朗監督最新作『黒の牛』(主演:リー・カンション)を上映する。それぞれ監督が来場予定だ。
山中貞雄に捧げる漫画映画「鼠小僧次郎吉」(C)2023 M2/GENCO/MIYU
さらに注目したいのは、夭折の天才山中貞雄が遺した「鼠小僧次郎吉 - 江戸の巻」を日本が誇るアニメーション監督りんたろうがアニメ化した山中貞雄に捧げる漫画映画「鼠小僧次郎吉」。
「サイレントアニメーションに活弁が吹き込んであるスタイルで、キャラクターデザインは『AKIRA』の大友克洋が担当。本作を手がけたアニメプロデューサーのレジェンド、丸山正雄氏を迎えてのトークもお見逃しなく」(高橋氏)
■ヒストリカ・ワールド
『グローリア!』 (C)tempesta srl
~持たざるものたちが立ち上がる!時代を超え、対立を無効化する物語を目撃して~
孤児院、植民地、農村、侵略地とそれぞれの場所で、持たざるものたちが闘う歴史映画4本を上映する。
『グローリア!』(イタリア)2024 年ベルリン国際映画祭コンペティション部門選出作
1800年、ヴェネチア近郊の孤児院を舞台に、時代に埋もれた女性音楽家たちをたたえる躍動感あふれる歴史ミュージカルドラマ。
「イタリア版『天使にラブ・ソングを』。今年のベルリン映画祭コンペで観客に沸かせた、色彩感に溢れる素晴らしい作品です」(高橋氏)
『スウィート・ドリームス』 (C)LemmingFilm
『スウィート・ドリームス』(オランダ・スウェーデン・インドネシア・フランス)日本初上映
20世紀初頭、オランダ植民地時代末期のインドネシアの離島を舞台に、現地の砂糖農園で働く女性が所有者のオランダ人の死後、その家族との遺産相続問題に巻き込まれていく様子を独特の映像表現で描く。
「ボスニア生まれの女性監督、エナ・センディヤレヴィッチの長編第二作。スタンダードサイズの作品で、モデルでもある主演俳優の存在感が素晴らしい」(高橋氏)
『農民』 (C)Breakthrufilms
『農民』(ポーランド・セルビア・リトアニア)リアルなロトスコープアニメーション
20世紀ポーランドを代表するノーベル文学賞受賞作家、ヴワディスワフ・レイモントによる『農民』を映像化。19世紀後半、ポーランドの古い因習に支配された村を舞台に、歳の離れた大地主と結婚させられてしまう主人公、ヤグナが自分の道を切り拓こうとする姿を描く。四季に分かれた四部作構成の作品。
「実写で撮影したものをアニメーション化するロトスコープの手法を使った『ゴッホ 最期の手紙』監督による次回作」(高橋氏)
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・カリビアン』 (C)Erase LLC
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・カリビアン』(プエルトリコ・スペイン)日本初上映
貧困と不平等がはびこる1930年代のプエルトリコ。侵略者であるアメリカ人たちに妻を誘拐されたフアンは、幼い娘を背負い、妻を取り返すべくマチェーテ(草刈り鉈)を握る!
「レイ・フィゲロア監督は京都フィルムメーカーズラボの参加者で、自国でチャンバラ映画を撮りたいと相談され、撮影所から殺陣師を派遣する予定でしたがコロナで実現しませんでした。それでも本作には『子連れ狼』や黒澤映画的キャラクターがたくさん登場し、日本の時代劇へのオマージュが込められています」(高橋氏)
■ヒストリカ・フォーカス
『侍タイムスリッパー』 (C)2024 未来映画社
~持たざるものの闘いとその知恵を見よ!~
過去の名作から最新ヒット作まで、持たざるものの闘いにフォーカスした6本を上映するヒストリカ·フォーカス。全て上映後トーク付きだ。
【上映作品紹介】
●『侍タイムスリッパー』
幕末の侍が現代の時代劇撮影所にタイムスリップし、斬られ役として活躍する姿を描いたタイムスリップ時代劇。安田淳一監督をはじめ、キャストをゲストに迎え、撮影秘話に迫る。
『せかいのおきく』 (c)2023 FANTASIA
●『せかいのおきく』
昨年のキネマ旬報第一位を獲得した、声を失ったおきくと便所の肥やしを汲みとる男、中次、矢亮の物語。
「オープンセットを中心に太秦撮影所のベテランが工夫を凝らして撮りあげたモノクロ時代劇。阪本順治監督による上映後のトークもあります」(高橋氏)
●『七人の侍』
刈り入れ期の野盗の到来に備えるため、貧しい農村で雇われた七人の侍たち。農民たちも理解を示し始めたころ、再び刈り入れ期がやってきて...。黒澤明監督の代表作を、『十一人の賊軍』が絶賛公開中の白石和彌監督をゲストに招いて上映。
『碁盤斬り』 (C)2024「碁盤斬り」製作委員会
●『碁盤斬り』
ある"冤罪事件"に巻き込まれた父と娘の、誇りをかけた闘いを描いた白石和彌監督の2024年公開作。白石和彌監督をゲストに招き製作秘話をお聞かせいただく。
●『大江戸の侠児』
加藤泰監督による鼠小僧の前日譚。主演は大川橋蔵、香川京子。加藤泰のキレの良いカットにも注目を。上映後には、アニメーションプロデューサー、丸山正雄氏とアニメーション監督の大地丙太郎氏によるトークあり。
『人情紙風船』 (C)東宝
●『人情紙風船』
28歳で戦病死した夭折の天才監督、山中貞雄の遺作。山中貞雄に捧げる漫画映画「鼠小僧次郎吉」でも登壇予定のアニメーションプロデューサー、丸山正雄氏とアニメーション監督の大地丙太郎氏による上映後トークあり。
■ルキーノ・ヴィスコンティの『夏の嵐』を上映!
イタリアの新鋭と第15回京都映画企画市 優秀映画企画作品
『夏の嵐』 (C)CRISTALDI FILM All Rights Reserved
ボローニャ復元映画祭―チネテカ・ディ・ボローニャ提携企画では、ルキーノ・ヴィスコンティがイタリア貴族の悲劇を描く『夏の嵐』を上映。ゲストによるトークショーを開催する。
『私の誕生日』 (C)Schicchera Production
さらに、ヴェネチア国際映画祭の人材育成プログラムと提携したヴェネツィア・ビエンナーレ ビエンナーレ・カレッジ・シネマ連携企画では、行き場のない母と息子の束の間の再会を描くクリスティアン・フィリッピ監督の『私の誕生日』、ヨランダ・ディ・ボナヴェントゥーラ監督のVR短編作品『ヴァイオント』を上映。クリスティアン・フィリッピ監督の来場も予定されている。
『サバイバル忍者』 (C)京都映画企画市2023・馬杉雅喜
第15回京都映画企画市 優秀映画企画作品として、馬杉雅喜監督による聖徳太子と、忍者の始祖との出会いの物語『サバイバル忍者』(パイロット版映像)の上映を行う。
■「ヒストリカ お座敷」でクリエイタートークに参加しよう!(参加無料)
京都文化博物館6F和室を利用し、車座になってゲストやクリエイター、観客が交流する「ヒストリカ お座敷」も12月7日(土)、8日(日)に開催。各種クリエーターが登壇し、トークや関連展示、短編上映なども予定されている。多彩な企画が行われるヒストリカで、歴史映画の新たな魅力に、ぜひ触れてみてほしい。
取材・文:江口由美
(2024年11月15日更新)
▼12月3日(火)~8日(日)
京都文化博物館(3Fフィルムシアター、6F和室)
[問]京都ヒストリカ国際映画祭事務局
■075-222-5523
映画祭公式WEBサイト
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