インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 「とにかく真っすぐに全身全霊で摎役に挑みました」 原泰久の人気漫画『キングダム』を山﨑賢人、吉沢亮、 大沢たかおら豪華キャストで映画化したシリーズ第4弾 映画『キングダム 大将軍の帰還』新木優子インタビュー


「とにかく真っすぐに全身全霊で摎役に挑みました」
原泰久の人気漫画『キングダム』を山﨑賢人、吉沢亮、
大沢たかおら豪華キャストで映画化したシリーズ第4弾
映画『キングダム 大将軍の帰還』新木優子インタビュー

原泰久の人気漫画『キングダム』を映画化したシリーズ第4弾『キングダム 大将軍の帰還』が、7月12日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開される。

秦と趙の総力戦を繰り広げる馬陽の地で、突如出現した趙の総大将・龐煖から致命傷を負った信と仲間たちが脱出を図る一方で、趙の総大将・龐煖と秦軍の総大将・王騎将軍が衝突する。佐藤信介が監督を務め、脚本は黒岩勉と原作の原泰久が担当。山﨑賢人が主演を務め、吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、新木優子、吉川晃司、小栗旬、大沢たかおら豪華キャストが名を連ねている。

そんな本作の公開を前に、今作の新キャストであり王騎の過去に深く関わる謎多き武将・摎(きょう)を、凛とした佇まいで演じた新木優子が作品について語った。

──摎という役をどのように演じようと思われましたか。

原作のファンもたくさんいらっしゃり、映画『キングダム』シリーズもたくさんの方に愛されている作品なので、とにかく真っすぐに全力で挑もうという気持ちが一番でした。この作品を大好きな方々に、ちゃんと胸を張っていられるように、全身全霊でやりたいと思っていました。撮影した当時の自分の全力を出し切る気持ちで臨みました。

──アクションシーンも新木さんご自身がやられたとお聞きしましたが、それも全身全霊で臨みたいという思いからだったのでしょうか。

自分でできるところは全部やりたいと思いました。ポイントになる役どころでもあったので、自分ができるならやりたいという気持ちでした。

──「戦の神に愛された」という表現も劇中に出てきますが、摎はそういう存在でいないといけないというプレッシャーはありましたか。

そうですね。摎は六大将軍の中で唯一の女性です。摎の強さは、他の将軍にはないものを持っていたからだと思います。きっと彼女は知性も高い女性で、強さ以外の部分も、すごく長けていたのだろうと想像していました。原作を見ても、戦い方も男性のキャラクターとは少し違っていて、強そうだけれど、どこかに女性らしいしなやかさがあると感じました。そういったところを表現できたらという気持ちで演じました。

kingdom_asub.jpg

──鎧はもちろんですが、摎は仮面もつけています。両方を着用した時の感覚はいかがでしたか。

すごく守られているように感じました。仮面は、戦いに行く時に女性と悟られないように、素顔をあまり見せないようにするためのもので、彼女にとってはすごく意味のあるものだったはずです。用意していただいた面は、職人技というか、至る所に細かい技術が盛り込まれていて、この作品への愛を感じましたし、細かいところにも全てこだわって作られていることを、身に着けたことで、より一層感じました。

──そんな愛が込められた最初の作品である「キングダム」シリーズの1作目を観た時はどのように感じられたのでしょうか。

公開された時、実際に映画館に足を運んで観に行きました。今までだったら描けないような大規模なシーンやCGにまず驚きました。1作目は中国での撮影がすごく大変だったと聞いていたので、その映像の力や、アクションにかける皆さんの熱意が画面からひしひしと伝わってきました。作品の素晴らしさを映画で知って、そこから原作も読み進め、原作もファンになったので、すごく素敵な映像と原作の関係性だと思いました。

──ご自身の出演が発表される前は、どんな思いで作品を観てらっしゃいましたか。

『キングダム2 遥かなる大地へ』『キングダム 運命の炎』は、いち観客として純粋に楽しんで観ていました。私が出させていただけることは決まっていたので、私もこの世界に入るんだというドキドキと、ワクワクした気持ちは常にありました。

kingdom_asub4.jpg

──本作を観た時は、どのように感じられましたか。

最初からクライマックスだと感じました。今まで以上の飛信隊の結束力、絆の強さを改めて確認できました。そして、王騎将軍が矛を持って戦うシーンにもすごく感動しました。アクションシーンの迫力も、今まで見たことのないものでした。

──摎と王騎将軍のシーンを映画で観た時はどのように感じられましたか。

今まで王騎が見せなかった、きっと今後も周りの人には見せないであろう姿を、私だけが見ることができていたんだという気持ちになりました。

──確かに、王騎のあの表情は摎といる時だけですもんね。

それに加えて、龐煖と王騎の戦いを見た時に、こんなにも摎は王騎に想ってもらっていたんだと感じました。眼差しからも王騎の強さを感じて、本当に強い人は優しいからこそ強いんだと体感できた作品でした。

──本作には、今までの作品では見られなかった王騎の人間味が出ていたと思います。特に、摎が王騎に傷の手当をしてもらうシーンは印象に残っています。

あんな王騎見られないですよね。演じていても胸がいっぱいになりました。今まで第1作、第2作、第3作と観てきましたが、王騎もこんな顔するんだと。いつもは不敵な笑みを浮かべていて、ものすごく強いのはわかるけれど、どのくらい強いのか、一体何を考えているのかわからない。謎めいたキャラクターだったと思うんですが、王騎の内側がちょっとだけ垣間みられたというか、その強さの秘密の一部を知ることができるシーンだったと思います。

kingdom_asub2.jpg

──大沢さんとの共演は今回が初めてだったのでしょうか。

一度、雑誌の撮影でご一緒させていただいたことはありましたが、映像での共演は今回が初めてでした。

──現場で初めて会った時は、皆さんがおっしゃっているように王騎だ...という感じだったのでしょうか。

この作品に向けて体格もすごく鍛えられていて、まさに王騎という佇まいの大沢さんだったので、迫力と圧倒的な存在感に驚きました。そんな圧倒的な存在感がありながら、近付きがたい雰囲気は全く感じなくて、温かくておおらかな空気をまとっていらっしゃったので、全てを受け入れてくださるように感じました。だからこそ、撮影の時も真正面から怖がることなく、臆することなく、向き合うことができました。

──その空気がスクリーンからも伝わってきました。

役柄としては偉大な存在であるにも関わらず、すごく近い存在であることを表現できたのは、やはり大沢さんが王騎を演じてくださったからだと思っています。

──大沢さんも、新木さんが演じた摎が本当に素晴らしかったとおっしゃってました。kingdom_asub3.jpg

すごく有難いです。嬉しいですね。

──摎は強さもありながら知性もあって、凛とした女性です。新木さんは摎を演じるにあたって何を一番大事にして演じようと思われたのでしょうか。

摎は謎めいた役で、彼女には秘めておかなければいけない事実があります。でも、何かを秘めている人はすごく強いと思うんです。自分に負けず、自分に正直でありながら、しっかりと守るところを守って、芯がすごく真っすぐで信頼できる人だと思いました。

また、摎は六大将軍のひとりですから、兵がついていきたいと思うような存在感が説得力を生むと思ったので、そういうところをしっかり表現したいと思いました。私は普段、自問自答しながら役と向き合うことが多いですが、今回はなるべくマイナスな自問自答はやめて、自分に自信を持っていられるように努力していました。

──確かに、摎には秘めておかなければならない事実や思いが多いですが、だからこそ、王騎とのふたりのシーンでは、あの柔らかい表情が生まれたんですね。

そうですね。他のキャラクターと対峙している時の表情とは全く違いますよね。実際にあの時も感じましたが、完成作を観るとより感じたので、改めて、あのシーンは本当に特別な時間でした。

撮影/大﨑俊典
取材・文/華崎陽子




(2024年7月10日更新)


Check

Movie Data




(C)原泰久/集英社 (C)2024映画「キングダム」製作委員会

『キングダム 大将軍の帰還』

▼7月12日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開
出演:山﨑賢人 吉沢亮 橋本環奈 清野菜名 新木優子 吉川晃司 小栗旬 大沢たかお 他
監督:佐藤信介
脚本:黒岩勉・原泰久
音楽:やまだ豊
原作:原泰久「キングダム」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)

【公式サイト】
https://kingdom-the-movie.jp/

【ぴあアプリ】
https://lp.p.pia.jp/event/movie/315369/index.html


Profile

新木優子

あらき・ゆうこ●東京都出身。スカウトをきっかけに2008年デビュー。2015年にゼクシィ8代目CMガールに選ばれ、注目を集める。ファッション誌「non-no」の専属モデルを8年間務め、2021年にはベストジーニストを初受賞。2020年よりDIORのジャパンアンバサダーを務めている。女優としては、ドラマ「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(KTV)で「第8回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」新人賞を受賞。多数の話題作に出演し、2019年に「モトカレマニア」(CX)、2020年にWOWOW「連続ドラマW セイレーンの懺悔」で主演を務めた。2023年には、Netflixの「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」シンデレラ役、Amazon Prime Video「SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる」でヒロイン相田響役、2024年にはTBS日曜劇場「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」でフルート奏者の倉科瑠李役を演じて注目を集めるなど、女優としても飛躍を遂げている。