ホーム > インタビュー&レポート > 映画のクライマックスを話そうとする浜村に桐谷が驚く場面も! 吉岡里帆、村上淳、桐谷健太ら豪華俳優陣が浜村節に沸いた 《おおさかシネマフェスティバル2023》イベントレポート
まずは《おおさかシネマフェスティバル》おなじみ、総合司会の浜村淳が登場し、綾野剛がトロフィーを「ちっちゃ」と言った逸話をはじめ、樹木希林や蒼井優ら今までに来場した豪華俳優陣の思いで話を披露し、表彰式は始まった。
新人男優賞は『サバカン SABAKAN』で主人公のふたりの少年を演じた番家一路と原田琥之佑が受賞。客席に座っている金沢知樹監督を意識したのか、ふたりとも「ここに立てているのは金沢監督のおかげです」と真面目にコメント。浜村に監督が怖かったかどうかを聞かれ、ふたりとも「監督は面白かったし、優しかった」と返答していると、とうとう監督が舞台に。監督が「ふたりが自分の感性でやってくれた」と褒めると、ふたりは声を揃えて「いやいや、監督のおかげです」と謙遜。番家が「褒めといて損はないので」と返し、客席を沸かしていた。
新人女優賞は、『マイスモールランド』の嵐莉菜が受賞。嵐は「思った以上に反響があって、たくさん賞をいただけて評価していただけたことが嬉しかった」と反響の大きさへの感謝を述べていた。そして「改めてお芝居を経験したい。ひとつひとつ大切に演じていきたい」と抱負を語ると、浜村は「今年一番の期待の俳優です」と称賛していた。
助演女優賞は、『サバカン SABAKAN』の尾野真千子が昨年に続き2度目の受賞。浜村が「どの作品を観ても役にハマってる。片っ端から賞を獲って。家の中は賞だらけでしょ」と称賛すると「はい。そうですね」と笑いながら返答。客席からは大きな笑い声があがっていた。本作の役柄について尾野が「冗談抜きで監督が自由にやってくれていいと言ってくれたので、自由にはたきました。子どもたちも「叩いていいです」と言うもんですから、手加減なしで(笑)」と叩くシーンについて話すと、舞台上に座っていた番家が「痛くなかった」と返すと尾野は「優しさ出ちゃった?」とノリノリで返答。
さらに番家が「本当にお母さんみたいに優しかった」と称賛すると、尾野が「誰がこんなに気使わせたんや」と監督に凄み、客席からは大きな笑い声が。また、母親役について浜村が尋ねると尾野は「最近では100%親です」と返答。重ねて「いつからセーラー服着なくなったんやろ」と愚痴ると、浜村は「たまには娘に戻ってロマンス映画やりたいでしょ」と聞くと尾野は「やりたいですよ」と心の底からの声で返していた。
助演男優賞は、『ラーゲリより愛を込めて』の桐谷健太が3度目の受賞。開口一番、浜村に「シベリアで撮ったんですか?」と聞かれると桐谷は「そこは内緒で」と戸惑った後に、「言うんですか?」と開き直ると「日本ですよ。苗場ですよ。スキー場でたまに"絶好調~"とか流れてました」と笑わせながら「どんどん現実味が出るじゃないですか」と浜村にツッコミを入れる場面も。
さらに浜村が「遺書を~」と作品のクライマックスにふれると、桐谷は「クライマックスですよ。言いますか?」と確認。浜村が「もう公開して2ヶ月経ってるし、言うてもいい」と言うと、桐谷も「もう全部言いましょう」と開き直り、会場は大爆笑だった。そして浜村が「それでは桐谷さんに1曲「海へ」」と歌わそうとすると桐谷は「「海の声」なんで。本気でやらしてください。そういう時は」とタジタジになりながらも断ると、浜村は「伴奏いるんですか?」と不満気ながらも引き下がっていた。
主演女優賞は、『ハケンアニメ!』の吉岡里帆が受賞。吉岡は「モニターで見ていたんですが、面白過ぎて。これは番組ではないですよね? こんなに盛り上がっている授賞式に呼んでいただいて光栄です」と挨拶。浜村が「太秦の生まれ育ちですよね?」と尋ね、高校名まで言ってしまうと吉岡は「高校バラしちゃうんですか?」と戸惑いを見せる場面も。すると浜村は自身がすぐ近くの高校出身であることを明かし、吉岡の細かいプロフィールも知っていることを知ると吉岡は「めちゃくちゃ詳しい(笑)。地元の先輩ですね」と返答。地元が近いこともあり、浜村は「近所の子やから」と身近な存在に感じているようだった。
主演男優賞は、『夕方のおともだち』の村上淳が受賞。村上は「吉岡さんに引き続き、袖で見ていて震えていました」と挨拶し、浜村が作品の本筋について話し出すと村上は「これ、ほんとに内容言うんだね」と笑いながら戸惑っていた。それでも、「1シーンだけ、本当に革のベルトで叩かれるシーンがあって。本番前は遠慮していたんですが、本番になったら女優って怖いですね。バチンって。その1発は痛かったです」と本音を吐露する場面も。すると浜村は舞台上に着席している尾野に「やりたいですか?」と尋ね、尾野は「そういう芝居はやりたいです」と笑顔で返していた。
映画にとって一番大事なクライマックスの展開を話そうとする浜村に受賞者が戸惑う姿が見られるなど、独特の浜村節に常に笑いが絶えない表彰式だった。
取材・文/華崎陽子
【2022 年度・個人賞】
◆日本映画
主演男優賞 村上淳(『夕方のおともだち』)
主演女優賞 吉岡里帆(『ハケンアニメ!』 )
助演男優賞 桐谷健太(『ラーゲリより愛を込めて』)
助演女優賞 尾野真千子(『サバカン SABAKAN』 )
新人男優賞 番家一路(『サバカン SABAKAN』 )・原田琥之佑(『サバカン SABAKAN』)
新人女優賞 嵐莉菜(『マイスモールランド』 )
監督賞 高橋伴明(『夜明けまでバス停で』 )
脚本賞 梶原阿貴(『夜明けまでバス停で』 )
撮影賞 斉藤幸一(『とんび』 )
音楽賞 大島ミチル(『サバカン SABAKAN』)
新人監督賞 川和田恵真(『マイスモールランド』)
山﨑樹一郎(『やまぶき』 )
ワイルドバンチ賞『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』監督:辻凪子 活動弁士:大森くみこ
◆外国映画
監督賞 マイク・ミルズ(『カモン カモン』)
主演男優賞 トム・クルーズ(『トップガン マーヴェリック』)
主演女優賞 エミリア・ジョーンズ(『Coda コーダ あいのうた』)
助演男優賞 トム・ハンクス(『エルヴィス』 )
助演女優賞 ケイト・ブランシェット(『ナイトメア・アリー』 )
【2022 年度・ベストテン】
◆日本映画◆
①サバカン SABAKAN
②ある男
③ケイコ 目を澄ませて
④ハケンアニメ!
⑤流浪の月
⑥さかなのこ
⑦LOVE LIFE
⑧冬薔薇(ふゆそうび)
⑨夜明けまでバス停で
⑩恋は光
◆外国映画◆
①Coda コーダ あいのうた
②トップガン マーヴェリック
③ベルファスト
④リコリス・ピザ
⑤ウエスト・サイド・ストーリー
⑥ベイビー・ブローカー
⑦エルヴィス
⑧TITANE チタン
⑨NOPE/ノープ
⑩ドリームプラン
(2023年3月 5日更新)