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「念願の福田雄一監督作品への出演が叶った」
福田雄一監督×吉沢亮主演で贈る
サンタクロースを題材にしたコメディ映画
映画『ブラックナイトパレード』渡邊圭祐インタビュー

中村光の同名漫画を福田雄一監督が実写映画化したコメディ映画『ブラックナイトパレード』が12月23日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開される。コンビニで3年間アルバイトをしている冴えない男・日野三春が、癖の強い仲間たちとブラックサンタとなり、子どもにプレゼントを配る仕事に奮闘する姿をコミカルに描く。

中村光の『聖☆お兄さん』を映画化した福田雄一が監督を務め、吉沢亮が主人公の三春を演じ、舞台『千と千尋の神隠し』など活躍の場を広げている橋本環奈、中川大志、渡邊圭祐らが三春とともにブラックサンタとなる癖の強い仲間に扮している。そんな本作の公開を前に、笑わない料理長・古平鉄平を演じた渡邊圭祐が作品について語った。

──まずは、本作への出演と福田組への参加を聞いた時の心境をお聞かせください。

嬉しかったです。待望の、という感じでした。今、コメディ色の強い作品を撮られる方というと、一番に福田さんの名前が挙がると思いますし、僕自身、コメディがすごく好きなので、念願が叶って嬉しかったです。

──福田監督の作品で特にお好きな作品はありますか?

元々、『THE3名様』がすごく好きでした。映画だと『銀魂』ですね。あそこまで人気のある作品の実写化になると、いい意味でも悪い意味でもいろんな声があがると思うのですが、それを福田節で一蹴する面白さがあると思います。もちろん、キャストの皆さんのビジュアルもはまっていますし、作品の構成もさすがで。福田さんと『銀魂』がすごくマッチして、親和性の高い作品だったと感じています。

──本作の脚本を読んだ時はどのように感じられましたか?

お話をいただいてから原作を読んだのですが、めちゃくちゃ面白くて。どこまで映画でやるんだろう? と気になりました。いい区切りになる場所がないような気がしていましたが、脚本を読んだらすごく綺麗にひとつの作品としてまとめられていて。原作の良さを活かしつつ、すごく面白い台本になっていると感じました。

──渡邊さんが演じた古平鉄平は、コメディ色の強い本作にも関わらず、笑わない役でした。

監督にもそれは言われていましたし、意識していました。笑わないことをちゃんと役柄として押さえて演じたいなと。それが鉄平の持ち味にもなると思いましたし、ひとりだけ違う世界で生活しているようなキャラクターとして、そこは大切にしていきたいと思っていました。

──全編通じて笑わない鉄平でしたが、唯一、帽子さんと三春のやり取りが目の前で繰り広げられているシーンは、横を向いて笑いを堪えているように見えました(笑)。

あのシーンは思わず後ろを向いてしまいました(笑)。あれはめちゃくちゃ笑っています。帽子さんと一緒のシーンは、一番勢いのある笑いが生まれるシーンでもあるので、台本を読んでいてもどうやってくるんだろうな? と想像していましたが、面白過ぎて、負けてしまいました。

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──渡邊さんは事前に展開を知っていたはずなのに、それを帽子さんが超えてきた、と(笑)。

展開の広げ方が素晴らしくて。あそこだけは我慢できなかったです。吉沢さんも笑っているのか笑っていないのかわからないですが、めちゃくちゃ絶妙な顔をしながら帽子さんにツッコミをいれていくので。吉沢さんがツッコミをいれる顔を見ていたら、より面白くなってきてしまって(笑)。

──その吉沢さんとの初共演はいかがでしたか?

同年代の方とご一緒する機会はそう多くないので、第一線で活躍されている吉沢さんとご一緒できるのは有難い経験でしたし、楽しかったです。特にこの作品は監督が福田さんなので、吉沢さんならではのかましどころというか、狙いにいくところはちゃんと狙いにいくし、抑えるところは抑えるというような、足すところ引くところをちゃんと計算してらっしゃるんだなと感じました。

──ピンク色のツインテール姿の橋本環奈さんも、あのビジュアルでリアリティを持たせられることに驚きました。

コスプレで終わらせないのがすごいと思いました。あのピンクのウィッグだけではなくて、橋本環奈さん演じる志乃自身のバックボーンに関わってくる容姿も、自分のものにしてしまうのは異次元だな、と。

──福田監督のコメディ映画で、錚々たるキャストとの共演はいかがでしたか?

有意義な時間でしたし、勉強になることもたくさんありました。やっぱりやっていて楽しかったです。ライトな作品なので、全員がその瞬間、瞬間を楽しんでいる空気も伝わってきましたし、現場の空気もすごく良くて。(笑いを)我慢することはすごく多かったのですが、そんな風に楽しさを実感できる作品に携われたのは嬉しかったです。

──この夏に公開された渡邊さんの出演作『鋼の錬金術師 完結編』とは作品の雰囲気が全く違いましたね。

ハガレンは物語がシリアスな分、コメディも間に入っていて、漫画っぽい作りになっていたので、漫画の良さを感じられる作品でした。「えー」というリアクションひとつにしても、普段の生活ではないような、コマで描かれる漫画らしい動きがシーンのポイントになってくるのが、漫画を実写化した作品の特徴ですよね。ハガレンもこの作品も、漫画の実写化らしい動きは見ていて勉強になるなと感じていました。

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──『鋼の錬金術師 完結編』ではひとつの作品の中でふたりの人物を演じ分けてらっしゃいましたが、今までたくさんの役を演じてこられて、渡邊さんが演じる上で大事にしてらっしゃることは何でしょうか?

漫画の実写化には賛否があるのは当然だと思っています。でも実写で、生身の人間がやる意義もあると思っていて。生身の人間の温度で漫画を表現する意義は必ずあると思うので、そういう中で自分が演じるキャラクターの役割をしっかり考えながら、原作ファンの方に愛される作品を作っていくというのは意識しています。いち漫画好きとして、原作へのリスペクトを持って、原作ファーストでやりたいと思っていますし、自分のキャラクターを愛することを心掛けています。

──本作の撮影に入る前に準備したことはありますか?

普段通り、すごくフラットに撮影に入りました。身体が硬いので、ストレッチをしたぐらいです。何でもできる、エリート超人みたいなところがある鉄平が、ト書きに回し蹴りか飛び蹴りをすると書いてあって。これは蹴りをやると思ったので、そのために少しだけ柔軟をしました。

──鉄平は料理もすごく上手いという設定でしたが、確か、本編に調理シーンはありませんでしたね。

原作にも調理シーンは出てきてなかった気がしたので、そこは安心して手を抜きました(笑)。

──コミカルな世界の中で唯一きっちりとしているのが鉄平でした。立ち居振る舞いなどで気をつけたことはありましたか?

ボケでもなくツッコミでもなく、ちょうど中間にいる役どころだったので、いない存在にならないように気をつけました。4人で立っていても、会話をしていても、積極的に会話に入っていくわけでもないので。笑うこともせず、そこに立っている状況が多かったので、そこは気をつけました。

──1月には『恋のいばら』という、また全くジャンルの異なる出演作が公開されます。作品ごとに様々なキャラクターを演じることについてはどんな風に感じてらっしゃいますか?

今は、お仕事をいただけていることが有難いと感じています。それぞれの役によって、その人の芯の部分を考えて、自分に溶かしていく作業が楽しいです。それだけで自分の経験値が上がるように感じるので、そういう意味では、いろんな役をやるのは楽しいです。

──その後、2月には宮沢りえさん主演の舞台『アンナ・カレーニナ』で宮沢さんの相手役を演じられます。

宮沢りえさんとご一緒できるのはもちろん楽しみですし、相手役を演じられるというのは、なかなかないことだと思うので、ちゃんと並んで立って、自分のキャラクターを出せるように頑張りたいと思っています。

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取材・文/華崎陽子




(2022年12月19日更新)


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Movie Data




(C) 2022「ブラックナイトパレード」製作委員会 (C)中村光/集英社

『ブラックナイトパレード』

▼12月23日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開
出演:吉沢亮 橋本環奈 中川大志 渡邊圭祐
原作:中村光『ブラックナイトパレード』(集英社「ウルトラジャンプ」「デジタルマーガレット」連載)
脚本・監督:福田雄一
脚本:鎌田哲生

【公式サイト】
https://bnp-movie.jp/

【ぴあアプリ】
https://lp.p.pia.jp/event/movie/249484/index.html


Profile

渡邊圭祐

わたなべ・けいすけ●1993年11月21日生まれ、宮城県出身。2018年、「仮面ライダージオウ」で初のドラマ出演後、ドラマ「推しの王子様」(21/CX)、「やんごとなき一族」(22/CX)、「チェイサーゲーム」(22/TX)などに出演。その他、映画『ブレイブ-群青戦記-』(21/本広克行監督)、『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』(22/曽利文彦監督)。現在、ドラマ「私のシてくれないフェロモン彼氏」(TBS)に出演中。公開待機作として、『恋のいばら』(2023年1月6日(金)公開予定)、『わたしの幸せな結婚』(2023年3月17日(金)公開予定)など。2023年2月24日(金)~3月19日(日) Bunkamura シアターコクーンにて上演の『アンナ・カレーニナ』に出演(大阪は2023/03/25(土)~2023/03/27(月)、森ノ宮ピロティホールにて上演)。