「個性的なキャラクターが入り乱れて、
みんな一生懸命なのに面白い方に向かってしまうんです」
結婚式を題材にしたコメディ映画『ウェディング・ハイ』
に出演した関水渚インタビュー
『地獄の花園』や『架空OL日記』などの脚本を務めるなど、お笑い以外にも多彩な才能を発揮するバカリズムによるオリジナル脚本を、『勝手にふるえてろ』の大九明子監督が映画化したコメディドラマ『ウェディング・ハイ』が3月12日(土)より、大阪ステーションシティシネマほか全国にて公開される。篠原涼子演じる敏腕ウェディングプランナーが、癖の強い参列者ばかりで大混乱に陥った結婚式で、中村倫也と関水渚扮する新郎新婦のために奔走する姿をコミカルにテンポ良く描いている。篠原涼子が主演を務め、中村倫也、関水渚、岩田剛典、向井理、高橋克実らに加え、六角精児や皆川猿時、池田鉄洋や片桐はいりら癖のありそうな豪華キャストが集結。そんな本作の公開を前に、天真爛漫!?な新婦・遥を演じた関水渚が作品について語った。
──様々な問題が次々に勃発し、驚かされる展開が目白押しで、特に後半は笑いが止まらない作品でした。脚本を書かれたバカリズムさんならではのユニークな脚本だったと思いますが、初めて脚本を読んだ時はどのように感じましたか?
脚本を読んだだけですごく面白かったです。個性的な人たちが入り乱れるこの脚本を、先輩方と一緒にお芝居したらどんな風になるんだろうと、すごくワクワクしました。
──関水さんは結婚式に対してどんなイメージを持ってらっしゃいましたか?
私は今まで結婚式に出たことがなかったので、具体的なイメージは持っていませんでした。でも、今回の映画に出演して、友達がたくさん来て自分のために何かしてくれたり、両親に感謝の言葉を述べたりする場はなかなかないなと感じました。具体的に結婚式のことを考えられるようになったので、結婚するとしたら結婚式はやった方がいいなと思うようになりました。
──本作は、結婚式あるあるが詰め込まれた映画でもあります。結婚式に出たことがなかった関水さんが驚いたことはありましたか?
キャンドルサービスというものを全く知らなかったので驚きました。その他にも、ひとつひとつの出し物やイベントが儀式のように展開されていくことにも驚きました。映画の中でも、新郎新婦が結婚式の相談をするシーンがありましたが、改めて結婚式を主催する新郎新婦が決めることはすごく多いんだと実感しました。
──結婚式の準備をしている時に、新郎が聞いているようで聞いていないというような描写もありましたね。
私の両親を見ていても、結構適当にしか話を聞いていない時があるので、男の人は結婚式ではなくても、そうなんだろうなと思いました(笑)。私が演じた遥は、あんまりそういうことを気にしない性格だと思ったので、彰人の返事が適当な時もあることは気付いていると思いますが、今のところは楽しいし、そんなに気にしていないんじゃないかな。たとえ、ちょっと適当だったとしても、それはスルーして自分の伝えたいことを伝えているんじゃないかと思って演じていました。
──確かに、関水さんが演じられた遥は大らかというか、あまり細かいことは気にしない性格に見えました。
遥の細かい性格までは意識していませんでしたが、遥はとにかく明るくて結婚式に対して前向きで、 新婚生活が楽しいという気持ちで演じようと考えていました。
──新郎役の中村倫也さんとの共演シーンが一番多かったと思いますが、中村さんをはじめ篠原涼子さんなど共演者の方々との撮影はいかがでしたか?
中村さんとは今まで共演したことはなかったですが、映画やドラマなどで拝見していた俳優さんだったので、共演できるのを楽しみにしていました。ウェディングプランナー役の篠原涼子さんとの共演も楽しみでした。 篠原さんはいつも笑顔で、何でも笑って受け止めてくださるし、すごくほんわかしてらっしゃって、篠原さんがいると現場も和やかになるので、篠原さんの存在に助けられていましたし、癒されていました。
──バカリズムさんの脚本の面白さはもちろんですが、大九監督のカット割りやスピーディーな演出によって、さらに面白さが倍増していたように感じました。大九監督の演出はいかがでしたか?
監督は、すごく自由にやらせてくださいました。「それいいね」とアイデアを採用してくださったりする一方で、「こうやってみたら?」とアドバイスしてくださることもたくさんあって。監督は元芸人さんなので、提案してくださることがすごく面白いんです。監督もいつも明るい方なので、撮影はずっと楽しかったです。現場は笑いに溢れていました。完成した映画を観た時も、監督の演出によるものだと思いますが、すごくテンポがいいなと感じました。2時間飽きないんですよね。
──完成した映画を観て、ここはハマったなと思うようなツボはありましたか?
余興は結構ツボでしたね。撮影中に見た時からツボでした(笑)。皆さんすごかったんですが、どこを見たらいいの?と思っていました(笑)。ひとりひとりのキャラクターがすごく個性的で、みんな一生懸命やっているけど、それがちょっとずつ面白い方に向かってしまうのがこの映画の魅力だと思います。キャラクターひとりひとりの個性や性格に注目して観ていただきたいですね。
── 『町田くんの世界』でデビューされて以降、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』など本作を含め、様々な役柄を演じてこられたと思います。演じる上で関水さんが大切にされていることは何ですか?
最初はあまり考える余裕もなかったんですが、だんだん演じることが楽しくなってきてからは、自分がその役の一番の理解者でありたいと思って演じています。自分が演じる役のことをより深く知って、どんどん好きになっていきたいと思って演じています。
── デビューされてから現在に至るまでのご自分の変化は感じてらっしゃいますか?
現場に慣れてきましたし、初対面の方と会って仕事が始まっていく毎日に少しずつ慣れてきたように感じています。それによって変に緊張しなくなったので、楽しくなってきたんだと思います。演じることがすごく楽しくなってきたので、毎回、演じる役に夢中になっています。
──今後、こんな俳優さんになりたいという目標はありますか?
こんな風にすごく素敵な役を今後もずっといただけるような役者になれたらと思っています。私は、「リッチマン、プアウーマン」というドラマを見てこの世界に憧れて、今まで恋愛ドラマや恋愛映画に出たことがないので、やってみたいですね。魅力的でかっこいい女優さんとたくさんご一緒させていただいたので、そういう女優さんへの憧れは持っています。
取材・文/華崎陽子
(2022年3月10日更新)
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