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「すごく楽しい現場で、
 その雰囲気も映画に出ていると思います!」
ラブコメディ映画『ヒロイン失格』山﨑賢人インタビュー

 別冊マーガレットにて連載され、コミックの累計発行部数が約160万部を記録している幸田もも子の人気同名漫画を原作に、恋に暴走する女子高生の七転八倒を描いたラブコメディ『ヒロイン失格』が、9月19日(土)より大阪ステーションシティシネマほかにて公開される。そこで、桐谷美玲演じる異色のヒロイン松崎はとりが恋する、クールな幼なじみ寺坂利太に扮した今注目の俳優、山﨑賢人にインタビューを行った。

――少女マンガの映画化はたくさんありますが、この作品はちょっと異色ですよね。

最初に原作を読んだときも、少女マンガではなく、ギャグマンガっぽいなと思いました。

 

――ドラマ「デスノート」のL役、その前には『L♡DK』、公開を控える『orange』など、人気漫画の実写化作品が続いていますが、絵でキャラクターがあるものを演じるとき、やはり漫画を参考に役作りされるんですか?

「デスノート」に関しては、原作漫画がもともと好きだったので、再度読み込んでから崩すようにしてキャラクターを作っていきました。映画化もされている作品ですし、ほかの作品での役作りとはちょっと違う感じです。でも、やっぱり漫画原作のものを演じる場合、漫画からヒントはもらいますね。

 

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――今回演じた、利太はクールだけど、ただクールなだけじゃないですし、ちょっと難しい役だったのではないかと思いますが漫画を読んでどんなヒントを得ましたか?

映画では描かれていないですが、漫画が後半になるにつれ、どんどん駄目男な部分が見えてくるんです。でも、そこが逆にいいなと思って、漫画のコマをいくつも見ながら「利太ってこんな男かな」と想像したり、監督と話したりして作っていきました。

 

――監督とは利太ついてどんなお話をされたんですか?

監督からは「風のようなイメージで」と言われていました。「利太=風、(坂口健太郎演じる)弘光=太陽」と。利太って、掴みどころがなくていつも飄々としている。「クールだけど別にかっこつけている感じではなくて、ダメっぷりを出して、母性本能に漬け込む感じで」って言われて(笑)。そういった監督と話したことと台本と漫画、その全てをヒントにしました。漫画原作の役を演じるときはいつもそうしていますね。あとは、現場に行ってみないと分からないことも多いので現場次第で変わっていきます。

 

――利太は、やたらと写真を撮りますが、その行為については何か意味があるんですか?

利太って、自分のことを“何もない”“空っぽ”って思っているから、それを写真で埋めていって思い出にしている。そういう意味がありつつ、雲が綺麗だからとか、めずらしい虫がいたからとか、ただ単純に絵が面白いだけで撮っているのもあって。そういうところも掴みどころのないキャラとしての特徴でしたね。

 

――そんな利太に共感できる部分ってありました?

自分がもし利太と同じ状況になったら、利太のはっきりしないダメな感じはなんとなく分かります。ぼく自身、面倒くさがりだし、弘光くんみたいなカッコイイこともできないし、素直になれないところは似ているかもしれません。

 

――若いキャストがたくさんの現場はどんな様子でしたか?

お祭のシーンの撮影のとき、近くに駄菓子屋があったので、「お祭のシーンに何か使えるものないかな?」と思って見に行って。「ブーブークッション」があったので買って、坂口くんに仕掛けてやったら、椅子が不自然に盛り上がりすぎてて、座る前に気づかれちゃいました。でも、そのまま座ってリアクションしてくれて(笑)。それをみんなで笑いながら見たり。あと、美玲ちゃんと紙風船でリフティングして遊んだり。本当にくだらないことばかりしていました(笑)。

 

――映画に関する話をキャスト同士でしたりは?

キャスト同士で芝居の話はあまりしていないです。ぼくと美玲ちゃんと衣装さんやメイクさんなどでワチャワチャ。美玲ちゃんと坂口くんと衣装さんやメイクさんなどでワチャワチャみたいな感じで。坂口くんとは意外と共演シーンが少なくて、撮影の終盤でやっと仲良くなれたんです。

 

――本作で見せる女優、桐谷美玲のコメディエンヌっぷりが素晴らしいですが、中でもとくに印象に残っている場面はありますか?

弘光くんにメンチ切るところとか面白いシーンはたくさんあります。でも、表情で笑っちゃうというより、ぼくの肩を美玲ちゃんが突くシーンで何故か空振りして美玲ちゃんがクルッとその場で回っちゃった時は、素の笑いが出てしまいました。あとは、やっぱりスキンヘッドですかね。4時間かかったらしくて大変そうでしたけど。

 

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――面白い場面も多いですし、撮影中に笑ってしまうようなことも多かったでしょうね。

利太としてコメディ路線の芝居をするわけではないけど、美玲ちゃんがすごくコメディ要素が強いお芝居だったので、それに対してどう返していくかが面白かったです。すごく楽しい現場で、その雰囲気も映画に出ていると思います。

 

――とくに楽しんでほしいところはありますか?

主人公のはとりを演じる、桐谷美玲さんが惜しげもなく披露する変顔など、ヒロイン像の崩しっぷりがすごいです。それと、はとりがふたりの男の間で揺れて、どちらに行くのか。最後まで分からない展開を楽しんでほしいです。

 

――“私が好きな人か、私を好きな人か”ご自身がはとりの立場だったらどちらがいいですか?

ぼくは“私が好きな人”ですね。追いかけたいです。はとりくらい追いかけたいです!




(2015年9月18日更新)


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山﨑賢人 Profile(公式より)
やまざき・けんと●2010年TVドラマ「熱海の捜査官」で俳優デビュー。翌11年、映画『管制塔』で初主演。主な出演作は、映画『L♡DK』『アナザー Another』、TVドラマ「35歳の高校生」「水球ヤンキース」など。現在、連続テレビ小説「まれ」に出演中。日本テレビスペシャルドラマ「永遠のぼくら sea side blue」や7月期連続ドラマ「デスノート」にL役で出演。

Movie Data




©2015 映画「ヒロイン失格」製作委員会
©幸田もも子/集英社

『ヒロイン失格』

●9月19日(土)より、
 大阪ステーションシティシネマ
 ほかにて公開

出演:桐谷美玲/山崎賢人/坂口健太郎
   福田彩乃/我妻三輪子
   高橋メアリージュン/ほか
原作:幸田もも子「ヒロイン失格」
   (集英社マーガレットコミックス刊)
監督:英勉

【公式サイト】
http://heroine-shikkaku.jp

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/167095/