監督と『星の王子さま』の出会いは24年前。監督がアニメーターとしての夢を追う学生だった時代に、遠距離恋愛になった妻(当時は彼女)からプレゼントされたのがきっかけだった。たくさんの名言が詰まった『星の王子さま』の中でも、とくにふたりを支えたのが、“It is only with the heart that one can see rightly; what is essential is invisible to the eye.(本当に大切なものは目に見えない、大事なことは目に見えないところにある)”という文章。監督は「この本のおかげで僕らは、離れていても心で繋がりあう関係が築けたのです」と振り返った。
『星の王子さま』は監督にとってのみならず、世界中の人に大きな影響を与えている名著。監督は、映画化の話が舞い込んできたとき、すぐさま「映画化なんて無理だ」と断ったという。しかしまた、“It is only with the heart that one can see rightly; what is essential is invisible to the eye.(本当に大切なものは目に見えない。大事なことは目に見えないところにある)”この文章が頭に浮かんだ監督は、もしかしたら本を傷つけずに映画化する方法があるのではないか、と考えた。そこで、本の内容をそのまま映画にするのではなく、年老いた飛行士から星の王子さまの話を聞いた女の子を主人公に描く物語が生まれたのだ。