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アジアのニューアクション映画がアツい!
常連監督の最新作一挙上映から、台湾スターの豪華トークまで。
大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター
暉峻創三氏に聞く、今年の映画祭の見どころとは?

 3月6日(金)~15日(日)に、梅田ブルク7、ABCホール、シネ・リーブル梅田、シネ・ヌーヴォをはじめとした会場で開催される映画ファンにとって春の風物詩的大イベント《大阪アジアン映画》(以下、OAFF)が、今年でいよいよ第10回を迎える。日本全国、そして世界からも注目を集め、最新アジア映画、最新日本映画を発信するゲートウェイとなる映画祭へと成長を遂げつつあるOAFF。今年はオープニング作品『白河夜船』、クロージング作品『国際市場で逢いましょう』をはじめ、過去最多となる48本を上映し、ブルネイやハンガリーなど17の地域、国という製作国数も過去最多だ。そこで、開催を前に、OAFFプログラミング・ディレクターの暉峻創三氏(以下、暉峻PD)に、今年のラインナップについて訊いた。

《OAFF》ならではの“アジア映画”に注目!
『牝狐リザ』(ハンガリー)、『マンフロムリノ』(アメリカ)


「アジアで製作されている映画だけではなく、アジアやアジアで生きる人について考えさせる内容なら立派なアジア映画とみなしている」(暉峻PD)という考えのもと、今年コンペティション部門で上映されるのが、OAFF初のハンガリー映画『牝狐リザ』と、『ホワイト・オン・ライス』(OAFF2010で上映)デイブ・ボイル監督の最新作『マンフロムリノ』

 

『牝狐リザ』は70年代のハンガリーが舞台、日本大使未亡人のナース・リザとリザの妄想の友達・トミー谷を中心にした大人のおとぎ話コメディだ。「監督は間違いなく日本オタクで、特撮やポストプロダクションだけで3年は費やしており、そのこだわりは必見。主人公の周りの人間が次々死んでいくが、その死に方もバラエティーに富んで傑作。そしてトミー谷演じる、北欧で活躍中のアクションスター、David桜井の人物造詣が素晴らしい。これぞ超貴重品!お見逃しなく」(暉峻PD)。ハンガリーでもこの2月に公開されたばかりで5年前の企画段階から目を付けていたという暉峻PDイチオシ作。

 

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一方、デイブ・ボイル監督の『マンフロムリノ』は、スティーヴン・セガールの娘で女優の藤谷文子主演。北村一輝が物語の鍵を握る人物を演じるサスペンス映画で、最後まで先の読めないストーリーと緊張感が途切れない展開は、インディーズ作品でありながら一級サスペンスとして見応え十分。昨年夏のロサンゼルス映画祭で最優秀作品賞を受賞し、その実力は折り紙付きの作品だ。

 

 

東南アジアに台頭する新しい動き<アクション>、
そして従来のアクションにとどまらないニューアクションが集結!


東南アジアのアクション映画といえば、タイのムエタイアクション映画『トム・ヤム・クン』やブルース・リーに代表されるカンフー映画が多かったが、今回はアクションを取り入れたホラーや、コメディなど地域ローカル映画として大人気のエンターテイメント作品が一挙上映される。

 

『クボ・化け物クロニクル』
~『牢獄処刑人』と真逆な!?エリック・マッティ監督最新作~

フィリピンで有名な怪談「アスワン」にアクションをプラスしたホラーコメディ。昨年『牢獄処刑人』が日本公開され、評判を呼んだ実力派のエリック・マッティ監督だが、本作はシリアスアクションの『牢獄処刑人』とは真逆のテイストで、フィリピン国内でのヒットを狙ったエンターテイメント作品なのだとか。タイトルからもコメディテイスト満載、そのふり幅の広さをぜひ体感してほしい。

 

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『ホイにオマカセ』
~ベトナム版コロッケに爆笑必須!
公開1か月でベトナム映画史上No.1ヒットに!~

ベトナムで破格のヒットを記録している『ホイにオマカセ』。「日本でいえばモノマネ名人のコロッケのような主演男優のコミカルな動きは、バスター・キートンなどのサイレントコメディを勉強して作っていることが伺える」(暉峻PD)作品で、ベトナムローカル映画が日本で紹介されるのは本作が初めてだという。韓国映画でおなじみのCJエンタテインメントとベトナムの本格合作第一弾という点でも、まさに「ニューアクション」な作品だ。

 

他にも「インドネシアや東南アジアのアクションに興味がある人は是非みてほしい」という、インドネシア・アクション映画の伝統に迫ったドキュメンタリー『ガルーダ・パワー』、ブルネイの新鋭女性監督による格闘技アクション『ドラゴン・ガール』、特撮テレビシリーズでインドネシア版「仮面ライダー」を2話構成で上映する『ガルーダの戦士ビマX』、アジア作品への出演が増えている武田梨奈出演、川畑要主題歌の『武士道スピリット』、そして『ナシレマ2.0』(OAFF2012)で来るべき才能賞を受賞したNAMEWEE監督のバングラデシュからマレーシアにやってきた出稼ぎ労働者を主人公にしたサイケなアクション・コメディ『バングラシア』の世界初上映と、盛りだくさんなラインナップだ。

 

 

『藍色夏恋』監督12年ぶり長編、

『モンガに散る』監督最新作から、エドワード・ヤン特集まで!
<台湾:電影ルネッサンス2015>


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『藍色夏恋』イー・ツーイェン監督の12年ぶりの長編『コードネームは孫中山』は、「昨年の台湾映画で突出した出来栄え。かつてどの高校にも必ず建てられていた孫文の銅像を題材に、倉庫の片隅に捨てられていた銅像を高校の体育館の裏から持ち出そうとする話。主演級は若い男の子ばかりだが、名優、張孝全(チャン・シャオチュアン)が高校の守衛役で特別出演し、圧倒的存在感を見せている」と暉峻PDも絶賛する作品だ。第10回を記念して新設された【オーサカ Asia スター★アワード】、その第一回受賞者に選ばれた張孝全(チャン・シャオチュアン)を招いてのトークイベントも開催される。

 

また、『モンガに散る』(10)、『LOVE』(OAFF2013)ニウ・チェンザー監督の現在台湾でも大反響を呼んでいる最新作『軍中楽園』、失踪した妻・良子に瓜二つなAV女優と台湾で民宿を営む男の行方を描く世界初上映の『サシミ』、『ポーとミーのチャチャ』(OAFF2013)で来るべき才能賞を受賞したホアン・ペイジアと五月天のモンスター主演の新作、『逆転勝ち』を上映。

 

そして、<小特集:エドワード・ヤンとその仲間たち>では、台湾ニューウェーブの始まりを告げた伝説の作品『光陰的故事』『恐怖分子』(いずれもデジタルリマスター版)と、台湾ニューウェーブをテーマにした新作ドキュメンタリー『光と陰の物語:台湾新電影』を上映する。

 

 

香港ローカル色が強い作品が勢ぞろい。
あの巨匠最新作から、インディーズを代表する作品まで!
<Special Focus On HongKong 2015>


毎年人気の特集企画<Special Focus On HongKong 2015>では、『単身男女』(OAFF2011)のトライアングルオフィスラブが話題を呼んだジョニー・トー監督最新作であり、待望の続編『単身男女2』が上映される他、『ドリームホーム』(OAFF2011)、『低俗喜劇』(OAFF2013)のパン・ホーチョン監督が自ら「俺の最高傑作」と語る『アバディーン』、『桃さんのしあわせ』(11)アン・ホイ監督が中国の女性作家シャオ・ホンの生涯を描いた大作『黄金時代』、そして『アイアム ブルース・リー』の記念上映が行われる。

 

香港ローカル色が強いとして、特に暉峻PDがイチオシの作品は、『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』(10)デレク・クォック監督最新作のコテコテ香港テイストなバドミントン映画『全力スマッシュ』。『ドリームホーム』のジェシー・ホーやベテラン人気俳優のイーキン・チェンがスポーツコメディに全力で挑む必見作だ。

 

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また人気アイドルユニット、ツインズのシャーリン・チョイが主演、チャップマン・トーがプロデュースの『セーラ』は、シャーリーンが主人公の幼少時代から現代までの15年間を一人で演じ切っているのも見どころ。タイでの少女売春や性的な搾取を取り上げた社会派作品である一方、女性たちの逞しさにも目を向けたくなる秀作だ。

 

そして香港ナイトでも上映される『点対点』は香港ローカル色が一番強い作品と語る暉峻PD。「香港インディーズの中で、昨年一番話題となった作品で、自分たちの身の回りを見つめたコンセプトで製作されている。香港のインディーズ系映画祭をずっと手がけてきたテレサ・ポンがプロデューサーの作品で昨年の香港映画評論家が選んだ年間ベスト10にも選ばれた注目作」だという。

 

フィリピン版黒沢清との呼び声も高い『ヴァイオレーター』をはじめ、依然勢いのあるフィリピン映画や、超人気俳優カン・ジファンのスクリーン復帰作『太陽に向かって撃て』世界初上映など、例年以上に充実したラインナップのコンペティション部門や特別招待作品部門。ヤングポール監督や山崎樹一郎監督の最新作をはじめ、ぐっと層が厚くなったインディー・フォーラム部門、トークセッションにも注目したいメモリアル3.11など、本当にアジア映画で盛りだくさんの10日間。今すぐ公式ホームページで上映スケジュールをチェックして、日本を代表するアジア映画の祭典に、ぜひ足を運んでほしい。

 

チケットは2月21日(土)10:00より、発売開始。

 

(取材・文/江口由美)




(2015年2月18日更新)


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Event Data

《第10回 大阪アジアン映画祭》

会期:3月6日(金)~15日(日)
会場:梅田ブルク7/ABCホール/
   シネ・リーブル梅田/シネ・ヌーヴォ/他

主催:大阪映像文化振興事業実行委員会(大阪市/NPO法人コミュニティシネマ大阪/大阪商工会議所/大阪観光局/朝日放送株式会社/生活衛生同業組合大阪興行協会)

《大阪アジアン映画祭》サイト
http://www.oaff.jp/

★安藤サクラの最新主演作『白河夜船』が 《第10回 大阪アジアン映画祭》の オープニング作品に決定!
https://kansai.pia.co.jp/news/cinema/2015-01/oaff2015-opening.html

★《第10回大阪アジアン映画祭》の クロージング作品が本国で話題沸騰中の 韓国映画『国際市場で逢いましょう』に決定!
https://kansai.pia.co.jp/news/cinema/2015-01/oaff2015-closing.html

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・『太陽に向かって撃て』全上映、およびクロージング上映『国際市場で逢いましょう』については、お一人様4枚までの販売となります。ご注意ください。