「音楽って思い出とセットになって残っていくもの、
子供たちが大人になって、“今”の気持ちを思い出せるような、
そんな曲になればいいな」(RINA)
『ポケモン・ザ・ムービーXY「破壊の繭とディアンシー」』
主題歌を手がけたSCANDALにインタビュー!
今や日本を代表するガールズバンドとなったSCANDAL。その快進撃が止まらない。6月には2度目の大阪城ホール、そしてガールズバンドとしては史上2組目となる横浜アリーナ2デイズ公演を見事成功に収め、今夏も韓国・仁川のロックフェスを始め、ライブイベントに引っ張りだこ。7月16日にリリースした通算19枚目のシングル『夜明けの流星群』は現在大ヒット公開中の映画『ポケモン・ザ・ムービーXY「破壊の繭とディアンシー」』の主題歌に選ばれ、こちらも好調だ。今秋には東阪でSCANDAL LIVE HOUSE“10”DAYS『急に来てもらってゴメン。2014~新曲やるから聴いてよ~』と題した、新曲を交えた計10デイズライブの開催が控えている。そんな意気上がる彼女たちに、思い入れたっぷりと言うポケモン映画について、そしてその主題歌の制作について迫ってみた。
――まずは、6月の大阪城ホール、横浜アリーナ2デイズ公演、お疲れさまでした! 当サイトでは、大阪城ホール公演のライブレポートを掲載させて頂きました(こちら)。
HARUNA(vo&g):見ました! 見ました!
RINA(ds&vo):あの記事、めっちゃ好きでした! ほんまにお客さんのこと、めっちゃ見てくれてるなと思って、それがうれしくて。当日ライブ会場に来れなかったお客さんが、あれを読んだら景色が見えると思いました。
――ありがとうございます(笑)。改めてですが、2回目の大阪城ホールはいかがでしたか?
HARUNA:『360°』ってタイトルをつけて、お客さんが360度全方向にいる状態でのライブは初めてだったので、どこからでも見られているという…(笑)。それも刺激的でしたし、自分たちの背中側にいるお客さんが、「ああSCANDALってこういう景色を見ているんだね」というのを知ってもらえたと思います。1回目は、結果としてファンの方に連れてきてもらった大阪城ホールになったなと終わった後に思ったんですけど、今回は自分たちがみんなを大阪城ホールに連れて行くという意識でやったので、そういう意味では成功だったかなと思います。
――その大阪城ホールでアンコールに演奏したのが、映画『ポケモン・ザ・ムービーXY「破壊の繭とディアンシー」』の主題歌『夜明けの流星群』でした。映画のヒットはもちろん、曲自体もアニメ主題歌としてチャートの1位に!!
RINA:私たちもニュースで知ったんですけど、ものすごくうれしいです。音楽から映画に盛り上がりが繋がっていくのがものすごくうれしい。作品と作品がコラボするって、いいところを引き出し合うところが一番大事だと思うから、それに少しでも協力できたかなと。そう思うとほんまにうれしいです。
――話はさかのぼりますが、もともとこの『夜明けの流星群』の制作はどういう経緯があったんですか?
HARUNA:今回、主題歌を担当させていただけるというお話をいただいてから、楽曲を制作していったので、まったくの書き下ろしです。
TOMOMI(b&vo):事前に映画の台本を読ませてもらったんですけど、その時点ですごく景色が見えてきて、ワクワクする作品になるんだろうなって予感がしました。歌詞も台本の続きを書くようなイメージで、エンディングの映像を想像しながら書いていったんです。
――作詞はTOMOMIさんですね。
RINA:その他にも候補曲がいくつかあって、メンバーそれぞれが曲を作っていたんです。それを担当の方々に聴いて頂いて、この曲が今回の映画に似合いそうだということでチョイスしてもらいました。
――TOMOMIさんは、いつもの作詞と今回違う部分はありましたか。
TOMOMI:今回の曲はポケモンの主題歌ということで、幅広い世代の方に聴いて頂ける曲になると思ったんです。お子さんはもちろん親御さん世代までファンはものすごく幅広いので、どの世代にも響くわかりやすい言葉で…っというのを考えながら作っていきました。
――おっしゃるようにすごく映画の物語にもハマっている印象を受けました。みなさんはTOMOMIさんの歌詞を見たとき、どう思いましたか?
MAMI(g&vo):映画にはバトルシーンの迫力とか、そういう魅力もあるけど、実は主人公のサトシとピカチュウの絆やポケモンと人間との関係もすごく大事で、TOMOMIが一番こだわった“伝わりやすい言葉”でその部分がちゃんと描かれているなって思いました。映画を観て曲が流れてきた時に、さらに映像もプラスされて、観ながら、ああ、やったな! って自分たちでも思いました。
――みなさんは、ポケモンという作品自体にすごく思い入れがあるようですね。
RINA:ありますね。私たちSCANDALは、下が22歳で上が25歳なんですけど、その世代はちょうどポケモン第一世代と言われている年代で、私たちも幼稚園~小学生の頃から大好きでしたね。今回ポケモンの映画の主題歌を担当させて頂くことになる前から、みんなポケモンのゲームXYをプレイしていたんです。小さい頃からポケモンがそばにあったので、思い入れもあるし、本当にうれしかったです。
――映画が大ヒットして、曲も好調。SCANDALを知らない子供が映画を見て、初めて曲を聴いてくれる機会にもなっているのがいいですね。
HARUNA:そう言えば完成披露試写会の時に、多分、生のバンド演奏を見るのが初めてだと思う子供たちの前で『夜明けの流星群』を演奏させてもらう機会があったんです。みんな最初は音圧というか、音にびっくりしていたように思うんですけど、途中から笑顔になってくれたり、手をたたいてくれたり。そういう姿を見て、ああ、こうやっていろんな人の人生に音楽って関わっていくんだなと、改めてすごくやりがいを感じました。
――ちなみに曲のレコーディング自体は、今までのと違いはありましたか?
RINA:私たちはライブ感を大事にしてずっと作ってきているので、4人一斉に楽器を鳴らして、それをベースに組み立てていくというやり方は変わらずだったんですけど、トラックダウンという音色を整えたり、最後の仕上げの作業がいつもとは違って、楽器の音をいつもより控えめに、ボリュームをちょっと下げて、より歌詞が前に出てくるような音源を作ろうと思っていました。
――歌入れはいかがでしたか?
HARUNA:仲間との絆を大事にしている曲なので、映画のことはもちろんですけど、自分たちのことを思いながら歌入れをしました。
TOMOMI:私は、映画のエンディングに流れることを想像しながら、どう歌えば一番うれしくなってもらえるかなってことを考えながら歌いました。
――改めてお聞きしますが、完成した映画を観てどんな印象を持ちましたか?
MAMI:小学生の頃、当時自分たちが観た映画『ミュウツーの逆襲』もそうでしたけど、やっぱりものすごい迫力ですね。しかも映像や音響の技術は更に進化していました。ストーリーも“絆”というテーマがいつもポケモン映画にはあるんだなって、作品に深く携わらせてもらって改めて思いました。あとゲームをプレイしている身としてはポケモンがいっぱい出てくるのが単純にうれしい(笑)。
RINA:楽曲も映画の内容も普遍的なものがテーマになっているので、本当にどの年代の人も楽しめるものですし、性別も関係ない。いつからでも青春が始められるような、そんな内容。ポケモン映画を観ると思い出す気持ちとか、熱くなるものがあって、そういうものをなるべく多くの人に体験してほしいと思います。完成した作品を観させてもらったときは、とにかくストーリーに引き込まれていたので、エンディングで自分たちの音楽が流れることも忘れていたんです。で、エンディングで「夜明けの流星群」が流れてきた時にすごくゾクっときて自分達でも感動してしまいました。そういう音楽を作りたいと目指していたので、すごく嬉しかったし、音楽って思い出とセットになって残っていくものだと思うので、子供たちが大人になって、また『夜明けの流星群』を聴くと“今”の気持ちを思い出せるような、そんな曲になればいいなと思いました。
HARUNA:今も昔も変わらず、サトシにはすごく勇気をもらっているなと感じましたね。考えるよりも気持ちで、身体が先に動いちゃうところとか、大人になってくるとやっぱりいろんなことを考え過ぎちゃうところってあると思うんです。子供の時ってこれやりたい! と思ったらまっすぐ向かっていたし、こうしなきゃと思ったら即行動って感じだったので、そういうのをすごく思い出させてくれる素敵な映画だなって思いますね。
TOMOMI:今回ディアンシーというポケモンが重要な役柄で出てくるんですが、その成長していく姿を見て、私も勇気をもらいましたし、主題歌も誰かの気持ちを後押しできるような曲を作りたかったので、映画を観て、曲を聴いて、何か始めてみようかなっていう気分になってくれたら嬉しいです。
――始めよう…ということで言えば、SCANDALは、大阪城ホール、横浜アリーナ公演に続いて、秋に東京、大阪で各5日間計10デイズライブに挑戦するんですね。
RINA:これは、タイトル『急に来てもらってゴメン。2014~新曲やるから聴いてよ~』にもあるんですが、新曲をお客さんに聴いてもらおうということです。
――今回の『夜明けの流星群』も含めて…?
RINA:いえ、『夜明けの流星群』はすでにリリースされて、みんなが知っている曲なので…。また別に、今絶賛制作中です(笑)。何曲できるか、どういう音楽が完成するかっていうのも、まだ自分たちもわかっていないので、詳しいことはぎりぎりまでわからないという…。とにかくいい曲をたくさん作って、お客さんにライブで聴いてほしいなって思っていて。今年、大阪公演と東京公演っていうライブばかりで、地方を細かく回れていないんですけど、大阪は地元、結成の地ですし、東京はいま暮らしている街ですし、そういう自分たちの街にみんなを呼びたいというか、見てもらいたいなと思って、今回は私たちから行くのではなくて、みなさんに集まってもらうような感じですね。だから楽しい10日間にしたいなと、そう思ってます。
――セットリストも日替わり予定?
RINA:そのつもりです!
――ライブ、期待しています! では、最後に映画の話に戻りますが、本作をまだ観ていない方にメッセージをお願いします。
MAMI:自分たちが初めて観た映画もポケモンだったので、その頃と変わらない迫力と感動を今の子供たちにも味わってほしいなと思います! ぜひこの夏、映画を観て、夏休み開けたら学校とかでみんなでわいわい盛り上がってほしいなと思います。
RINA:この映画を観ることで今年の夏休みをいつまで経っても思い出せるようになると思います。あのXYシリーズの映画を観に行ったな、ゲームしてたなっていう、そういう特別な夏にしてほしいなと思います。だから、家族や友人と観に行ってほしいな。
HARUNA:この映画を友だちや家族と観に行って、普段話せなかったようなこととか、この映画を観ての話とか、やってみようと思うことを誰かに話したり、そういったいろんな話のきっかけになればいいなと思います。
TOMOMI:先ほども言いましたけど、ディアンシーが成長していく姿にすごく勇気をもらえるので、これを観た人に何かを感じてもらえればいいなと思いますし、何か新しく挑戦してもらえたらいいなと思います。
――わかりました。どうもありがとうございました!
Text by 金本真一
Photo by 宮家秀明(フレイム36)
(2014年8月13日更新)
Check
Movie Data
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・
TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon
©2014 ピカチュウプロジェクト
『ポケモン・ザ・ムービーXY
「破壊の繭とディアンシー」』
同時上映
『ピカチュウ、これなんのカギ?』
●TOHOシネマズ梅田ほかにて上映中
サトシ:松本梨香
ピカチュウ:大谷育江
シトロン:梶 裕貴
ユリーカ:伊瀬茉莉也
セレナ:牧口真幸
ムサシ:林原めぐみ
コジロウ:三木眞一郎
ニャース:犬山イヌコ
ナレーション:石塚運昇
監督:湯山邦彦
【公式サイト】
http://www.pokemon-movie.jp/
【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/164199/
Release
映画『ポケモン・ザ・ムービー』最新作
の主題歌に抜擢された最新シングル!
Single
『夜明けの流星群』
【通常盤(初回仕様限定盤)】
発売中 1050円
エピックレコード・ジャパン
ESCL-4245
※大人気フォトブックレット
「別冊・SCANDAL」封入
<収録曲>
01. 夜明けの流星群
02. Your song
03. 夜明けの流星群(Instrumental)
Profile
スキャンダル…写真左より、TOMOMI(b&vo)、HARUNA(vo&g)、RINA(ds&vo)、MAMI(g&vo)。'06年大阪で結成。'08年『DOLL』でデビュー。翌年には『少女S』でレコード大賞新人賞受賞。'12年3月にはガールズバンド史上最速となる日本武道館公演を達成し、翌'13年3月3日には兼ねてからの目標であった大阪城ホールでの公演を達成するなどライブでの実績も重ねていく。近年ではSCANDALの影響で楽器を始める女子も増えており、同年12月に開催した第4回SCANDALコピーバンドコンテストには国内外全国から550を超えるエントリーが集まり、10代女子を中心に絶大な人気を誇っていることを証明。'14年6月にはプリンセスプリンセス以来実に23年ぶり、史上2組目となる横浜アリーナ2DAYS公演を開催、名実共に日本を代表するガールズバンド。
【SCANDAL公式サイト】
http://www.scandal-4.com/
Live
9月の東阪10DAYSライブに続いて
10月には大阪城ホールでイベントも!
【東京公演】
『急に来てもらってゴメン。2014
~新曲やるから聴いてよ~』
Thank you, Sold Out!!
▼9月14日(日)18:00
9月15日(月・祝)17:00
9月17日(水)~19日(金)19:00
赤坂BLITZ
1F立見4500円 2F指定4500円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999
※4歳以上はチケットが必要。
Pick Up!!
【大阪公演】
『急に来てもらってゴメン。2014
~新曲やるから聴いてよ~』
チケット発売中 Pコード236-525
▼9月23日(火・祝)・24日(水)・
26日(金)19:00/27日(土)・28日(日)17:00
堂島リバーフォーラム
オールスタンディング4500円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※4歳以上は有料。
キッズエリア・女性エリアあり。
『uP!!! presents MBS音祭2014
〈Final Party〉』
チケット発売中 Pコード234-667
▼10月12日(日)17:00
大阪城ホール
指定席8640円 注釈付指定8100円
立見7560円
【出演】SCANDAL/DREAMS COME TRUE/BEGIN/モーニング娘。’14
キョードーインフォメーション■06(7732)8888
※3歳以上は有料。注釈付指定席は、映像およびメインステージでのパフォーマンスがほとんど見えない席となります。見えない、聞き取りにくい、気になるという感覚は個々に差がありますので問題ないと納得した上でお申し込みください。お席に関してのお問い合わせには、お答えできません。ご購入後の返金、及びご入場後のお席の振り替え、クレーム等は一切お受けできません。転売チケット入場不可、オークションへの出品禁止。出演者は変更になる可能性があります。出演者変更によるチケット代・交通費等の払戻しはいたしません。
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Column
SCANDALが見た2度目の夢と、
原点の地。バンド史上初の360°
ステージに1万2000人が熱狂した
一夜限りの大阪城ホールレポート!