ホーム > インタビュー&レポート > 今度はあの4頭がヨーロッパの移動サーカスで大騒動を巻き起こす!? 『マダガスカル3』エリック・ダーネル監督会見レポート
動物園から逃げ出した4頭の動物たちが繰り広げるドタバタ劇を描いたドリームワークスの人気シリーズ『マダガスカル』の最新作『マダガスカル3』が8月1日(水)より大阪ステーションシティシネマほかにて公開にて公開される。今回はライオンのアレックス、シマウマのマーティ、カバのグロリア、キリンのメルマンのお馴染みの4頭が移動サーカスに入団し、元の住処であるニューヨークのセントラル・パーク動物園を目指す姿をコミカルに描き出す。本作の公開に先立ち、シリーズ1作目から監督を務めているエリック・ダーネルが来阪し、会見を行った。
『マダガスカル』では、ニューヨークの動物園からマダガスカル島へ漂着し、大冒険を繰り広げ、続編『マダガスカル2』では、動物たちの故郷であるアフリカの大自然で野生の厳しさを味わった4頭。それぞれに世界的な大ヒットを記録したが、『マダガスカル3』はそんな彼らがヨーロッパで指名手配され、ヨーロッパをまたにかけた大騒動を繰り広げるうえ、なんとシリーズ初となる3D映画となっている。監督自身、3Dで描くことへのこだわりはあったのだろうか。
エリック・ダーネル監督(以下、監督):3D映画を作るうえで、むやみに飛び出したり、奥行きを演出することで、観客の皆さんの負担になってはいけないとは思っていました。それをふまえて前作を観てみると、私たちは過去2作で既に3D映像に合ったものを作っていたことに気がつきました。例えば、1作目でビーチでメルマンが箱に詰められている時に、アレックスが木の棒を持って「落ち着いて」となだめるシーンで、木の棒がスクリーンから飛び出ているように感じたと思うんです。それは、自然に我々が演出していたことだと思うので、今回も“マダガスカル”シリーズのトーンを変えることなく、自然に3Dを使うことができるのではないかと思いました。いわば、3Dは我々の中にあったひとつの要素なので、それを使うことで観客の皆さんが、より物語の世界に入っていけるようにできたのではないかと思っています。
また、『マダガスカル』シリーズは、アレックスの声をベン・スティラーが務めるなど、声優のユニークさも人気のひとつ。日本では、玉木宏(アレックス)や柳沢慎吾(マーティ)が、1作目から吹替え版の声優を務めており、それも日本での人気を盛り上げている要素だ。監督は、日本版の声優についてどのような印象を持っているのだろうか。
監督:私が実際にお会いした日本版の声優さんは、柳沢慎吾さんだけですが、彼が観客の方と交わされるやり取りやマスコミの皆さんとのやり取りを見ていても、本当に愉快で楽しい方なので、マーティにぴったりだと思います。また、柳沢さんを見ていると、翻訳された台詞をただ読むのではなくて、オリジナルのキャラクターを超えて、自分の要素を取り入れることで日本の文化に近づけて、マーティのキャラクターをさらに素晴らしいものにしてくださっていると思います。
ではエリック・ダーネル監督は、10億ドルを超える興行収入を記録している『マダガスカル』シリーズの1作目から監督を務めているが、今回『マダガスカル3』を作るうえでプレッシャーは感じていたのだろうか。
監督:3作目を作るうえでまずは、今までの足跡を忘れてはいけないと思いましたし、1作目2作目で発展してきたものを尊重しなくてはいけないと思いました。だから、そこを出発点として3作目に入ったんですが、本作では、1作目のように動物たちを人間界に多く登場させるということで、よりコミカルに、アクションもダイナミックに表現できると思いました。そして、サーカスを登場させることで、より大掛かりな舞台的な演出は、前2作にはなかったものになるだろうと考えました。さらに、今回はデュボア警部という、とても強力な敵役を登場させましたが、前2作での敵役はちょっとふざけた間抜けなキャラクターだったので、今回の強力な敵役は大きな変化だったと思います。たしかに、プレッシャーは作品ごとに感じていますが、特にこのシリーズは製作費が多くかかっているので、多くの方に愛されて、ここまでシリーズを続けてこられたことはとても幸いなことだと思っています。
最後にエリック・ダーネル監督に、本作の楽しみ方を聞いてみると、「この映画は、誰にでもどこかに楽しめる要素がある作品ではないかと思います。お祖母ちゃんから子どもまで幅広い年代の方に、また家族や友だち同士で楽しんで幸せな時間を過ごしていただければ嬉しいです」とのこと。確かに、前2作以上のカラフルな色使いや、サーカスでの空中ブランコや3Dならではの演出、強力な敵キャラの出現など、前2作以上にパワーアップしたハラハラドキドキが待っていること間違いなしのアニメーションだ。
(2012年7月31日更新)
●8月1日(水)より、大阪ステーションシティシネマほかにて3D/2D公開
【公式サイト】
http://www.madagascar.jp/
【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/158132/