香取慎吾主演！　人気TV番組を基にした
人と犬との絆を描く感動の物語『LOVE まさお君が行く！』
香取慎吾、広末涼子ら来場会見レポート

　TV番組「ペット大集合！ポチたま」の人気コーナー「まさお君が行く！ポチたまペットの旅」で話題を呼んだラブラドール・レトリーバーのまさお君と松本君の姿を香取慎吾主演で映画化した『LOVE まさお君が行く！』が大阪ステーションシティシネマほかにて公開中だ。超食いしん坊で、芸もできないダメ犬のまさお君と、まさお君に振り回されっぱなしの売れない芸人・松本君が繰り広げる実際に起きたエピソードを基に、オリジナルストーリーを交えて感動の物語が描かれる。本作の公開に先立ち、芸人・松本君に扮した香取慎吾と、松本君の10年来の彼女・里美を演じた広末涼子が来阪し、会見を行った。

　トラブル続きのまさお君と松本君に、最初はクレームばかりだった視聴者からの声も、やがては応援の声へと変わり、ふたりはかけがえのないパートナーとなっていく。本作は、そんな人と犬との絆を、笑いあり涙ありで描く感動作だ。本作では、特にラブラドール・レトリーバーのまさお君と絡むシーンが多かった香取だが、元々犬が好きだったのだろうか？　また、まさお君とのコミュニケーションはどのように行っていたのだろうか？

香取慎吾(以下、香取)：元々犬が大好きで、犬を飼いたいとも思っていました。その中でも一番飼いたかった犬種がラブラドール・レトリーバーだったんです。だから、撮影だけでも一緒に過ごせて嬉しかったです。この子とのコミュニケーションは、ストーリー上、あまりよろしくないコミュニケーション状態から始まるので、最初のうちはほとんどコミュニケーションを取らず、本番でリードをもらって、撮影が終わった後は離れていました。だいたい順撮りでの撮影だったので、後半、だいぶ仲良くなってから、実際に映画の中でも仲良くなるシーンを撮影できたので、ちょうど良かったです。

　元々香取は犬好きだったようだが、実際の撮影でまさお君と絡むシーンなどで苦労したエピソードは？

香取：この子は、元々お芝居ができる子じゃないんですね。監督がだいぶまさお役の犬を探したみたいなんですが、すごく訓練されているような犬だと、常に背筋がぴんとしているような犬ばかりだったみたいで、どうも違うなと感じていたら、お芝居もしたことがなくて、たまたま預けられていたのがこの子だったんです。でも僕からしたら、とんだ迷惑でしたね(笑)。実は、最初の頃はこの子の他にもう1頭、ちゃんとした演技ができる子がいたんです。でも、その子と歩くシーンをリハーサルしたら、僕の横にぴったりついて、綺麗に歩いてくれるんです。だから、まさおにはならなくて、その日1日でいなくなりました。この子は力強く引っ張るから、腕が筋肉痛になって大変だったり、最初は全然言うことも聞かなかったんですが、途中から難しいシーンでも、すごくいいお芝居をしたりして、こいつはもしかしたら天才なんじゃないかと思ったりしました(笑)。

　撮影当初は、まさお君との絡みにも苦労していたようだが、実は、現場の雰囲気はまさお君に癒されていたそうだ。

香取：犬は人に癒しを与えるって言いますけど、本当なんだと思いました。この子がいるだけで、現場の空気が和むんですよね。夜中までの撮影で、みんなピリピリしていても、カメラさんや照明さんのアシスタントさんの中で一番頑張ってる下っ端の女の子とかが、この子を撫でたりしている時はすごくいい笑顔になっていたりするんです。その時に犬の力はすごいと思いました。撮影現場は修羅場なので、普段は一度ピリっとしちゃうちと中々和まないんですが、今回はこの子がいたおかげで違う雰囲気でした。

　そのように、撮影現場はまさお君に癒されていたようだが、広末涼子演じる里美も、10年間も陰ながら松本君を支え続けた、香取演じる松本君にとっては癒し系的な存在だ。広末は、里美役をどのように感じて演じていたのだろうか。

広末涼子：松本君とまさお君だけなら、仲良しドタバタ劇のロードムービーになってしまうと思うんです。でも、私が演じた里美が30代の女性ならではの結婚を意識している感じや、将来のことについて悩んだりする姿がすごく現実とリンクする、リアリティを生む役だと思いました。だから、シーン数が多くない分、松本君とのシーンも、最初から別れを考えているようなニュアンスがあったりして、シリアスになってしまいがちなんですが、一緒に過ごしてきた10年間は楽しかったんだろうな、ということを感じさせるようなお芝居をしたいと思って演じていました。

　そんな広末について、香取は？

香取：どこからどう見ても素敵じゃないですか(笑)。女性の方もそうだと思いますが、男性陣なんかねぇ、広末涼子ですよ(笑)。本格的な共演は今回が初めてだったんですが、ずっと前からちょこちょこ一緒にお仕事させていただいてましたし、改めて今回ご一緒させていただいて、可愛いだけじゃなくてとても綺麗な大人な女性で、ほんとに素敵でした。僕もけっこう、本番に入る瞬間に相手役の方を好きになったりするんですが、涼子ちゃんが本番中に僕を、というか松本君を見つめる好きな気持ちの伝わり方が半端なくて、危うく香取慎吾に戻ってしまいそうになりました。演技しながら、「これは俺に向けてじゃない、松本君にだ」って言い聞かせていました(笑)。

　途中でまさお君が吠えたりしたことはあったが、最後まで笑いを交えた香取のトークに圧倒されっぱなしの会見だった。本作は、そんな香取が語ってくれたように、まさお君や広末涼子に癒されるとともに、人と犬とのコミュニケーションを軽快なタッチでコミカルに映し出しながらも、松本君とまさお君が築き上げた絆が涙を誘うヒューマン・コメディだ。

（2012年7月 4日更新）