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NHKの深夜コント番組がまさかの映画化!! 
小池徹平、生瀬勝久ら来場
『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』爆笑会見レポート

 2年連続で国際エミー賞コメディ部門にノミネートされるなど、人気だけでなく評価も高いNHKのコント番組「サラリーマンNEO」が、小池徹平を新キャストに迎えて映画化した『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』が11月3日(木・祝)より大阪ステーションシティシネマほかで公開される。TVシリーズの世界観やテイストはそのままに、中堅ビール会社に就職した新入社員の成長する姿を描く長編ストーリーを導入。生瀬勝久、沢村一樹らレギュラー陣が、個性豊かなサラリーマンたちを演じているのに加え、郷ひろみら豪華なゲストにも注目だ。公開に先立ち新入社員の新城を演じた小池徹平(W主演)、新城の上司で、阪神タイガースを応援することだけに熱中する中西に扮した生瀬勝久(W主演)、新城の先輩・小西を演じた池田鉄洋、そしてTVシリーズから全ての演出を務める吉田照幸監督が来阪し会見を行った。

 

 「サラリーマンNEO」といえば、サラリーマンならではの悲喜こもごもを、実力派の役者たちが面白おかしくコント形式でお届けする人気番組。生瀬や池田はレギュラー番組からの参加となるが、生瀬とのW主演を果たした小池徹平は、「サラリーマンNEO」シリーズには初参加となる。まずは、普段のコントとは違い、「サラリーマンNEO」色満載のひとつの物語を2時間の映画にすることで、演じることに変化はあったのだろうか。

 

小池:僕は、周りの人たちに振り回される役ということとNEOの世界観を大事にすることを念頭に置いて、普通であることを意識して演じていました。でも、「サラリーマンNEO」のメンツの中で普通でいることは、笑いそうにもなるのはもちろんですし、すごく難しかったです。どうしても、みんなのノリに乗っかりたくなる気持ちが芽生えてしまって(笑)。でも、完成した映画を観ると、なんとかNEOのメンバーの中に溶け込めたんじゃないかと思っています。

 

生瀬:私は、レギュラー放送の「サラリーマンNEO」を映画化することには反対でした。基本的に、この番組はオムニバス形式によるサラリーマンのコント番組ですから。映画化することの意味がわからなかったんです。TV版は6台ぐらいのカメラでカットなしで撮影するので、リズムもテンポもよくて、コント色が出ているんです。それを映画化して、ひとつのカメラでカットを割って作っていくと、リズムなんて出ないんじゃないかという不安もありましたし、出来上がるまで本当に不安でした。でも、初めて観た時にいい映画だと思いました。サラリーマンって大変だけど面白いと思えるという、基本的なテーマが1本の映画になって楽しめる映画になったんじゃないでしょうか。

 

監督:演出で気をつけたことは、感情を使い果たす前に撮る、要するに早く撮ることです。僕が役者の方たちに「こうしてくれ」と演出することはほとんどなくて、役者の方には、アドリブやその場のノリで好きに動いてもらっていたので、イキイキした映像が生まれたんじゃないかと思います。

 

 キャストたちがイキイキと動き回る本作の中で、小池演じる新城はわけのわからない上司や先輩に振り回されながらも、ある日の企画会議で思いつきで口にした企画がとおってしまったことから、仕事がどんどん楽しくなっていく。そんな新城同様、小池もすごくのびやかな演技を見せている。

 

小池:正直、すごく嬉しかったです。今までの「サラリーマンNEO」のことは現場の中で一番、僕が詳しかったんじゃないかと思うぐらいDVDを見て勉強しましたから。2週間ぐらいぶっ通しでDVDを見て、マイブームがNEOという状態で現場に入ったので、キャストの方々の待合室が絶景というか、遊園地みたいに感じるぐらい嬉しい気持ちでいっぱいで、ファンの方たちに申し訳ないとさえ思いました(笑)。

 

 そんな、レギュラー番組として確立している現場に初めて飛び込んだ小池とは反対に、飛び込んでくる小池を迎える立場だった生瀬と池田はどのような気持ちだったのだろうか。

 

生瀬:最初は反対でしたね(笑)。小池くんは可愛いから、(観客の方は)彼にシンパシーを感じないんじゃないかと思ったんです。映画の中では苦労する役なのに、これだけの可愛い顔を持っていれば人生幸せじゃないかと思うじゃないですか(笑)。仕事で失敗したっていいじゃん、モテるんだからって。この映画はコメディだから、みんな笑わせたいはずなのに、彼はそれを全部受けなきゃいけない役だから、小池くんは最後までスケベ心を出さずに全部受けてくれたんです。それは、僕たちにとってはすごく有難かったです。役者としての立ち居地をちゃんと理解してくれていたことが、彼の素晴らしいところだと思いました。だから、この映画で僕にはキャスティングの能力がないということがわかりましたね(笑)。

 

池田:僕は「サラリーマンNEO」にはシーズン3からの参加なので共演者の方とも付き合いは長いし、小池くんとも今まで共演したことがあったので、今回小池くんがNEOに初参加で、さぞ緊張しているだろうなと思って、ここは私の出番だと思っていたんです。でも、小池くんは初日からすぐに輪の中に入って、むしろ皆を和ませていました。だから、後半は私の方が慰められるという、いつものパターンでしたね(笑)。私は、シーズン3から参加していますが、生瀬さんから誉められたことは一度もないのに、今小池くんがベタ誉めされていて、すごいなと思いました(笑)。

 

 そのように、和気あいあいと進んだ撮影だったようだが、本作の面白さは、そんな個性的なキャスト陣の演技に加えて、なんといっても“サラリーマン”をリアリティたっぷりに面白おかしく描いたこと。しかし、吉田監督以外の小池、生瀬、池田にはサラリーマン経験はない。その“サラリーマン”の面白さを表現するにあたっては、どのように考えて演じていたのだろう。

 

小池:僕自身は面白いキャラクターではなくて、周りの役者さんたちが暴れまわって、それに振り回される受身の役だったんですが、サラリーマンを疑似体験させていただけて、すごく面白かったです。本当にこういう人たちがいたら大変だけど面白いんだろうな、と思いました。

 

生瀬:僕もサラリーマン経験はないんですが、仕事ってどうやって楽しむかだと思うんです。仕事は楽しいものではないですが、楽しく感じられるかどうかが人それぞれの幸せに繋がっていくと思うんです。俳優の仕事もそうなんですが、辛いと思えば辛いんです。僕は楽しく俳優の仕事をさせていただいてますが、自分の芝居が下手だと自覚すればもっと辛いと思うんです。でも、おかげさまで僕は自信過剰な人間なので楽しく仕事させていただいてます(笑)。結局は、気持ちの持ちようですよね。この映画で徹平くんは、上司や変な先輩に振り回されたりしながら、仕事が面白いと感じていく役柄を演じていますが、そんな撤平くんを観てサラリーマンの面白味を感じていただきたいです。

 

池田:私もサラリーマン経験はないんですが、以前テレビで放送された「会議最前線」というコントが、時間は過ぎていくけど結論は出ないという、サラリーマン経験のない僕にしてみたら不思議なコントだったんです。でも、それを見た友人・知人から「うちの会社をパクったのか!?」と何人もに言われて、それぐらいリアリティがあるんだと思いました。だから、「サラリーマンNEO」のコントって、あながち誇張でも嘘でもないんだと思って、サラリーマンって大変だし、面白いなと思いました。

 

監督:フリーの方と違って、サラリーマンというのはどこかで組織を頼っているんですが、その分組織に悩まされてると思うんです。その悩みって、大きな映画のスケールからするとちっちゃい悩みなんですよね。そのちっちゃい悩みの中に笑いがあるんじゃないかと思って、この番組を続けてきて、それが映画に通用するのかどうか不安だったんですが、出来上がった映画を観て、小さな悩みも大きな映画に通用するんだと思いました。そういう日常の笑いを楽しんでいただきたいです。

 

 それぞれが語ってくれたように、本作は不条理で理不尽な“サラリーマン”のリアルな姿をコミカルに面白おかしく描くと同時に、新入社員がそんな“サラリーマン”社会にもまれながら成長していく姿を描くことで、“サラリーマン”の楽しさを再認識させてくれる痛快コメディだ。




(2011年11月 2日更新)


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Movie Data



(C)2011「劇場版サラリーマンNEO」製作委員会

『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』

●11月3日(木・祝)より、
大阪ステーションシティシネマほかにて公開

【公式サイト】
http://www.neo-movie.com/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/156974/