いろんな桐谷美玲が観られる豪華2本立て
『乱反射／スノーフレーク』桐谷美玲舞台挨拶レポート

　『時をかける少女』の俊英・谷口正晃監督が、『荒川アンダーザブリッジ』の公開も待たれる桐谷美玲を主演に迎えて撮った２本立て『乱反射／スノーフレーク』が8月6日(土)よりシネマート心斎橋にて公開される。『乱反射』では、恋愛に不器用で創作活動にも行き詰まった女子高生歌人の苦悩する恋物語が紡ぎ出され、『スノーフレーク』は、ひとりの女子短大生が、死んだはずの幼なじみに酷似した青年と出会ったことにより不可解なことに巻き込まれていく青春ミステリー。公開に先立ち、桐谷美玲が来阪し、舞台挨拶を行った。

　鮮やかな藍色のブラウスとショートパンツに身を包んだ桐谷が登場すると、場内は緊張感に包まれ、桐谷のオーラに圧倒されているようだった。そんな中、『乱反射』は恋愛に悩む女子高生、『スノーフレーク』では活発で向こう見ずな女子大生と、全く違う物語の中で正反対とも言えるキャラクターを演じ分けた桐谷に、初めてのＷ主演を果たしたことについて聞いてみるとー 

桐谷 ：2本とも私がやってもいいんですか？　という気持ちがすごくあって、2本とも同じになってしまうんじゃないかと不安でした。でも、こんなチャンスは二度とないと思って全力投球で臨みました。

　そのように、全力投球で臨んだと語る桐谷だが、『乱反射』では失くしてしまった恋に悩むあまり、幼なじみに甘えてしまう志摩を体現、女子高生の日常をリアルに演じている。特に、劇中で自転車でふたり乗りをするシーンや、ふたりで縁側でアイスクリームを食べるシーンや飲めないお酒を飲んで酔っ払ってしまうシーンなど瑞々しい桐谷の表情が垣間見られる。 

桐谷 ：監督から「日常を切り取ったナチュラルな感じにしてほしい」と言われていたので、自分の高校時代を思い出しながら演じていました。特に自転車でふたり乗りをしているシーンは、台本に台詞もなくて、監督も「自由にやっていいよ」と言ってくださっていたので、素の部分が出ていると思います。実は、見えていないところで(共演した)三浦(貴大)くんをくすぐったりしてましたし(笑)。アイスを食べるシーンでも、私がこぼしてしまったところが実際に使われてるんです(笑)。酔っ払うシーンは、自分がほとんどお酒を飲めないので、友だちの姿を想像しながら演技してました。

　そんな“素”の桐谷が楽しめる『乱反射』とは逆に、『スノーフレーク』では、ミステリアスな物語だけに撮影中は緊張感があったようだが、現場は和やかな雰囲気に包まれていたようだ。

桐谷：『スノーフレーク』は、この先どうなるのかハラハラドキドキしながら観られる映画なので、推理しながら楽しんでほしい作品で、私が演じた意思が強い真乃の行動力にも注目していただきたいですね。撮影中は、(共演していた) 青山(ハル)くんと白石(隼也)くんが、緊張感が張り詰めている映画とは全く違ってふたりともすごくお茶目で、3人でご飯食べたり、休憩中にしりとりしたりしてましたね(笑)。それと、白石くんとの軽口を言うシーンのやり取りが息抜きになったりしてました。

　『スノーフレーク』では、函館が舞台だっただけに「うに丼」などの海鮮に舌鼓を打ったり、撮影以外でも楽しんでいたよう。まだまだ話は尽きない中、最後に2本の見どころと2本立てならではの魅力を桐谷に語ってもらった。 

桐谷 ：『スノーフレーク』では、真乃はお洒落な子だというイメージがあったので、函館が舞台だったこともあってマリンテイストを意識して、どこかに必ず赤のものを入れたりしてファッションもこだわったので、そこにも注目してもらいたいですね。『乱反射』では、普段から三浦くんが何でも受け止めてくれるお兄ちゃんみたいで、そんな三浦くんとの共演だったので、“素”の私が随所に見られると思います。2本とも観ていただくと、色んな桐谷美玲が見られると思いますし、両作品ともまた明日から頑張ろうと思えるような、一歩を踏み出す勇気が描かれている作品なので、観終わった後でそういう気持ちになっていただけると嬉しいです。

（2011年8月 4日更新）