大阪城が真っ赤に!?　
豪華キャストによる大阪城ライトアップイベントレポート
『プリンセス トヨトミ』

　『鴨川ホルモー』の原作者・万城目学の直木賞候補となった同名ベストセラー小説に基づいたユーモラスなファンタジー『プリンセス トヨトミ』が5月28日(土)よりＴＯＨＯシネマズ梅田ほかで公開される。400年前の大阪で起こった出来事が現代に引き起こす、奇想天外な大騒動が描かれる。公開に先立ち、堤真一、綾瀬はるか、岡田将生、中井貴一ら主要キャストと鈴木雅之監督が来阪し、史上初となる大阪城西の丸庭園での野外上映会の舞台挨拶に登場し、大阪城が真っ赤に染まるライトアップイベントを行った。
 

　本作は、大阪を訪れた３人の会計監査委員が監査業務を遂行していくなかで、1615年の大阪夏の陣で断絶したはずの豊臣家の真実に気づき、それに気付かれた、“あるもの”を守る大阪の人々が守るために立ち上がり、大阪の経済＆公共活動が全面的に停止し、大阪城が真っ赤に染まるという大騒動を描く。まずは、会計監査委員の副長で“鬼の松平”こと松平に扮した堤と、お好み焼き屋「太閤」の主人であり、大阪国総理大臣である真田を演じた中井に本作ついて聞いてみるとー
 

堤：たくさんの大阪の方に観ていただけることがほんとに嬉しいです。今日は800人の方が来場しているということですが、昨年大阪府庁で5000人のエキストラの方に集まっていただいた撮影を思い出します。この映画は、大阪じゃないと出きない映画です。大阪の方たちに手助けしていただいて完成した作品です。最初は、こんな壮大な物語が映像化できるのか非常に不安でしたが、出来上がったものを観て大変満足しています。
 

中井：大阪の方々の協力で、大阪のために作った映画なので、これが大阪で当たらないと他の地域であたる訳がありませんので、皆さんの役割はわかっていると思います。ひとりが何人に伝えるかで大阪での興行収入が決まります。ですので、皆さんは今日から我々の側に立って宣伝していただきます(笑)。もし映画を観て面白くないと思った方は、映画を観たことを忘れてください(笑)。
 

　中井の発言で会場は大きな笑いに包まれ、それまで感じていた肌寒さを忘れるほど観客のイベントと作品への期待度はアップしているようだった。キャストの登場の際も花火が上がるなど、たくさんの仕掛けとともに行われた史上初となる本イベントについて、綾瀬と岡田はー
 

綾瀬：最高の気分だと思います。まぁまぁ天候がいいので、夜冷えしないでください(笑)。
 

岡田：開放的ですごくいい気分だと思います(笑)

　綾瀬の“夜冷え”という発言に、すかさず堤がつっこみ、「夜冷えって言うか？」と言うと「寝冷えですかね？」と綾瀬が天然ぶりを発揮する一面も。観客からも、「言わな～い」と綾瀬はつっこまれていた。そんな和やかなムードの中に、本作に撮影から舞台挨拶まで協力を惜しまなかった橋下徹大阪府知事と平松邦夫大阪市長がサプライズゲストとして登場すると、会場は大きな盛り上がりを見せた。
 

橋下：大阪のための映画を作っていただいてありがとうございます。大阪府でしょぼい予算を使うよりはるかに全国への大阪をＰＲできると思います。ただ、１ヵ所だけ反論させていただきたいんですが、原作で大阪府が変な外郭団体にお金を流しているかのような描写が出てくるんですが、それが映画のものすごく重要なところなんですが、あくまでも映画と小説の話で、今そんな変な外郭団体があれば僕が全部潰しますから(笑)。
 

平松：知事が色々とおっしゃいましたが、昔から大阪人は、自主独立の気風というか、遺伝子が眠っている街だと思います。僕も今日観させていただくんですが、すごく楽しみです。
 

　橋下徹大阪府知事と平松邦夫大阪市長のコメントでさらに盛り上がりを見せる中、劇中でのクライマックスでもある大阪城のライトアップ点灯のスイッチを登壇者全員で押すと、花火とともに大阪城が真っ赤にライトアップされ、観客からは「おぉ～」と声があがった。最後に、主演の堤が作品について語った。
 

堤：色んなテーマがありながらもリラックスして楽しめる作品だと思います。大阪の元気で一致団結して日本を世界を元気にして、愛情を持つことで前に進めるというテーマも組み込まれた映画です。そこを感じてもらえれば本当に嬉しい限りです。では、皆さん夜冷えしないように(笑)。
 

　最後まで笑いの絶えない和やかで楽しいムードの中、舞台挨拶とライトアップイベントは終了した。本作は、大阪府知事や大阪市長をはじめ、たくさんの“大阪国”の人の協力で完成した、大阪人による大阪の映画。まずは大阪から盛り上げて！

（2011年5月18日更新）