ホーム > インタビュー&レポート > 「登場人物たちの“愛”を感じてほしい」 瑛太、松田龍平ら舞台挨拶レポート
三浦しをんの直木賞受賞作を、瑛太&松田龍平で待望の映画化した『まほろ駅前多田便利軒』が4月23日(土)より梅田ガーデンシネマほかにて公開される。『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の大森立嗣がメガホンを執り、くるりの岸田繁が音楽を手掛けたことも話題の作品だ。東京郊外の架空の都市、まほろ市で便利屋を営む多田のもとに、小学校の同級生で変わり者の行天が転がり込んでくる。水と油のようなふたりの便利屋稼業の様子が、4つの季節を通して、痛快かつ切なく綴られる。公開に先立ち、主演を務めた瑛太と松田龍平、大森立嗣監督が来阪し、舞台挨拶を行った。
日本を代表する演技派俳優ふたりが来場するとあって、映画終了後の劇場内は舞台挨拶への期待に満ち溢れていた。そんな中、MCの呼びかけで瑛太と松田龍平、大森立嗣監督が登場した。まずは、挨拶とともに大阪の印象について聞いてみるとー
監督:大阪は、日本で2番目に早くこの映画を上映した場所です。上映できたことがすごく嬉しいです。
瑛太:劇場の中にすごくいい空気が流れているように感じます。大阪は、お客さんの反応がすごくはっきりしていて、ダメな時は本当にどんよりしていたり、いい時は活気があったりとわかりやすい場所だと思うので、いい雰囲気を感じることができて嬉しいです。
松田 :僕も同じ印象で、大阪はすごく元気でパワーをもらえる場所です。
同じような大阪の印象を抱いている瑛太と松田は、この作品が共演4作目。劇中では、一緒にいるけれどもなんだかかみ合わない、それでも心のどこかでお互いを思い合う、微妙な距離の同居人という役どころ。そんな役どころについてはー
監督:僕は、基本的に何も言ってないです。ふたりに任せてやってくれ、という感じでした。
瑛太:(龍平と)ふたりで相談などは一切なかったですね。龍平がどんなことをしてくるのか、本番の龍平の動きが楽しみでした。
言葉を選びながら静かに話すふたりも、瑛太が松田について話す時にはふたりの顔に笑みが浮かぶなど言葉にしなくとも伝わるものがあるようで、息のあった様子がうかがえた。最後に作品への思いを語ってもらった。
松田:観終わった後に、胸の中にすごく何かが残る映画になったと思います。
監督:この映画は、愛情を与えることができない、受け止められない、そんな現代の人たちの“愛”の物語です。ペットのチワワも含めた登場人物全ての、様々な愛を感じてもらえれば嬉しいです。
最後は最大級の拍手で見送られ、3人は劇場を後にした。観客は、3人の生の声を聞くことができ、感激していた様子だった。監督が語るように、不器用なふたりが様々な人と触れ合うことで、周りも自分たちも少しずつ幸せになっていくという物語が綴られる、じんわりと胸に染みる1作だ。
(2011年4月22日更新)
●4月23日(金)より、梅田ガーデンシネマほかにて公開
【公式サイト】
http://mahoro.asmik-ace.co.jp/
【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/155928/