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笑顔と歓声の『ポップサーカス』13年ぶりに大阪へ!

1996年に旗揚げし、これまで全国約150カ所で開催、累計1000万人を楽しませてきた『ポップサーカス』。関西では2023年に西宮、昨年は神戸で開催、そして今年9月20日から東大阪公演がスタートした。大阪では2012年の堺市以来となり、13年ぶりの登場で来年1月12日(月・祝)まで開催する。『ポップサーカス』の"ポップ"は、POP(=Pursuit Of Pleasure)の略で"楽しさの追求"の意味。その名の通り、会場も子供から大人まで笑顔があふれる。10数か国から集まった約50名の出演者(パフォーマー)たちが繰り広げるさまざまな超絶技に、拍手と歓声、笑いと興奮の約2時間だ。西宮では昼公演だったが、今回は夜公演を観た。これから行く人たちに向けた公演レポートをお届けする。

大阪市営地下鉄・中央線で近鉄荒本駅へ。地上に出るとコンビニ前を通ってすぐ右の細い道をのぞくと、ピカピカする光ですぐにわかった。東大阪市役所の高層ビル手前の広場に、ピンクと黄色のテントがイルミネーションの光に彩られ、周囲を明るく照らしている。市役所22階の展望レストランからもテントが見えるそう(営業は22時まで 日・祝日休)。この日はご近所さんたちも来場、家族連れが目立った。飲み物を買ったり、フォトスペースの舞台で写真を撮る人が次々と。まだ暑い日だったので、4色のシロップかけ放題のかき氷(500円)も人気だったが、子供たちはフランクフルトやチュロス(各500円)、お父さんたちは生ビールとチキン唐揚げ(各600円)とか。ノンアルコールビール(350円)もある。テント内は演技中も飲食自由なので、手提げ箱入りのポップコーン(塩・キャラメル味 各600円)と、人数分のコーラ(400円)やビールなど、多くの人がドリンクトレイを手に場内へ。開演5分前には席に着こう。

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3名のクラウンが客席で拍手の練習を始める。笑いを取ったあと、円形の舞台の天井から下がった幕にリングマスターと呼ばれる案内役の女性が投影される。この日の出演は日本人の丸山美香。ウクライナ人のイリナとダブルキャストだ。「SHOW START!」の声で、いきなり舞台奥から空中ブランコのふたりが飛び出す。客席前列に座る人たちの頭の上を飛び越え、会場「お~!」。赤色のシルクハット&燕尾服姿も美しいリングマスターを中心に、超高い一輪車のパフォーマーらが登場するワクワクのオープニング。そしてさっきクラウンだった彼らがジャグラーに変身! 舞台の上手で4人のバンドが陽気な音楽を奏でる中、着替えながら魅せるメキシカントリオの見事なジャグリングは、観客の笑いと拍手でより盛り上がる。

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次にベトナム出身の女性・フェンの個人技「エアリアル ソード バランシング」。口にくわえた短剣の先にワイングラスを次々と乗せ、トウシューズで立って歩く。バランス技に息をつめて見守る観客。技は難易度を増し、最後にはリボンで空中に上っての演技。"もういいから早く降りてきて!"降り立った彼女に万雷の拍手と歓声。次は日本の女性・丹原順菜が多彩な空中ブランコ芸をみせる「一丁ブランコ」。舞台転換の間にはクラウンたちが演奏したり、観客を舞台に上げて一緒に遊んだり。3名のクラウンのうちふたりは日本人男性だ。そしてキューバの女性2名による、高速人間回転がすごい「ローラースケート」、リングマスターがみせる驚きの「イリュージョン」などに続き、1幕最後は「アフリカン ハンド ヴォルテージ」。アフリカの民族衣装で9名の男性がアクロバチックな大技を繰り広げる"人間トランポリン&人間空中ブランコ"。観客も握る手に力がこもり、目が離せない。

そして約15分の休憩へ。トイレは女子15個室あるのでスムーズ。飲み物のおかわりを買って戻る人も多い。場内では「くるくるライト!」と叫びながらグッズを販売中。

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2幕はダンサー5名のショーに続き「デス ホイール」。両端に巨大なホイールが付き回転するマシンの輪の内外で、エクアドル出身の男性ふたりが歩く、走る、跳ぶ。頂点の高さは9メートル。"そこで縄跳びなんかしないで! 目隠しやめて!"ハラハラドキドキ、悲鳴も上がる。緊張の緩和にクラウンが笑わせ、次は中国から可愛い傘を多数用いるアートな足芸ショウ。その美しさと絶妙のバランス感覚がすごい。初公開の演目だ。ふたりの女性が驚きの超柔軟技を空中でみせるパフォーマンスに続き、エクアドルから来た兄弟ふたりの「ハンド トゥ ハンド」。静かにゆっくり魅せるパワーアクロバットに息をのむ。その腕の驚異的な筋肉、腹筋、体幹...観ているこちらの腹筋が痛い。

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客席が明るくなると、5個の大きなバルーンを使って観客みんなで遊ぶ。その間に舞台上にはセーフティネットが張られる。これまでのすべての演目ではネットも命綱も使われていなかった。それも驚異的だが、大トリの「空中ブランコ」は別格。多彩な離れ業を繰り出す、ダイナミックで華麗な空中芸。女性ひとりを含む5人は、チリ、アメリカの混成チーム。天井や照明にぶつかりそう、うまく飛べるか、手に汗握って上空を凝視する。前方席の人は首が痛くなるかも。最後は次々とネットに飛び降りる彼らに大きな拍手の嵐が。沈黙の後、リングマスターの合図で各国の国旗を手に出演者たちが飛び出し、撮影OKの華やかなフィナーレへ。舞台も客席も会場中に笑顔が満ちる。

会場を出ても興奮冷めやらずの子供たち、大人も楽しさの余韻に浸りながら広場で写真を撮ったりおしゃべりしたり、立ち去りがたい様子だった。次の席の予約をスタッフに相談する人もいた。料金は通常の舞台イベントに比べ良心的だ。次は家族4人の席で、リングサイド席で、など観る場所を変えれば、また違った楽しさが味わえる。演目も毎回同じではなく、出演者も構成も変わる。2年前と比べ、技術面のレベルアップと日本人キャストの活躍が目についた。自分たちの街にサーカスが来た。この楽しかった体験はきっと子供たちの心に残るに違いない。そして、子供以上に楽しんでいた大人たちにも。

取材・文:高橋晴代




(2025年10月 6日更新)


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『ポップサーカス 東大阪公演』

▼2026年1月12日(月・祝)まで開催中

東大阪市役所前 特設大テント

SS席 大人 入場券付き-4200円
SS席 子ども 入場券付き-3200円(3歳~高校生)
SS席指定券-1200円(別途入場券が必要)

※S席、A席、B席、プレジャーボックス、ロイヤルボックスはぴあでの取り扱いなし。
休演日:10/8(水)、10/15(水)、10/22(水)、10/29(水)、10/30(木)、11/5(水)、11/12(水)、11/19(水)、11/26(水)、11/27(木)、12/2(火)、12/9(火)、12/16(火)、12/23(火)、12/31(水)、1/1(木)、1/8(木)。
雨天開演(強風などの荒天時は事前にお問い合わせください)。2歳以下は保護者の膝上無料。各種チケットご購入後のキャンセル・変更・お客様都合での払い戻し等はできません。よくご確認の上ご購入下さい。開場時間は各公演の約30分前を予定しています。車イスでお越しの方は必ず事前にお問い合わせください。注意事項等詳細は公式HP(https://www.pop-circus.co.jp/schedule-higashiosaka.html)をご確認下さい。

[問]ポップサーカス東大阪公演事務局
■06-6753-7714

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