ホーム > インタビュー&レポート > ハンブレッダーズのムツムロが トーク&弾き語りで故郷・吹田の二十歳にエールを送る
まずは吹田市消防音楽隊による晴れ晴れとした演奏が来場者を出迎えると、場内のモニターではオープニングムービーが。レスリングの樋口黎選手、ゴールボールの宮食行次選手といった吹田市にゆかりがある金メダリストのほか、吹田市をホームタウンとするガンバ大阪の中谷進之介、山田康太、坂本一彩の3選手からもメッセージが届き、吹田市出身のテノール歌手・鹿岡晃紀氏の国歌斉唱で式典は幕を開ける。
同式典実行委員の進行のもと、吹田市長の式辞などが披露され、若者たちを明るい未来へと導く言葉で門出を祝うと、来賓の紹介などを経て、自身も20歳である同式典実行委員会代表からは、はたちの言葉としてコロナ禍で得た教訓や家族への愛が語られ、式典はお待ちかねの第2部へ。
ハンブレッダーズのフロントマンで吹田市出身のムツムロ アキラと、在阪ラジオ局・FM802でDJを務める樋口大喜が珍しくスーツ姿で登場すると、話題は吹田市との関わりについて。ムツムロは"生粋の吹田市民です。豊津駅前のコンビニでバイトしていました。レジ打っていました"と口にし、次々に地元民ならだれもが知る地名や施設名を出して超ローカルトーク。加えて"20歳のころは?"(樋口)という問いに、"19・20歳ぐらいに音楽でやっていこうと決めましたね"と、20歳が決断の時期だったことを明かす。
さらに同式典実行委員会からもいくつか質問が投げられ、"17歳の自分が聴いたらどう思うかを考えて音楽を作ってる""ずっと音楽をつくっていると慣れてきてしまうこともある。でも一回リセットしてちゃんと感動できるものを作ろう!って思っている"(ムツムロ)と、彼の音楽活動の芯にあるものを垣間見せ、"わたしたちがこれからたいせつにすべきことは?"というクエスチョンには、"なりたいものになれないと思った瞬間から好転していった気がする"(ムツムロ)、"ポジティブな意味の諦め?"(樋口)、"そうそう。自分だけの色を見つけると生きやすいかな"(ムツムロ)と話し、人生の先輩だからこそのアドバイスも。
また、ムツムロが"全問正解でしょう。でなきゃバンドやめます(笑)!"と強気で挑む、吹田市関連の"吹田クイズ"では、樋口がところどころでトラップを仕掛けるも、"(バンドを)やめさせたいんですか(笑)?"と言いながら、来場者の力も借りつつ見事パーフェクト。ムツムロからは思わず"よかった~"の声が。
すると和んだ雰囲気のなか、ムツムロが"吹田で買いました!"と、ギターを手にして弾き語りへ。"自分で新しいものや時代をつくっていこう!という曲なんで今日にふさわしいかなと..."(ムツムロ)と、曲は「グー」をセレクトする。いつもとはひと味違うアコースティックの調べにのせる熱っぽい歌声は、広いピッチにこだまするように響き、一つひとつの言葉が耳と心をダイレクトに刺激。曲の季節を今まさに生きる大観衆を一気に釘付けにする。
そして演奏後、ムツムロが"万博記念公園でフェスを開催するのが夢"と目標を掲げて再会を願うと、"僕、実は成人式に行ってなくて。11年ぶりにスーツを着てこういう集まりに来ることができてすごくうれしいし、晴れやかな気持ちでいっぱいです"と今日の感想を伝え、"これからの時代をつくっていくのはみなさんだと思うんで、無理しないように頑張って生きていってください"と温かなひと言を添え、一生に一度きりの二十歳の祭典は無事終了した。訪れた人の記憶にはこの先もずっとムツムロの歌が残り続けることだろう。
Text by 服田昌子
Photo by 渡邉一生
(2025年1月15日更新)