－－今年のツアーで一番おいしかったところはどこですか？　打ち上げ含めで。

増子「今年…。今年の打ち上げ大賞はやっぱりな～、でもな～、あそこうまいんだよね、大豊ね」

友康「郡山ね」

シミ「あそこの味噌カツ好きだからな～、仙台の。あれ、行ってないか」

増子「行ってないね」

シミ「仙台の牛タン屋で白味噌カツってのが出るんだけど、それがすごいおいしくて。今回、やってなかったんだよね」

増子「あれ？　俺、高松は何食ったっけ？」

友康「高松は…」

増子「鳥か！　一鶴ね！」

シミ「あれはうまいよね～」

増子「ほかに何がうまかったかな～。やっぱ久慈かな～。ウニがうまかった！」

友康「ウニうまかった！」

増子「久慈は最高だった。魚もウニも最高だった。打ち上げ。いや、あそこ最高だった。い～打ち上げだった。ほんと、いい打ち上げだった。友達の家にいたのと変わんなかった。いい音楽流れてさ」

友康「ね！」

増子「すばらしい打ち上げだった！」

シミ「あー！　分かった、分かった！」

増子「俺らしかいなくてさ」

シミ「魚めっちゃうまかったんだ！　すげー食ったんだ！」

増子「地元の料理を用意してくれて。魚なり、ウニなり、店長が。それで出してくれて」

シミ「あ～、思い出した。あそこが一番かもしれない」

増子「最高だよ！　夢のようだった！　俺らしかいないしさ、ライブハウスと同じ系列のお店だから。お店っていうか、スナックっていうか、バー？　昭和っぽい。ソファーがあって、70年代のいい音楽、ハードロックとか、ジャニスとかさ、いいのが流れてさ～」

友康「いいの流れててね。そこでね、お酒飲みながらウニ食って」

増子「あれ、一番よかったわ。メシもうまかったわ。ね、坂さん。あれ、友達んちに泊まりに行ってるようなもんだもんね」

坂詰「まず新鮮で…。ただ私はウニがあんまり…量が…。控えめに」

シミ「痛風だから」

増子「そういうね、うまいものを食えないのは最高だよね！」

－－坂さんも久慈ですか？　打ち上げ大賞は。

増子「坂さんは違うでしょ」

坂詰「鉄板焼き屋さん。すごい分厚い肉を焼いてもらって」

増子「それ、どこだっけ？」

坂詰「どこだったかな～」

増子「それ、このツアー（“夢街道四人五脚”）じゃないだろ」

友康「このツアーじゃない。最近」

シミ「それ、こないだでしょ？」

増子「こないだ、こないだ」

シミ「こないだの福岡でしょ。肉焼いてくれたところ」

増子「ステーキ屋でしょ、福岡の。坂さん、それね、『“七色の虹をかける野郎ども”』の話だから」

シミ「けど、あれはすげーうまかった、本当に。ヒレ肉がうまいって感じたのは初めてだったもん」

増子「確かにまあ、そこかな、今年一番の打ち上げ大賞は。飯のアレもうまかったしな～」

－－年間通しでは、その福岡のお店ですか？

増子「そうかな～」

シミ「あれはなかなか食えない。あ～、でも、久慈とどっちがいいかな～。魚もうまかったし…」

増子「札幌の生ラムもうまかったけど、福岡すごかったな～。あそこの鉄板焼き屋はうまかったな～」

シミ「あそこはもう一回、行きたいな」

増子「行きたいわ。あれ、近所にあったら行きたいもん」

シミ「すっごいおいしいんだよ、お肉」

－－お店の名前は何と？

増子「忘れちゃったな～。あとね、ご飯炒めてくれたり」

友康「チャーハンね」

坂詰「玉ねぎ…。確かあれ、ガーリックは使ってないんだよな」

増子「そう、玉ねぎ。いろんなこと忘れてるのに、そういうことは覚えてるんだな」

友康「すごい鮮明に覚えてるよ」

増子「いろんなこと忘れちゃってるのに、坂さん。すごいな～」

－－10月9日に『“七色の虹をかける野郎ども”』の横浜公演が始まって、こういう形での対バンツアーはどうでしたか？

増子「やっぱ刺激だよね。すごい触発されるよね」

友康「がっつり対バンっていうのはやってなかったんで、リハから見れるのがよかった。こういうやり方でやってるんだとか、いちいち勉強になるっていうか」

増子「人んちの事情ね」

友康「そう。バンドによって違うんで」

シミ「いちいちみんなすごいから焦っちゃうみたいな(笑)」

友康「今回はね、圧倒的だったね」

シミ「今回、厳しかったよ」

増子「やりづらいよ(苦笑)。EGO-WRAPPIN'の時（広島公演）は諦めたもん」

シミ「はしゃぎまくってごまかすしかないな～って」

増子「なんかこう、取りつく島もないっていうかさ。EGO-WRAPPIN'のお客さんに」

シミ「何を聴かせればいいんだろうって感じで」

増子「そう。EGO-WRAPPIN'を好きな人が、俺らのこと好きになる可能性があんのかなって感じでさ。ほんと、すばらしかったもんね！」

友康「うん」

増子「バンドだったね。ロックバンドだったね。すばらしかったな」

－－対バンの世代も幅広く。20代のバンドもいて。

増子「そうだね、でも年は下でも名だたるバンド、強豪だから。まあ、そこと戦うことによって俺らも鍛えられて、何ていうの、あやかって。あやかって武道館に行こうかなっていうのもあってさ」

シミ「鍛えられるっていうのもあったけど、“あ、やっぱりそれぞれなんだな”って自分たちを再確認することでもあったかな」

友康「それはあるね」

増子「それはあれだな、海外に旅行に行ってよ、“やっぱり俺、日本人だな”って思うのと同じだよな」

シミ「まあ、そういう感じだよね」

増子「海外行ったことないけどね」

シミ「結局、自分たちのやり方でやるしかないなって」

友康「そうだね。EGO-WRAPPIN'みたいにできるわけないし。BRAHMANみたいにできるわけでもないし」

増子「そう。持ってる武器で戦うしかない」

友康「そう思ったら、自分たちは何なんだろうって考えたりしたな」

増子「俺らの持ってるもの、魅せるもの、いいところって何かなって」

友康「それはね、フェスとかでは考えないし、ワンマンでも考えないし」

シミ「そうだね、対バンだから考えることなんだよね」

増子「あれ、でも、9mm（9mm Parabellum Bullet）のドラムすごかったよね」

シミ「坂さん、ドラムセットもう一つ買わないとダメだよね」

増子「坂さんさ、ドラムに関して言うと、“こいつには勝ったな”ってバンド、どれだった？　7組のうち」

坂詰「いやいやいやいや！　いや、勝ったといえば全部に勝ったつもりではありますが…」

増子「よく言ったわ、みんな怒ってるよ」

坂詰「みんなすごすぎて…どうしようかなって！　盗むしかないみたいな」

増子「泥棒だよ！　“こいつには勝ったな”っていうのは？」

坂詰「そうですね、正直、ないです！」

増子「そうだろうね」

坂詰「いや～、なかなかね」

シミ「全部負けちゃったね」

坂詰「いや、負けてはいないけども～」

シミ「勝ってもいない」

増子「坂さんね、メンタル強いから。“俺が負けたって言わなきゃ負けじゃねぇ！”って言ってたから。小学生だよね」

坂詰「でもね、すごい勉強になりました」

シミ「でもあんまり覚えてないんでしょ？」

坂詰「行く先が見えてきましたね！」

増子「墓場だ、墓場。象の墓場だ」

シミ「毒蝮三太夫が“旅行どこ行くの？　ああ、あの世かい？”って言ってたの思い出した(笑)」

増子「もう帰ってこない(笑)。ね、坂さん。今回、すごい勉強になったし、シミが言ったみたいに自分ができることは何かってさ。ボーカルもやっぱりそれぞれに違うスタイルだったりしてさ、得るものは本当にあったね。鍛えられたね、相当」

シミ「どうですか、坂詰さん」

坂詰「鍛えられましたね。多分、成長したと思います。10月より前の私たちしか知らない人が今の私たちを見ると……ちょっと大きくなったなって」

増子「坂さんがね。“あ、ちょっと肥えたな”って。まあ、バンドはグルーヴがタイトになってるし、すごい、いい感じだよね。やっぱり強い相手と戦うとさ」

友康「機材とかも見れるのがすごい嬉しくて。打ち上げでもパート別に分かれて結構どっぷり話ができるっていう。普段はあんまりできないから。それもすごい楽しかった」

シミ「ベーシストは楽器の話、しないんだよね。膵臓壊したとか、そんな話(笑)」

増子「まあ、（9mm Parabellum Bullet）かみじょうのドラム、すごかったね」

シミ「すごかった」

坂詰「煌びやかでしたよね」

増子「華がある」

シミ「坂さんはどうしてあんなにドラムセットが少ないの？」

坂詰「やっぱりね、シンプルイズベストなんです」

シミ「全部、倍だよね」

坂詰「（声を枯らせて）2倍！　2倍！」

シミ「“倍返し”だって言わないの？」

坂詰「“倍返し”も見てなかったんですよ」

－－そして10月には恒例の『響都ノ宴』もありまして。今回は2日間とコンパクトながら、すごく印象に残るライブでした。

増子「そうだね。まあでも、本来2日だからね。カジくんも、SLANGも、それぞれに自分の信念に基づいて、流行りものに流されてないから」

友康「カジくんは熱かったな～。すごい熱量があって」

増子「そう、熱かった。しかもね、スタイルを貫いていくっていうのはさ、むしろハードコアとかパンクとかの方が楽だよ。市民権があるっていうかさ、認められやすいよ。ハードコアで一途ですっていうのは。意外とこう、ポップなもので貫いていくのはなかなかね、難しいと思う」

シミ「あの組み合わせは、うちらしかできない組み合わせだから、それは自慢していいと思った」

増子「カジくんとKOちゃんが写真撮ってるのが、ほんとおかしかった」

友康「あり得ないわ(笑)」

増子「一緒に写真撮っていい？って、どんな組み合わせだよ！って(笑)」

シミ「ある意味、音楽に垣根なしみたいなものを出せたイベントだったかなって思います」

－－10月20日には初の“ドハツの日”のライブもあり。“ドハツの日”は来年からも。

増子「これからも毎年、やっていこうと思って。楽しかったね、坂さん」

坂詰「一体感が生まれる感じの、すばらしぃ…」

増子「磔磔はいいよな」

友康「毎年、磔磔でできるのは、嬉しいよね」

シミ「今回、2日間だったからちょっと物足りないってのもあったかな。去年が5日間で長かったから、ずいぶん京都に滞在してんなって思ってたけど」

－－これから“ドハツの日”にしてみたいことはありますか？

増子「屋形船(笑)。宴会のことばっかり考えてる」

シミ「船上ライブっていうのは夢だからやりたい」

増子「磔磔でもまたやりたいし、札幌とかでもやりたいな、北海道で。それか坂さん、あれだね、宇宙記念館リベンジ。今度はフィーバー起きるかな？」

坂詰「フィーバーが起きるように私の方で段取りしておきます」

増子「段取りっていうのがいやらしいよね」

－－ツアーもありつつ、今年もフェスにたくさん出ました。

増子「『｢FM802 MEET THE WORLD BEAT 2013』はダンサーがいて、『RISING SUN ROCK FESTIVAL』も今年、すごかったから。ふんどしダンサーズが出て」

友康「あと、（KATO）TAROも出て」

増子「盛りだくさんでやったから。『MONSTER baSH 2013』はよさこいが出て。やっぱり『ニッポン・ワッショイ』なり『どっかんマーチ』なりで広がったね。『FUJI ROCK FESTIVAL '13』もそういう打ち出し方だったし、日本の祭りっていうか、いいものを前面に出してくっていうのがね」

友康「『MEET THE WORLD BEAT』もお客さん、いっぱいいたな～。普段、ロックのライブには行かないようなお客さんの前でできたのは嬉しかったですね」

増子「しかも、前の日のリハで顔を日焼けしちゃって。すごい直射日光だったもんね、暑かったわ～。すっごい暑かった」

友康「今回のフェスは、それぞれに趣向を凝らしてて」

増子「そこでしかできないことをしたからさ」

友康「リハも結構大変だったんだよね。でもやりがいがあって、やっぱりやってよかったなって」

増子「年々、フェスが大変になってくるね。カバーで呼ばれたりとかさ、ほんと忙しかった。ありがたいことだけど」

友康「『OTODAMA'13～音泉魂～』も嬉しかったな～」

増子「ほんと、涙が出たわ」

友康「こんなことはね、本当、ないよね」

増子「ないよ！　（奥田）民生さんが歌ってくれるとは思ってなかったからな～。あれはすごかった！　ずるいよな、民生さんが歌ったら全部、民生さんの歌になるんだもん(笑)」

※奥田民生さんは『OTODAMA'13～音泉魂～』で「ド真ん中節」を歌いました。

シミ「そんなに変わるか！って思ったもん」

増子「そんな～ぁ！だよ(笑)」

シミ「すごいよかった。ベースはね、前川くんにやってもらってよかった」

増子「グレート原人！」

友康「みんながうちらの曲をね、前もってコピーしたり、練習してくれたんだなってことを想像したら、ちょっとこう…」

増子「グッとくるものがあるよね」

－－では、最後に、いよいよ迫ってきました1月12日（日・祝日前夜）の日本武道館に向けてお一人ずつ、メッセージをください！

増子「じゃあ、シミから行こうか」

シミ「自分自身が精一杯楽しむことと、もちろんお客さんを楽しませること。あと、未知の場所なので、今は期待と不安でいっぱいですね。どうなるのか分かんないけど、きっといい日になるだろうと思ってます！」

友康「いよいよ本当に近づいてきたので、緊張するとは思うんですけど、ここまで来たら。“LIVE at 武道館”ってついた名前のアルバムを子供のころからずっと聴いて育ってきたので、今はそういう名盤に負けないくらいの、すごい歴史に残るいいライブをやりたいなって思ってます」

坂詰「本当に、そうスね、頑張ります！　“や～るなら今しかね～♪”っていう、本当にね、そういう北海道精神。やるなら今しかない、この気持で一発！　本当に、お客さんと一体感を、武道館でしか味わえない壮大なお客さんとの一体感を大切にしたいと思います！　とにかくエンジョイですね。自分が楽しまないと、自分が楽しめないことになる。自分が楽しんでなんぼだと思うので、はい。そのためにはやっぱり、単純な問題ですけどミスのないように、練習をしっかりして挑みたいと思います」

－－では最後、増子さんお願いします！

増子「1年前に発表した時はね、全然現実味がなかったけど、ここへ来ていよいよ現実味を帯びてきて。まあ、言ってもこの1年は武道館やるために頑張ってきて。ただ、“夢の舞台”っていうことじゃなく、30周年の誕生会なんで、盛大な。そこを祝ってもらいつつ、今の俺たち、昔の俺たち、そしてこれからの怒髪天を観てもらえるように。みんなに“ああ、来てよかったな”って思ってもらえるようなライブにはしたいと思ってるね。本当、大きな誕生会なんでみんなに来てほしい！」

－－かしこまりました！　30周年イヤーも楽しみにしております。ありがとうございました！