怒髪天・増子直純の「ナニワ珍遊道」。読んで字の如し、怒髪天・増子兄ィがメインパーソナリティとなってお送りしているこちら。たまにメンバー全員にご登場いただき、それはそれでまた興味深いお話を披露していただいているのですが……。そんな中で、虎視眈々とこの連載である計画を遂行しようとしているお方がいらっしゃいまして。それが、坂さんこと怒髪天の名物ドラマー坂詰克彦氏！　「ナニワ珍遊道」の名の下で、大阪のうどん屋めぐりを！とのご相談をいただいたのはいつのことだったか…。

というわけで、記念すべき第20回の「怒髪天・増子直純のナニワ珍遊道」はまさかの坂さんスペシャルバージョンで！　されど、うどん屋にはまだ遠く、レポーターとしてふさわしいのか否か判定いただくための模擬レポートを行いました。

模擬レポートは大阪を代表するお土産もののお味見レポ。そして、シミさんと友康さんに審査員なっていただき、レポーター公開オーディションを行いました。なかなか辛口コメントが飛び出す中、坂さんはまさかの力を発揮して……！　そして前回、増子兄ィの口から出た「グルマス」の真相も明かされるか……!?　とにもかくにも続きはＷＥＢで！！　ちなみに、今回の衣装は“あの夏の日”のものですが、いわずもがな２０１０年、「ナニワ珍遊道」でも大ふざけ納めとなっております！

※尚、こちらのお味見レポートでは、実存する商品名が出てきますが、坂さんのコメントとは全くの無関係、事実無根で言及しております。ご了承ください。

 

－－記念すべきナニワ珍遊道、第20回目はなんと、坂さんが主役ということで…。ナニワ珍遊道史上空前の恐るべき事態に見舞われているわけですが、うどん屋めぐりの前に模擬レポートをということで、私どもも様々な大阪土産を取り揃えてまいりました。では、何からレポートいたしますか？

坂詰「一発目はトカゲの粉末…」

－－「トカゲ…。事前情報では坂さんはのどが乾いていると聞いておりましたが…」

友康「じゃあ、食前酒的に『たこ焼きラ●ネ』を」

－－了解しました。それでは早速始めようと思いますが、グルメレポーター坂詰さん、芸名はありますか？　あればそれで行きましょう。

坂詰「芸名！！？　そうですね……グルヅメでいいんじゃないですか！？」

友康「グル詰何彦かな？　グル詰グル彦？」

シミ「グル彦？　グル詰さんだけ？」

坂詰「グル詰で！」

－－了解いたしました。よろしくお願いします！　では、『た●焼きラムネ』ご用意ができましたので…。

グル詰「（一口飲んで）香り……立ってますね…。朝でもないのに」

シミ「減点！」

友康「（同じく飲んで）わ、ソースの匂いがすごいする。これ、ソースを炭酸で割ってるんじゃない！？」

グル「ソーッスね～」

シミ「減点」

－－１００点満点で減点していく方式ですね。

シミ「どんどん減点していきますよ」

－－香りをかいだ時点で減点とは。お厳しいですね。では、実食をお願いします。

グル詰「実食！（ゴクリ）　ははあ～～～～～。やりましたね！　これ！　ハ●鉱泉株式会社さん、やりましたね！　鉱泉？　温泉かなぁ？　これはね……う～ん、これは×××！　話題づくりにはいいですけど！」

シミ「減点」

友康「もうちょっと言い方がある。オブラートに包んだ言い方がある」

グル詰「……。けっこうクセのある味ですね」

－－ソースの風味はいかがですか？

グル詰「（ゴクリ）」

シミ「今、鼻で飲むのかと思った」

グル詰「鼻うがいみたいな感じで。坂上次郎さん、毎日やってるみたいですけど！」

シミ「いい情報を持ってますね。さすがヅメペディアだ」

グル詰「これはですね、飲む回数を重ねるごとにおいしくなってきますね！　ええ」

シミ「クセになる？」

友康「最初に匂いかいだとき、鼻が詰まっててわかんなかったんでしょ？」

グル詰「ちょっとナザールも効き始めました！」

シミ「ナザリストじゃないか！」

－－ナザールって何ですか？

友康「鼻の点鼻薬」

グル詰「常備してます！」

－－それが今、効き始めて…。

グル詰「ナザ～～～～ル！　でもね、あの、ソース自体もやっぱりおいしいじゃないですか。そのソースの旨みが入っている感じがしますね」

－－ああ、ソースの旨みは生きていると。

グル詰「ソースとラムネの融合に成功してますね、これ！」

－－どうですか？　今のコメントは。

シミ「最後はきれいにまとめたけど、やっぱりコント赤信号のリーダー的に一気に飲んでほしかったっていうのがね。それぐらいやってもらわないと」

友康「今のところ成立してる感じに聞こえない」

（グル詰さん、仁王立ちになって飲み干す）

シミ「いいね！　いいよ坂さん！！」

グル詰「（ぷはー）。でもね、お好み焼きとか、たこ焼きの味、しますもん」

－－では審査員の先生方もどうぞ。

グル詰「これ、原材料にソースは入ってないんですね」

シミ「なんだろ…」

友康「ちょっと薬っぽい感じもするね」

グル詰「これは考えましたね！」

－－アイディア賞ですか？

グル詰「アイディア賞。……星３つ！！」★★★

－－結構高いですね。

友康「これは何かに似てるんだよ……。慣れたら飲めるっていうの、わかる、これ」

シミ「ジンジャーエールっぽいね」

友康「ああ、ジンジャーエールっぽい！　たこ焼きって見るからね、アレだけど。先入観があるから」

－－ではお次は定番中の定番、『●こ昌』のたこ焼きを。これは大阪お土産ナンバー１を誇る名物です。これはもう正統派のお土産です。

シミ「重量感がありますね！　……397グラム！」

友康「ジャストだったらビビるね！」

－－では、皆さん、お召し上がりください。

シミ「では、グル詰師匠、お願いします」

（グル詰師匠、香りを確かめる）

友康「鼻で楽しむ」

シミ「いいね」

グル詰「マヨネーズはキュー●ーですね…」

シミ「違ったら失礼だよ」

グル詰「鰹節は……うーん……」

シミ「うーんって。土佐産だとか言えばよかったのに！」

グル詰「いただきます！　うーん……。すごいトロトロで。タコもしっかりしていて。マヨネーズとソースのバランスは黄金比率ですね！　モナリザの構造なんかもありますけど、まさにこれ“たこ焼き界のモナリザ”ですね！」　

－－キャラクターはこの顔なんですが！

グル詰「ああ、これ！！　パクったな……」

－－どちらが？

グル詰「モナリザが！」

友康「ダヴィンチがパクった？」

（グル詰師匠、静かにうなずく）

シミ「いつからあるものなんだよ！」

－－では、こっちの秘伝しょうゆ味はどうですか？

グル詰「これ、マジで美味しいですよ。とろける。全く粉っぽくなくて。なんかクリームですね。ほんとにしっかり火が通ってて。通し方にもコツがあるんでしょうけど、口に入れた瞬間に香りが広がり、そしてふわっと解けていくこの感じ……。そして鰹節が旨みをさらに引き立て……。このタコ………」

シミ「今、不安そうに俺を見てきたよ！」

グル詰「ハハハハハ」

友康「何か嘘っぽい。本気で言っている感じがあまりしないっていうかね」

グル詰「ちょっと味見してみますか？　全体的に大阪のワイルドさを感じますね。美味しくてすごい繊細なんですが、その中にワイルドさを秘めています」

シミ「ワイルドさ？　もうちょっとわかりやすく皆さんに説明してもらっていいですか？」

グル詰「ワオ～～～～～～～～ン！って感じですね、これね！」

シミ「拾えない…。一番最後に坂さんに突っ込もうと思ってたんだけど、坂さん、ここに来る前に歯磨いた？」

グル詰「はい。歯磨き粉付でした！」

シミ「失格にしようかな」

友康「ああ、その方がおもしろかったかもね」

グル詰「え、あ、ちょ、ちょっと！　お店の名前は何ですか？　『た●昌』？　マサって……アイツかな……」

友康「知り合いだった！　知り合いだったんだ！！」

シミ「お、っちょ…意外な発言だな…！　どっかで修行してた感じ？」

－－すごい情報が出てきました！　このマサさんに心当たりがあるんですか！？（事態は急展開です）

グル詰「そうなんっスよ」

友康「マサだったら、こういうの作りそうな感じ？」

グル詰「ああ。そいつ、“俺、たこ焼きやる”っつって出て行ってから、名前がこの昌、この漢字なんすっスよ。あれから……」

友康「でもダヴィンチの時代からいる人だよね？」

グル詰「……。まあ……生まれはあの街なんですけど」

シミ「ギリシャかどっかか？」

グル詰「北海道の片田舎」

－－北海道の片田舎を、たこ焼きをやると言って出ていかれて。マサさんの面影を感じますか？

グル詰「そうっスね…。アイツの味がする……」

シミ「アイツの味？　微妙だな～」

グル詰「アイツの妹の味がする……ｽｲﾏｾﾝ!!!!」

シミ「減点！　今のところは絶対カットしない方がいいよね！」

友康「妹は知ってるんですか？　マサが今、何をしてるか？」

グル詰「えーっと、ここではちょっと言えないです」

シミ「言えよ！（笑）」

－－はい。では、シミさん、友康さんも実際お召し上がりになって、どうですか？　坂さんのコメントの“ワイルドさを感じる”とか、“マサの味がする”とか、どうですか？　コメント自体何点ですか？

シミ「やっぱり妹の味はしないよね。ダヴィンチのコメントはよかったのに、あれはかなり100点に近かったのに、一気に減点になったよね」

友康「よく見るよね、これ。パーキングで見るね。お土産売り場のところで。これはおいしいね」

グル詰「ああ、なるほど……」

友康「これうまいね」

シミ「これを一口食って、何か最後にうまいこと言ったら点数上がるよ」

（グル詰師匠、妙な動きをする）

シミ「そ、それは……！　幻のグル詰さんの……！」

－－それはぜひとも、映像に納めさせてください！

シミ「“何食い”っていうの？　それ」

グル詰「ちょっと待ってください！　このタコ、アレですね。またほんのり、タコに味がついてますね。薄い塩味……。これ……地中海の味がするなぁ……」

友康「死海の味？」

グル詰「死海の味」

シミ「しょっぱ過ぎるだろ。血圧上がるぞ！」

－－ということは、輸入されたタコということですか？　明石産とかではなく。

グル詰「地中海から移動してきてますね、このタコが。ゴロゴロ転がって来てる」

シミ「生態をよく知ってるね」

グル詰「筋肉質ですね」

シミ「タコの出身地までわかった？」

グル詰「わかった」

シミ「さすがだな」

グル詰「今食べたのは、右から４番目の足の……」

シミ「お！　部位まで！？」

グル詰「第３関節ぐらいですね」

シミ「軟体動物だから関節はないんだよね、残念ながら」

グル詰「あ、関節はないか」

－－でも、どこの足かはわかる？

グル詰「わかりますね」

友康「３本目とは違う？」

グル詰「３本目は先っちょが生殖器官なんですよ」※今、適当に言っています。

友康「え？」

グル詰「で、４番目の足はそれを守ってるので身の締まりもいいんですよ。……という感じで大丈夫ですか！？　タコ焼きがトロトロしてて柔らかいから、その分タコの弾力性ある食感が引き立てられてます！　お互いにこう、引き立てあってる感じ。非常に美味しいです！」

シミ「完全に坂さん、嘘つき合戦になってない？」

グル詰「いやいやいや！！」

シミ「大ボラ展開になってるよ？」

グル詰「いやいやいや！　これ、ご飯３杯いけますよ！」

－－いわゆる大阪的な食べ方ですね。

グル詰「僕はもちろん、焼きそばもご飯の上に乗せて食べますし、お好み焼きでもぜんぜん行けますよ」

シミ「坂さん、焼きそばの上に魚肉ソーセージを乗っけて食ってなかったっけ？」

友康「違う、パンをちぎって入れたんだよ」

シミ「あ、そうだ。カップ焼きそばの中にパンをちぎって入れて、食ってたんだ」

－－食パンですか？

グル詰「なんだっけ？　食パンだったかな～？」

友康「それにマヨネーズかけて食べてたんだよね」

グル詰「食パンに焼きそば挟んで、マヨネーズをかけて食べるっていうのは、まあ、焼きそばパンみたいなもんじゃないですか」

－－逆の発想ですか？

グル詰「多分そのとき、焼きそばの方が大きくて、パンがちょっと小さくて……ちょっと入れてみようかと……。（声が消え入りそうになる）」

シミ「それを目の当たりにしたらグルメレポーターを任せようなんて思わないよね」

友康「思わない。コンビニで白ご飯買ってきて、その真ん中に魚肉ソーセージを乗っけて、で、そのまましょうゆかけて食ってたもんね（笑）。ツアー中の助手席で。男らしい（笑）」

シミ「安くて腹いっぱいにしたいんだよね」

友康「基本そうだよね、安くて腹いっぱい」

グル詰「ご飯と魚肉ソーセージがまた合うんですよね」

－－調理せず？

グル詰「調理しなくても大丈夫です」

友康「僕も魚肉ソーセージ大好き！　絶対毎日、１本食ってるよ！」

シミ「毎日食ってんだ？」

友康「うん。大好き」

シミ「俺も安いときは買ってくるね」

－－じゃあ、買い貯めとかもしてるんですか？

友康「してる。魚肉ソーセージにマヨネーズかけて、それをアテにビール飲むのがめちゃめちゃ幸せ」

グル詰「またＤＨＡが入ってますからね！　あの～脳の方にもいいんですよ」

シミ「どうしてこんなふうになっちゃったんだろ？」

－－ではお次。『●こ焼き羊羹』をレポートしてもらっていいですか？　先に本物を召し上がりになったので、この『たこ焼き羊●』はどこまで忠実に再現しているかなども、お伝えいただければ。

グル詰「これはヤバイっスね……」

シミ「目が不安そうだよね」

友康「助けを求めてる」

グル詰「出ました、『たこ焼●羊羹』。ほ～。これ、真空ですか！？。じゃあ、ちょっと空けます。（グル詰師匠、開封する）」

－－ああ、見た目は羊羹そのものですね。

グル詰「これ、見た目はこんにゃくみたいですね。見た目こんにゃく」

友康「見た目こんにゃく」

グル詰「見たこん。……お！　これはイケます！」

シミ「イケる？」

－－お味も羊羹ですか？

グル詰「これはまさに羊羹ですね。ちょっと寒天っぽい」

シミ「羊羹って書いてあるからね」

グル詰「これはおいしいっスわ。味が深いですね」

友康「お深い」

グル詰「砂糖はね、これは多分……ス●ランの砂糖だなぁ、多分なぁ」

シミ「違うメーカーだったらどうすんだよ！　さっきのマヨネーズもそうだけど」

グル「これ、イケるよね？」

友康「（実食して）あ、おいしい！　これはうまい」

－－では今のグル詰さんのコメントも的確に。

友康「そうですね。コメント自体はいいですね」

－－なるほど。何か気になるところがあれば」

友康「これ、食べ方ですよね。グル詰さんの食べ方。ポーズがありましたよね。あれを毎回、やってほしいですね。たこ焼きではやったけど、羊羹ではなかったですからね」

シミ「その辺の変化でね、同じことを言っても変わっていくと思うんだよね」

グル詰「これは本当に美味しい。子どもも喜ぶと思いますよ。おばあちゃんも。ろうなぬなん…」

友康「口が回ってない（笑）。これは羊羹は美味しいね」

－－ではお次、『たこ焼きキャ●メル』です。

友康「これはちょっと怖いね」

シミ「『ジン●スカンキャラメル』みたいだね」

友康「『ジンギスカンキャラ●ル』もすごいからね」

（黙って食そうとするグル詰師匠。その前に、カメラを向けられポーズをとってみる）

シミ「これ完全に“グルヅメセブン”に変身するときのポーズだね」

－－ではグル詰師匠、お願いします。

グル詰「来ましたね！　これは見た目、キャラメルです。香りをちょっと確かめてみましょう。（くんくん）ああ……香りはね、ちょっとたこ焼きっぽい感じがしますね」

－－ソースの香りですか？

グル詰「はい。では……」

（グル詰師匠、口に勢いよく放り込む）

カーン！！

シミ「今、いい音したね～！　歯に当たったよね！」

友康「獅子おどしみたい！！」　

シミ「カーーーンって言ってた！」

友康「リバーブかけたいな～。風流だったね！」

シミ「今、（評価が）ぐんっと跳ね上がった！」

友康「跳ね上がったね！」

シミ「きれいな竹やぶが見えたもん」

友康「一句詠むのかと思った！」

グル詰「……これね…、甘い。甘いですけど、確かにたこ焼きの紅しょうがと青ノリの感じがしますね。そしてちょっとね、しょっぱ味があるんですよ。そのしょっぱ味がソースのしょっぱ味なんですよ。ちょっと味としては……うまい！という感じではないですね」

友康「おおおお！？」

シミ「そういうふうに言っちゃいけないんじゃない？」

グル詰「というのは嘘で…」

シミ「おいしくないとかはNGワードだから言っちゃダメだよ」

グル詰「違うんスよ、ちょ、ちょっと、ちょっと待って！　これね、ミズナメ…砂糖…（と、原材料を確かめるグル詰先生）」

友康「ミズナメ（笑）。それ多分、水あめだよね」

グル詰「あ、いや、うん…あの、ソースは書いてないんですけど、でもね、たこ焼きの味しますよ！」

友康「ソースって書いてるあるよ」

グル詰「（間髪いれずに）書いてますね！」

友康「絶対見えてないでしょ？　坂さん」

グル詰「ソースって書いてありますね。書いてあります。これね、独特の味ですね。お土産としても最高ですね」

友康「では、いただきます。うーん！」

シミ「これは……」

友康「あのね、ソースの味」

シミ「ソースの香料が強いね」

友康「なんかスパイスの」

－－カップ焼きそばのソースの味に似てますね。

シミ「ああ、あの粉のね。坂さんちょっと、食って、食って！」　

友康「坂さんには、獅子おどし食法ってあったんだね」

－－秘儀！獅子おどし食法、カーン！ですね。これ、星を聞いてませんでした。いくつでしょう！

グル詰「星ひとっつ！」★☆☆

－－たこ焼き羊羹は？

グル詰「星３つ！　最高です。キャラメルはちょっと、ジンギスカンキャラメルを彷彿とさせますね」★★★

 

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