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小説×クラシックで紡ぐ、2021年の新しい寓話

人が人に何かを伝えようと思った時、実際に起こった「現実」そのままを伝えるよりも、「寓話」の方が伝わりやすかったりする。その「寓話」に仕掛けがあれば尚更だ。ロームシアター京都が、京都市交響楽団と「異分野のアーティストとのコラボレーションをする」シリーズの最新コンサートが6月20日(日)、ロームシアター京都メインホールにて開催される。
 
今回は小説と音楽の持つ「物語性」でのコラボレーション=新作書き下ろし短編小説を朗読、そこに小説のイメージに合うオーケストラ楽曲を組み合わせ演奏する趣向だ。それぞれのパートを担うのは小説=京都在住の芥川賞作家・藤野可織、朗読=映画やドラマ、そして声優としても活躍する川栄李奈、そして京響を指揮するのが「世界が尊敬する日本人100人」(Newsweek Japan)にも選ばれた三ツ橋敬子というそれぞれの分野で活躍する女性たちだ。

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本公演の中心を担う「物語」は、今よりほんの少し未来の日本が舞台。そこでは、人が眠ってしまうという奇病が蔓延していた。街の高層マンションに住むのは、父、母とも「眠り」についてしまった、幼い姉妹。彼女たちはどうこの世界から生き延びるのか……。そんな「物語」を8つのパートに分け、朗読→演奏の順で音楽の中にある「物語」ともに展開していく。そこでは藤野が「言葉」で紡ぐ不可思議でミステリアスな世界観を川栄の透明感ある「声」で変換し、さらにフランス楽曲が持つ「音」の中を漂うような世界観を三ツ橋が京響とともに奏で、互いを三面鏡にように照らし出していく。
 
「今回中心となる印象派学派と呼ばれるフランスの作曲家の作品には、古典的なものにはない多種多様な表現があります。それを現実とファンタジーの世界を行き来するような藤野さんの作品と結べば、新たアドベンチャーが生まれるはず」と三ツ橋が語れば、「小説を読ませていただいて素晴らしい作品だと思いました。オーケストラの演奏を私も楽しみにしています。色々な方に楽しんでもらえると思います」と川栄。そして藤野は「もちろん、眠ってしまう奇病というのは今の<現実>に影響されています。『眠り姫』を下敷きにはしていますが、この物語を書き進むうちに現実と『眠り姫』の物語がリンクしていきました。私としては、<眠るということは、いつか起きるということ>でもあると思っています」と語る。

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ロームシアター京都で藤野、川栄、そして三ツ橋と京響が、言葉と声と音楽で紡ぐ2021年6月20日の寓話。この物語にあなたも参加してみませんか。

取材・文:安藤善隆



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京都市交響楽団×藤野可織
オーケストラストーリーコンサート「ねむらないひめたち」


チケット発売中 Pコード:195-651

▼6月20日(日)14:00

ロームシアター京都 メインホール

S席一般-5000円 S席ユース(25歳以下)-3000円
A席一般-4000円 B席一般-3000円

【指揮】三ツ橋敬子
【小説】藤野可織
【朗読】川栄李奈
【演奏】京都市交響楽団

※藤野可織によるトークを予定しています。
※未就学児童は入場不可。
※ユースチケットは、入場時に年齢が確認できる証明書をご提示下さい。

(演奏予定曲目)
ラヴェル:組曲《クープランの墓》より「プレリュード」、「フォルラーヌ」
ストラヴィンスキー:バレエ《カルタ遊び》より抜粋
ラヴェル:《スペイン狂詩曲》より「夜への前奏曲」、「マラゲーニャ」
シベリウス:悲しきワルツ
ドビュッシー(管弦楽編曲):3つのジムノペディ第1番
ドビュッシー:《夜想曲》より「雲」
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

[問]ロームシアター京都チケットカウンター■075-746-3201

(2021年5月19日更新)


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三ツ橋敬子 (C)Earl Ross
藤野可織 (C)佐山順丸
川栄李奈
京都市交響楽団 (C)井上写真事務所 井上嘉和