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佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2020
開館15周年の今年はパリを舞台に若き芸術家たちの
愛と運命を描いたプッチーニの傑作『ラ・ボエーム』

今年開館15周年を迎えた兵庫県立芸術文化センターでは、7月24日(金・祝)より佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2020『ラ・ボエーム』を上演する。昨年はレナード・バーンスタインのミュージカル『オン・ザ・タウン』で好評を博した同オペラシリーズだが今年は2006年の『蝶々夫人』、2012年の『トスカ』に続いての3度目のプッチーニ作品。ひさびさのイタリア・オペラとなる。チケットは2月23日(日・祝)から一般発売される。
 
ラ・ボエーム(ボヘミアン)とは定職を持たない、若い芸術家たちのこと。物語は19世紀前半のパリを舞台に貧しくとも夢を糧に生きた彼らの姿を描く。凍えるようなクリスマスイブの夜、詩人のロドルフォとお針子のミミの屋根裏部屋での出会い。カルチェ・ラタンの喧騒と仲間との友情。行き違う想いを歌うアンフェール関門の情景。そして屋根裏部屋に訪れる永遠の別れ。1896年初演のこのオペラが今も感動を呼ぶのは、そこに誰の心にも残る青春時代への追憶が込められているからかも知れない。『冷たい手を』『私の名前はミミ』『私が街を歩くと』などのアリアの数々が、珠玉の輝きで全編を彩る。
 

ダブルキャスト上演となる今回はミラノ・スカラ座アカデミー出身の気鋭、フランチェスカ・マンツォ、リッカルド・デッラ・シュッカをはじめとするイタリア勢、そして砂川涼子、笛田博昭ら国内外で活躍する今が旬の歌手が揃った日本勢が華を競う。また注目したいのが、演出、装置、衣裳を手掛けるダンテ・フェレッティ。フランコ・ゼフィレッリやフェデリコ・フェリーニといったイタリア映画を代表する監督の下でキャリアを積み、ハリウッドではマーティン・スコセッシやティム・バートン監督らの作品によって3度のアカデミー美術賞に輝いた美術デザイナーだ。彼による舞台デザインには従来パリのアパルトマン(の屋根裏)として描かれてきたロドルフォらの部屋が、セーヌ川に浮かぶ船の中に置かれるなどの新たなアイディアも盛り込まれており、若い芸術家たちの群像にどのような光が当てられるのか大きな話題となりそうだ。

1月20日、兵庫県立芸術文化センターで行われた製作発表記者会見には、佐渡裕芸術監督、演出補のマリーナ・ビアンキ、そしてミミを演じる砂川涼子が出席。公演に向けて抱負を語った。

 ■節目の年に贈る名作『ラ・ボエーム』ー佐渡裕〔指揮/芸術監督〕

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子どもたちの未来のために。そんなことを考えながら『ヘンゼルとグレーテル』を上演したのが、もう15年も前のことになるんですね。このひとつの節目の年にプッチーニの名作をお届けできることをたいへんうれしく思います。このオペラに描かれているのは夢を追いかける若者たちのピュアな青春です。とても貧しくて、それゆえに純粋でもあって、パリを舞台としていますが、あらゆる世界の人に共感してもらうことのできる、そんな作品だろうと思っています。そしてやはり音楽が素晴らしい。歌はもちろん、劇場空間というものを知り尽くしたプッチーニの音楽は登場人物の心理までオーケストラの響きで表現しているかのようです。まさにオペラの魅力であり、そんな劇場ならではの素晴らしい時間を創っていけるということが僕らの大きな喜びです。オペラを観たことがないというお客さまがほとんどだった頃から始めて15年経ちました。今ではたくさんの人がファンになってくださいました。こうした劇場の歴史をこれからも重ねていくために、今年もまた、すべての関係者の力を合わせて『ラ・ボエーム』をお届けしたいと考えています。
 

 ■フェレッティ氏のアイディアとともにーマリーナ・ビアンキ〔演出補〕
ビアンキ.jpgダンテ・フェレッティ氏と私は何年にも渡って一緒に仕事をして来ました。彼は映画界の出身であり、とても映像的な視点でオペラを捉えるので、劇場出身の私が彼の演出プランを聞き、時には話し合いながら舞台を創っていくという関係です。彼はまず絵を描くことで、すべてのスタッフ・キャストとコミュニケーションします。私はそれを伝え、実際に関係者と眼を合わせながらコミュニケーションします。このオペラに対する2つのアプローチはいつも、とても興味深い結果を生み出して来ました。今回、フェレッティ氏は若い芸術家たちの家として、アパルトマンではなくセーヌ川に浮かぶ船の絵を描きました。私自身はこれは彼らの自由の象徴かも知れない、と考えています。社会から距離を置いた、言わば彼らの秘密基地なのです。フェレッティ氏のアイディアとともに創造されるプッチーニのオペラをぜひお楽しみいただきたいと思っています。


■歌手として1つの役を深めていける喜びー砂川涼子〔ミミ〕

砂川涼子.jpg

今回の舞台が私にとって3回目のミミとなります。初めてミミを歌ったのはもう10数年前、藤原歌劇団の公演でした。以来この役をオペラの本公演だけでなく、コンサートなどでも歌う機会を数多くいただき、歌手として時間をかけて1つの役を深めていける喜びとともに、しっかりと歌わなければいけないという身の引き締まる思いを感じています。『ラ・ボエーム』はそのミミが物語の中心にはなりますが、私はアンサンブル・オペラだと理解しています。誰かひとりが特別な主役なのではなくて登場人物全員の物語を描くオペラなのです。こうした作品の性格もあり、私自身はこの兵庫の舞台に立つのは初めてですが、これまでにもたびたび共演させていただいたロドルフォ役の笛田(博昭)さんや他の共演者の方々と一緒に、リハーサルの段階からまったく新しい『ラ・ボエーム』を創り上げていけることを楽しみにしています。


「ラ・ボエーム」特設サイトはこちら>>




(2020年2月14日更新)


Check
第1幕。パリ、芸術家たちの住まい。
ダンテ・フェレッティによる装置デザイン画。 ©︎Dante Ferretti

 佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2020
  『ラ・ボエーム』-La Bohème-


〈全4幕/イタリア語上演・日本語字幕付き/新制作〉

【音楽】ジャコモ・プッチーニ
【台本】ジュゼッペ・ジャコーザ/ルイジ・イッリカ

【指揮】佐渡裕 (兵庫県立芸術文化センター芸術監督)
【演出/装置・衣裳デザイン】ダンテ・フェレッティ
【演出補】マリーナ・ビアンキ
【合唱指揮】シルヴィア・ロッシ
【装置】フランチェスカ・ロ・スキアーヴォ
【照明】マルコ・フィリベック
【衣裳補】小栗菜代子
【装置助手】マッシモ・ラッジ
【舞台監督】幸泉浩司
【プロデューサー】小栗哲家


【出演/ダブルキャスト】〔7/24.26.29.8/1〕

【ミミ】フランチェスカ・マンツォ
【ロドルフォ】リッカルド・デッラ・シュッカ
【ムゼッタ】エヴァ・トラーチュ
【マルチェッロ】グスターボ・カスティーリョ
【ショナール】パオロ・イングラショッタ
【コッリーネ】エウゲニオ・ディ・リエート
【ベノア/アルチンドーロ】ロッコ・カヴァッルッツィ
【パルピニョール】清原邦仁


【出演/ダブルキャスト】 〔7/25.28.30.8/2〕

【ミミ】砂川涼子
【ロドルフォ】笛田博昭
【ムゼッタ】ソフィア・ムケドリシュヴィリ
【マルチェッロ】髙田智宏
【ショナール】町英和
【コッリーネ】平野和
【ベノア/アルチンドーロ】片桐直樹
【パルピニョール】水口健次


【合唱】ひょうごプロデュースオペラ合唱団
    ひょうご「ラ・ボエーム」合唱団
    ひょうごプロデュースオペラ児童合唱団
【管弦楽】兵庫芸術文化センター管弦楽団
    
【公演日程】
7月24日(金・祝).25日(土).26日(日).28日(火).
29日(水). 30日(木).8月1日(土).2日(日) 全8回公演  
各日14:00開演(13:15開場)
A席-12,000円  B席-9,000円  C席-7,000円 
D席-5,000円   E席-3,000円(消費税込)
2月23日(日)一般予約開始

【会場】兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
【主催】兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
【制作】兵庫県立芸術文化センター

【問い合わせ】
芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255