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中後期バロックを巡る2年目の「古楽最前線!」
開幕はウィリアム・クリスティ率いる古楽界の華
レザール・フロリサンによるヘンデル『メサイア』

2018年、「響きと知の最先端」という礒山雅(いそやま・ただし)音楽ディレクターの言葉を掲げてスタートした、いずみホールのシリーズ企画「古楽最前線!」。足掛け3年に渡る同企画の1年目はバロックの台頭する17世紀を中世、ルネサンスと共に扱い、その音楽の豊饒を最新の演奏によって甦らせた。2年目の今回は中後期バロックを中心に、主にバッハと同時代、イギリス、フランス、イタリアに花開いた音楽の数々を採り上げる。

Vol.1に登場するのはウィリアム・クリスティ率いる古楽演奏の
名門レザール・フロリサン。1979年の創設以来、40年に渡って数々の演奏史に残る活動を行って来た彼らが、ヘンデルのオラトリオ『メサイア』を上演する。救世主イエス・キリストの生涯を3部に分けて描いたこの大作は、第2幕終幕に壮麗なハレルヤ・コーラスを持ち、宗教的な香気とヘンデルならではの劇的な華やかさを備えたイギリス・バロック音楽を代表する作品である。「時代によって変遷するさまざまな演奏スタイルに適応してきた点でも特筆に価する名曲」とクリスティは語る。開幕にふさわしい熱気に満ちた演奏会となりそうだ。


ラモー、スカルラッティ、ヘンデルら、自らも鍵盤楽器奏者であった作曲家たちが、優れた作品を残したのもこの時代のこと。Vol.2ではフランスの鍵盤奏者ピエール・アンタイが独特のプログラムで、生命力豊かなバロックの風景を描き出して見せる。またVol.3では17世紀、フランス宮廷で独自の発展を遂げたオペラ・バレ(舞踊付オペラ)から、ラモーの『ピグマリオン』をいずみホールオペラとして上演。プロデューサーにフランス・バロック音楽のスペシャリスト、寺神戸亮を迎えるほか、ピグマリオンにクレマン・ドビューヴル、アムールに鈴木美紀子、セフィーズに波多野睦美ら、国内外の個性的なスタッフ・キャストが顔を揃える。上演は二部形式で、前半にラモーに先立つリュリの時代の舞曲を松本更紗のバロックダンスで、後半は『ピグマリオン』劇中の舞曲を酒井はなと中川賢のコンテンポラリーダンスで表現。バロックと現代舞踊の融合を試みるという。

そして2020年3月、今年度のファイナルに登場するのが、ヴァイオリニスト、アマンディーヌ・ベイエ率いるフランスの古楽アンサンブル、リ・インコーニティ。17世紀のヴェネツィアに存在した知識人たちのサークル「名もなき者たちのアカデミー」を名前の由来とする彼らは、旧来の方法論に捉われない響きの実験や、新しいレパートリーの探求を軸としながら、自在な演奏活動を繰り広げている。プログラムは『四季』を中心としたヴィヴァルディの名曲集。古楽の新世代ともいうべき彼らの瑞々しい響きが、「古楽最前線!」の2年目を鮮やかに飾ることだろう。




Vol.1《メサイア》

●10月12日(土)16:00 S席-11000円 
   チケット発売中 ※チケットぴあ完売。劇場へお問い合わせください。

【指揮・音楽監督】ウィリアム・クリスティ
【管弦楽/合唱】レザール・フロリサン

【ソプラノ】エマニュエル・デ・ネグリ
【ソプラノ】キャスリーン・ワトソン
【アルト=カウンターテナー】ティム・ミード
【テノール】ジェ
ムズ・ウェイ
【バス=バリトン】パドライク・ローワン

 ヘンデル:オラトリオ《メサイア》全曲(字幕付)

 使用版/ノヴェッロ新版
 (ワトキンス・ショウ校訂ロンドン1981年刊)


■古楽最前線!-躍動するバロック 2018-2020

2018中世・ルネサンスを経ての開花-初期バロックまで
2019:脈打つ人の心-中後期バロック
2020:降り注ぐ愛-J.S.バッハ


〔企画・監修 礒山 雅/いずみホール音楽ディレクター〕

【問い合わせ】
いずみホールチケットセンター■06-6944-1188

(2019年9月27日更新)


Check

古楽最前線!-躍動するバロック2019
脈打つ人の心-中後期バロック


ピエール・アンタイ(C)Philippe Matsas

Vol.2〈ピエール・アンタイ チェンバロ・リサイタル〉

●10月24日(木)19:00
いずみホール 一般-3000円(指定)
Pコード 138-563 チケット発売中

【チェンバロ】ピエール・アンタイ

ラモー:《クラヴサン小曲集》よりアルマンド/他
スカルラッティ:5つのソナタ
ヘンデル:”ボートンハウスの自筆譜”より組曲 ニ短調/他

チケット情報はこちら


写真左より:寺神戸亮、クレマン・ドビューヴル、鈴木美紀子、波多野睦美

Vol.3 いずみホール・オペラ2019
ラモー 《ピグマリオン》

●12月14日(土)14:00
いずみホール S席-12000円 
Pコード 138-565 チケット発売中

 PartⅠ リュリ:『アティス』『町人貴族』
 『アルミード』より舞踊音楽
 PartⅡ ラモー:《ピグマリオン》(字幕付)

【指揮・ヴァイオリン/プロデューサー】寺神戸亮  
【演奏】レ・ボレアード
【演出】岩田達宗
【振付】小㞍健太
【バロックダンス】松本更紗
【コンテンポラリーダンス】酒井はな、中川賢/他
〔ピグマリオン〕クレマン・ドビューヴル
〔アムール〕鈴木美紀子 
〔セフィーズ〕波多野睦美
〔彫像〕佐藤裕希恵

チケット情報はこちら


アマンディーヌ・ベイエ(C)Oscar Vasques

Vol.4 ヴィヴァルディ《四季》

●2020年3月11日(水)19:00
いずみホール 一般-6000円
Pコード 138-567 12月6日(金)一般発売

【ヴァイオリン】アマンディーヌ・ベイエ 
【演奏】リ・インコーニティ

ヴィヴァルディ:歌劇『オリンピアーデ』より
        シンフォニア ハ長調 RV725
ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 イ短調 RV421
ヴィヴァルディ:ヴァイオリンとオルガンのための協奏曲
        ト短調 RV517
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 『四季』 op.8