ホーム > NEWS > いずみシンフォニエッタ大阪第37回定期演奏会は 東西の作曲家たちのアニヴァーサリーに因んだ ちょっとスペシャルな近・現代音楽のショウケース
関西の現代音楽シーンを牽引し、いよいよ16年目に突入したいずみシンフォニエッタ大阪(ISO)。7月16日(土)、その第37回定期演奏会「東西巨匠たちのアニヴァーサリー」が開催される。これはその名の通り、様々な作曲家の記念の年に因むスペシャルな企画。今年生誕150年を迎えたエリック・サティを祝う川島素晴の『もう一人のエリック』から、演奏はスタートする。
管弦楽作品をほとんど残さなかったため、オーケストラの演奏会では取り上げられることの少ないサティ。『もう一人のエリック』はその作品を素に作曲家であり、ISOのプログラム・アドバイザーでもある川島素晴が作・編曲。どこかで聴いたことのあるサティの表情が次々と飛び出す、ISOにふさわしい遊び心に溢れた作品に仕上がった。続く2作品『トゥリー・ライン』(武満徹)と『土俗的三連画』(伊福部昭)はISOとしては例外的な「再演」。それだけに、日本を代表するふたりの巨匠に対し、敬意と共感を持って臨むISOの演奏に期待がかかる。
アニヴァーサリー企画誕生の契機ともなったと伝えられるのが、2015年に死去したニュージーランドの作曲家、ジャック・ボディだ。ISOの音楽監督・西村朗は、ボディの生前より、ISOで彼の作品の演奏を希望していたという。今回演奏されるのは『ミケランジェロによる瞑想曲』。ルネサンス期の天才、ミケランジェロが残したソネット(十四行詩)に作曲した女声のための作品を、作曲者自身が弦楽合奏のために書き直した全7楽章。ヴァイオリン独奏を、ISOコンサートミストレス小栗まち絵が務める。優れた演奏家として、また教育者として知られる彼女の、深い洞察に溢れた演奏は今回の聴きどころのひとつと言えるだろう。
そしてコンサートを締めくくるのはミニマルミュージックの雄、スティーヴ・ライヒの生誕80年を寿ぐ『ダブル・セクステット』。フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ヴィブラフォン、ピアノという六重奏をダブルで用いるという独特の編成で、その音響の変化やズレまでを音楽に取り込んだ、スリルたっぷりな作品だ。ピアノにはパリの現代音楽集団アンサンブル・アンテルコンタンポランから永野英樹が参加。ISOは世界の最前線とも肩を並べているのだ。
(2016年6月 2日更新)
【プログラム】
-サティ生誕150年-
川島素晴:もう一人のエリック(2001)
-武満徹没後20年-
武満徹:トゥリー・ライン(1988)
-伊福部昭没後10年-
伊福部昭:土俗的三連画(1937)
-J.ボディ没後1年-
ジャック・ボディ:ミケランジェロによる瞑想曲(2007)★
-S.ライヒ生誕80年-
スティーヴ・ライヒ:ダブル・セクステット(2007)★
★:日本初演
【問い合わせ】
いずみホールチケットセンター■06-6944-1188