聖夜の近づく1日。壮麗な響きに時間を忘れる
「ザ・シンフォニーホール
クリスマス オルガンコンサート 2015」
ザ・シンフォニーホールのステージ上部に設置されたパイプオルガン。3段の手鍵盤とペダル、空気を振動させる3732本のパイプと音色を調節する54個のストップを持ち、巨大な姿がひときわ目を引くこの楽器は、世界有数のオルガン製造会社であるスイス・クーン社の作品だ。12月12日(土)、ザ・シンフォニーホールではここにオルガニストの石丸由佳を迎え「ザ・シンフォニーホール クリスマスオルガンコンサート2015」を開催する。
「オルガンというと教会の楽器というイメージがあって、少し堅苦しく思われる人もいるかも知れませんが、19世紀の後半、パリ万博(1878年)の頃から、巨大な響きや多彩な音色といったこの楽器本来の魅力が追求されるようになりました。そして教会だけではなく、次第にさまざまなコンサートホールで人々に聴かれるようになっていったのです」。石丸由佳はそのように語る。2010年、シャルトル国際オルガンコンクールで優勝。ヨーロッパ各地の音楽祭をはじめ、シャルトル大聖堂、ノートルダム大聖堂、マドレーヌ寺院などでもリサイタルを行うオルガン界の俊英である。中学生の頃、実家の近くに完成した新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)でパイプオルガンと出会い、オルガニストへの道を志したという。
小鳥の羽音のような繊細な音色から、ホール全体に鳴り渡る輝かしいトランペットまで、オルガンの響きは他の楽器では味わえない、壮麗な魅力に満ちている。「教会で弾く機会はもちろんヨーロッパなどでは多いですが、私自身が、最初はホールのオルガンの響きに夢中になったので、そこにはどこまでもこだわってみたいと思っているんです。まずホールにいらっしゃるお客様にこの響きを知ってもらいたい。こんな身近にこんなすごい楽器があったんだって、驚いていただければうれしいです(笑)」。
(2015年11月 5日更新)
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