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「皆さんの応援のおかげでようやく
完成できて、公開できることが幸せです」
主演・草なぎ剛&市井昌秀監督登壇!
映画『台風家族』大阪舞台挨拶レポート

強盗事件を起こして姿を消した両親の財産分与のために、久しぶりに集まった兄弟が見せかけの葬儀をすることから始まる1日の騒動を映し出した『台風家族』が、9月6日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほかにて3週間限定で公開される。『箱入り息子の恋』の市井昌秀監督が、皮肉めいたユーモアを効かせながら家族それぞれの姿をシニカルな目線で描いた12年間温めてきたオリジナル作品だ。主演の草なぎ剛をはじめ、MEGUMI、中村倫也、尾野真千子ら豪華キャストが集結し、様々な事情を抱える兄弟をリアリティたっぷりに体現している。本作の公開を前に、主人公の長男・小鉄を演じた草なぎ剛と市井昌秀監督が登壇し、9月4日(水)、TOHOシネマズ梅田で上映前に舞台挨拶を行った。

taifu2.jpgまずは、草なぎが「足元のお悪い中、TOHOシネマズ梅田にお越しくださいましてありがとうございます。色んなことがあって公開が延期になってしまったんですが、ようやくこうやってお客様に観ていただけることになって、映画はやっと完成するので、いつも以上に映画の完成をかみしめています。こんなにたくさんのお客様に来ていただいて、この映画も幸せだと思います。とても面白い映画なので、大きな声を出して笑って、最後にはぐっとくるところもあるので、ぜひ楽しんでください」と至る所で噛みながらも、心を込めて挨拶し、会場からは大きな拍手が。市井監督も「無事に9月6日から公開できることになりました。映画を作ったスタッフキャストだけではなく、応援してくださった皆様のおかげで公開することができます。こんなにたくさんの方が見に来ていただけることが全然当たり前のことではないということを、本当に身にしみて感じています。本当にありがとうございます」と挨拶し、舞台挨拶は始まった。午前中に広島から大阪入りしたことについて草なぎは、「広島からの1時間40分、爆睡してきました。充電満タンです。僕満足、1本満足で(笑)。ちょっと空回り気味なので少し押さえます(笑)。公開の嬉しさが後押しして、いつもより空回っています(笑)」と場内を沸かせていた。

公開を前にした今の心境を聞かれると草なぎは「いつも自分が出演している作品が完成すると嬉しいんですが、今回は特に嬉しいです。実は、撮影中はこの映画大丈夫かなと思っていたんです。でも、昨日も広島で上映会をさせていただいたんですが、感想がすこぶる良くて。僕自身も完成した映画を見たら、監督すごいじゃないかと思いました。僕は監督を誤解していました。すいません。すごく良い作品だと胸を張って皆さんにおすすめできる映画になっています」と映画に太鼓判。監督は、「天才役者の草なぎさんがいたからです(笑)」と謙遜していた。そして、撮影について聞かれると草なぎは「僕の人生において一番暑い撮影を経験したんですよ。なんで監督、あんなに暑いところをロケ現場に選んだんですか。蒸し風呂の中で撮影しているような感じで、古民家を貸し切って撮影していたので涼むところもなかったんです。それも監督の、役者さんを追い込むためのひとつの作戦だったらしくて。ぼーっとしている中で撮影している感じで、脂汗も出ていて、結果的にはいいシーンが撮れたんですけど、本当に撮影中は僕は監督を恨んでいました(笑)」と恨み節。監督は「(映画の中に)喧嘩をするシーンがあるんですが、そこを結構な長回しで撮っているんです。長く撮っていると、だんだん本当に本人たちが喧嘩しているように見えてくるんです。汗も本物の汗が出ていますし、そういうことを僕は狙っていたので、皆さんに術中にはまってもらいました」と狙い通りだったよう。一方、草なぎが「監督は策士ですよ。中村倫也くんにしても尾野真千子ちゃんにしても、役者さんがみんなバシバシ来るんですよ。僕は長男としてぶれずに、最後までネチネチネチネチ、1円でも多く俺がぶんどってやるという気持ちでやっていました。僕が演じた小鉄は本当にクズなんです。今まで演じた中で一番クズの役で、めちゃくちゃしつこくて。その小鉄のネチネチしたクズさが最後に感動を生み出すような脚本を監督が書いてくださったので。僕がやってきた役の中で一番しつこくて、憎たらしい人です。でもそこは大いに笑っていただけると思いますし、皆さんの胸に響くと思います。撮影中、監督がずっとカメラの横にいるんですよ。すごく近いのでやりにくいったらなかったんですよね。でも、途中からは(監督が)空気みたいになってきて、安心すら感じて監督が笑っていたりすると快感になってきて。それは僕だけじゃなくて他の出演者もみんなそうで。監督が計算でやっていたのかどうかわからないですが、監督が台風の目みたいになってみんなを巻き込んで最後までできたという感じでした」と返すと、監督は「草なぎさんにプレッシャーを与えようと」した行動だったことを吐露。さらに、「草なぎさんがやったことのないような、人間誰しもが持っている汚い部分を書きました。こんな台詞を草なぎさんが言ったら面白いだろうなと思いながら当て書きしました」と語り、草なぎが「僕の中にあるちっちゃい部分を監督に見透かされているような感覚でした。台詞を言っているうちにだんだん快感になってくるところがあったので、やっぱり監督が僕に当て書きしてくれたからなんだろうなと思いました」と返し、息の合ったやり取りを披露し、場内を沸かせていた。

taifu3.jpg最後に、監督が「公開できることを本当にありがたく思っています。12年間待ちに待った日が9月6日になるので、本当に多くの人に見てもらいたいと思っています」と語り、草なぎが「本当に色々なことがあったんですが、皆さんの応援のおかげでようやく完成できて、公開できるということが幸せなことだと思っています」と作品について語った。そして、「映画とは関係ないことですが」と前置きし、「今日東京で、ジャニーさんのお別れ会が行われています。やっぱりこうやってたくさんのお客さんの前に立てているのは、ジャニーさんのおかげだと思っています。それぞれの場所からジャニーさんへの感謝の気持ちを忘れずに、ジャニーさんからたくさんのことを学んだので、これからもジャニーさんの教えを胸に抱いて、エンタテインメントの世界を歩んでいきたいと思います。ジャニーさん、安らかにお眠り下さい」と語り、大きな拍手が沸き起こっていた。さらに、「映画の中で僕がダンスを踊るシーンがあって、」と続けると言葉につまり目には涙が。場内から「頑張って」の声が起こると強がりながら、「監督から考えて来て欲しいと言われたんですが、“(ジャニーさんの)you やっちゃいなよ精神”で、その場で考えて踊りました。これからも気持ちを強く持ってエンタテインメントの世界で頑張っていきたいと思います。皆さん、応援よろしくお願いいたします。ダンスのことは、考えるのが面倒くさかった部分もあるんですけど(笑)。小さい時からそうやってポンとステージに出されて頑張ってきている僕だし、僕らなので、監督の要求には応えられるかなと思いました。それを見てやってください」と作品のPRをし、舞台挨拶は終了した。

 

取材・文/華崎陽子




(2019年9月 5日更新)


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Movie Data

(C) 2019「台風家族」フィルムパートナーズ

『台風家族』

▼9月6日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほかにて公開
出演:草なぎ剛、MEGUMI、中村倫也
尾野真千子、若葉竜也、甲田まひる
長内映里香、相島一之、斉藤暁
榊原るみ、藤竜也
監督・脚本:市井昌秀

【公式サイト】
http://taifu-kazoku.com/

【ぴあ映画生活サイト】
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