吉岡里帆＆高杉真宙登壇！
「ネタバレしない絶妙なラインで
作品を盛り上げてほしい」
『見えない目撃者』大阪舞台挨拶レポート

吉岡里帆が、視力を失った元警察官という難役にチャレンジした韓国映画を基にしたサスペンススリラー『見えない目撃者』が、9月20日(金)より、梅田ブルク7ほかにて公開される。自らの過失による事故で弟を失った上に失明し、警察官への道も閉ざされたヒロインが、偶然遭遇した車の接触事故をきっかけに女子高生連続殺人事件の真相を追う姿を描き出す。監督は『重力ピエロ』や『リトル・フォレスト』などを手掛けた森淳一が務め、高杉真宙がヒロインの手助けをする高校生役で出演し、田口トモロヲや大倉孝二、浅香航大ら演技派俳優が脇を固めている。本作の公開を前に、吉岡里帆と高杉真宙、森淳一監督が登壇し、9月14日(土)、梅田ブルク7で行われた先行上映会上映後に舞台挨拶を行った。

まずは、以前、関西弁の作品に出演したことのある高杉に、関西弁について聞いてみると「おもろい映画やなぁ」と謎の関西弁で返答。観客からは拍手が沸いたものの、吉岡は苦笑いで「13点ぐらいかな。キュートさで乗り切っていますね」と辛らつなコメント。続いて吉岡と高杉にお互いの印象を聞いてみると、吉岡は「撮影中は自分達のやるべきことを淡々と積み上げていくような作業で、役柄に集中するストイックな現場だったのであまりお話しする機会もなかったんですが、ちょうど今プロモーションで高杉さんとご一緒していて、こんなにチャーミングで可愛らしい一面のある方だったんだと、撮影中になかなか気づけなかった一面を垣間見ています。しっかり者なのにちょっと天然な感じがします(笑)。私は今回、パルという役者犬とお芝居したんですが、パルに感じた愛おしさに似ているような愛くるしいような気持ちでいます」と語り、高杉は苦笑い。一方高杉が「すごくストイックな現場で、撮影中は多くを話した記憶はあまりないのですが、僕も最近取材でご一緒してお話ししていると、今までは笑顔が素敵で女性らしいイメージが強かったんですが、今はすごくかっこいいなと感じています。役に対してのストイックさもそうですし、心意気がイケメンなんです。今はかっこいい姉御みたいな印象です」と話すと、吉岡が渋い声で「ありがとう」と返す一面も。そんな撮影中のふたりについて森監督は「ふたりとも役柄を理解しようという気持ちで臨んでくれましたし、撮影は1月の末から3月という寒い時期で、夜の撮影が多くて朝までやっていることもありましたし、そういう過酷な現場をよく乗り切ってくれたなと感謝しています」と語っていた。
そして、スリラー映画のヒロインとヒロインをサポートする高校生という難役に挑んだ吉岡と高杉に、役作りについて聞いてみると、目の見えない元警察官のなつめを演じた吉岡は「私が演じたなつめは目が見えないので、こうやって劇場に来て頂いたお客さんに目が見えない恐怖を一緒に感じてもらわないといけないという思いが頭にずっとあったので、そこはできるだけ気をつけるようにしていました。そういうハンデを抱えながらも強く突き進んでいく力みたいなものも意識していました」と語り、なつめの接触事故を目撃し、なつめに協力するようになっていく高校生・春馬に扮した高杉も「春馬の成長もちょっとずつ見せられたらいいなと思っていましたし、吉岡さん演じるなつめさんのバディとして、目としての動きができているかなと考えながら演技していました」と、それそれの役柄への想いを語っていた。

最後に、森監督が「この映画はスリラー映画ですが、人間ドラマも含めて面白い要素が詰まった映画だと思います」、高杉が「今までにないぐらい攻めている映画だと思います。ここまでやりきっている映画はなかなかないと思うので、たくさんの人に観てほしいです」、吉岡が「劇場が満席なのってこんなに嬉しいんだと、今日改めて実感しています。皆さんから“良かったよ”という熱気が伝わってくるような感覚があるので、すごく嬉しいです。この作品はどうしてもネタバレができないので、ネタバレはしないんだけど、皆さんのセンスのある絶妙なラインで一緒に盛り上げていただけたら嬉しいです」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。
 

取材・文／華崎陽子

（2019年9月17日更新）