NEWS

ホーム > NEWS > 高良健吾&中島貞夫監督登壇! 「高良健吾は新しい時代のスターになれる」 映画『多十郎殉愛記』大阪舞台挨拶レポート

高良健吾&中島貞夫監督登壇!
「高良健吾は新しい時代のスターになれる」
映画『多十郎殉愛記』大阪舞台挨拶レポート

『木枯し紋次郎』などで知られる時代劇の巨匠・中島貞夫が、“殺陣の魅力を存分に見てもらうこと”をコンセプトに描いた時代劇映画『多十郎殉愛記』の公開を記念し、3月26日(火)、主演を務めた高良健吾と中島貞夫監督が登壇し、梅田ブルク7で試写会上映前に舞台挨拶を行った。
 
幕末の京都を舞台に、長州藩を脱藩し浪人として生きてきた男・多十郎の姿を通し、一本の刀に込めた男の情念や殉愛を映し出す本作。キャストに高良健吾、多部未華子、木村了など若手実力派俳優が結集し、大阪芸術大学で中島監督の教え子だった『私の男』の熊切和嘉が監督補佐を務めている。特に、中島監督の英知を結集させた、ラスト30分の多十郎の人生を賭けた死闘とも言える戦いのシーンは必見だ。
 
まずは、中島監督が「長年映画を作り続けてきた知恵をこの1作に込めて作りました。皆さんにどう観ていただけるか楽しみです」と挨拶し、舞台挨拶は始まった。大阪での試写会について中島監督は、「ありがたいことです。梅田東映で舞台挨拶をしたのが『極妻』の決着(けじめ)を撮った時だったので、この20年間近くの間に“ちゃんばら”ってなんだということをもう一度真剣に考えて作ったのが『多十郎殉愛記』です。最近の“ちゃんばら”映画が面白くないと感じていた中で、“ちゃんばら”って本当はすごく面白いはずだし、“ちゃんばら”にはもっともっと人間のドラマが含まれているはずで、斬ったりはったりするだけじゃなくて、その裏側にすごい人間ドラマがあるはずだから、“ちゃんばら”を観ながらそれを感じてもらえるような作品にしたいと思って作りました」と語っていた。

tajurou2.jpg

そして、中島監督が“ちゃんばら”への思いを込めた20年ぶりの新作へ主役のオファーをもらった高良は「ラッキーでした。30代最初の現場が中島監督の20年ぶりの新作で、時代劇で、京都で撮影で、殺陣も学べて、どんなご褒美をもらっているんだろうという感じでした。それに加えて、監督の教え子である監督補佐の熊切さんをはじめ、現場に遊びに来られていた山下敦弘監督、カメラマンの近藤龍人さん、脚本家の向井康介さん、今まで一緒に仕事をさせていただいた方々の先生である中島監督から学べる機会をいただけて本当にラッキーでした」と本当に幸せそうに語っていた。また、中島監督から見た高良健吾について聞いてみると、「僕は最近の若い役者さんのことが全くわからないので、プロデューサーに映画を好きな人で、映画のために何でもやれる俳優さんを選んでほしいとお願いしたんです。それで選んでくれたのが高良くんと多部ちゃんです。ふたりとも、年からすると孫のような年齢なんですが、ふたりとも敬老精神を備えた俳優さんだったので、こちらが何も気にせずに物を言える関係性を作ることができました。高良くんは、殺陣を本格的にやるのは今回が初めてだったんですが、クランクインの1ヶ月前から京都の撮影所に来て、徹底的に殺陣を勉強してくれました。特に僕が感動したのは、斬る立場である高良くんが、斬られるグループの訓練にも入れてほしいと言って、斬られる練習までしてくれたことです。その時に本当にいい役者を選んでくれたと思いました。普通の役者にはできないことですし、彼がいたからこの映画ができたと言っても過言ではないですね」と高良を絶賛していた。

また、撮影中の話題になると高良は「京都の東映撮影所の歴史を監督が話してくださったんですが、そこに出てくる方々の名前がすごすぎて。錦ちゃん(萬屋錦之介)、文ちゃん(菅原文太)、健ちゃん(高倉健)、とすごい方々の話を聞かせていただきました」と話し、客席からはため息にも似た歓声があがっていた。それを受けて中島監督は「みんないなくなっちゃったんですよね。でも、新しいスターが生まれています。高良健吾くんにそういうものを背負っていってほしいです。高良くんの受け芝居が文ちゃんの初期の頃に非常によく似ていたんです。撮影しながら高良くんに「なぁ、文ちゃん」って言ってしまうぐらい似ていました。高良くんには新しい時代のスターになってほしいし、なれるだけの力を持っていると思います」と改めて高良を絶賛。高良は「「文ちゃん」って呼ばれても、簡単には振り向けないですよね(笑)。きっと僕を呼んでいるんだろうなと思いながらも振り向けなかったです(笑)。でも「文ちゃん」って呼んでいただけたのは嬉しかったです」と「文ちゃん」と呼ばれた時の心境を語っていた。
 
最後に、中島監督が「この映画が単なる “ちゃんばら”映画ではないと感じていただけたら『多十郎殉愛記』というタイトルをつけた意味をわかっていただけると思います。“ちゃんばら”の数だけドラマがあるので、そこで感動していただけたら嬉しいです」と語り、高良が「去年の今日が『多十郎殉愛記』のクランクインの日でした。そこにも縁を感じています。撮影のために京都で過ごした1ヵ月半のおかげで今も頑張れていますし、それに今も励まされているぐらい濃密な日々でした。それは僕だけじゃなくて、中島貞夫組の『多十郎殉愛記』の現場にいた皆が感じていたことだと思います。それだけの現場に居られた幸せを感じていますし、その映画がいよいよ公開されることも幸せに感じております。多くの方に観ていただきたい時代劇です」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。
 
取材・文/華崎陽子
 



(2019年3月27日更新)


Check

Movie Data

(C)『多十郎殉愛記』製作委員会

『多十郎殉愛記』

▼4月12日(金)より、梅田ブルク7ほか全国で公開
出演:高良健吾、多部未華子
  木村了、三島ゆり子
  栗塚旭、山本千尋
  永瀬正敏、寺島進
監督:中島貞夫
主題歌:中孝介「Missing」

【公式サイト】
http://tajurou.official-movie.com/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/175663/