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ベルギー・フランドル地方周辺で
生み出された奇想の表現を追う

 現在のベルギー・フランドル地方とその周辺地域で中世末期から発達してきた幻想絵画を紹介する「ベルギー奇想の系譜展 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」が、5月20日(土)より兵庫県立美術館にて開催される。
 
 15世紀から現代に至るまでの約500年にわたって、現在のベルギー・フランドル地方周辺で生み出された奇想の表現の流れを追う本展。ヒエロニムス・ボスが描く悪魔や怪物のような異形のものたちは写実的で、「本物」と感じさせる迫真性に満ちていた。こうした独特な表現の伝統は、時代が進んでもカプリッチョ(奇想画)、象徴主義、シュルレアリスムの中にとどまり、今日のアーティストたちにも脈々と受け継がれている。
 本展では、ベルギーに生まれた奇想の表現を、15、16世紀のフランドル絵画から現代のコンテンポラリー・アートまで国内外のコレクションによって紹介するもの。ヒエロニムス・ボスやブリューゲルに始まり、ジェームズ・アンソール、ルネ・マグリットらの時代を経て、そして現代のヤン・ファーブルや若手の作家に至る、およそ500年の「奇想」の系譜を辿る。
 
 絵画、版画、写真、彫刻、インスタレーションなどさまざまなジャンルの作品を約120点展示。特に、近年の研究でヒエロニムス・ボス工房による制作であることが判明した油彩画《トゥヌグダルスの幻視》をはじめ、15、16世紀の貴重な作品も約30点含まれる。
 地獄の世界や死のイメージといった教訓を含んだテーマを、時には恐ろしく、また時にはユーモアたっぷりに表した作品群は、幅広い層に楽しめるものだ。



ベルギー奇想の系譜展 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで
発売中 Pコード:768-196
▼5月20日(土)~7月9日(日) 
兵庫県立美術館 
前売一般1300円 大学生900円 
当日一般1500円 大学生1100円 
※10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)。最終入場は閉館の30分前まで。休館日は月曜日。高校生以下は無料。70歳以上は当日料金の半額。身障者(70歳以上は除く)は当日料金の半額、介護者1名は無料。要身分証明書。各種割引制度は会期中美術館窓口でのみ販売。
兵庫県立美術館
078-262-0901

(2017年4月 4日更新)


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