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『西遊記』の主人公・三蔵法師
その人物像に迫る展覧会

 今から500年以上も前の中国で作られた、お馴染み『西遊記』の主人公・三蔵法師。その実像に迫る展覧会「三蔵法師展―薬師寺の宝物とともに」が10月1日(土)より佐川美術館にて開催される。
 
 三蔵法師は、実在した中国、唐代の高僧・玄奘(602-664)がモデルとされている。唐の都・長安から天竺(インド)まで灼熱の砂漠や険峻な山岳地帯を通って、お釈迦様のありがたい教えが記されたお経を求めて旅した玄奘の実話をもとに、『西遊記』が作られやがて多くの人々に知られるようになる。
 玄奘は、唐王朝の鎖国政策により国の出入りが禁止されている中、国禁を犯して求法(ぐほう)の旅へと出発する。徒歩や馬だけで広大な砂漠をわたり、険峻な山岳地帯を通り抜けるというその過酷な旅路は、往復3万キロ以上、かけた年月は17年という壮大なもの。そして天竺での遊学を終えた三蔵法師は、数多くの経典・仏像・仏舎利(ぶっしゃり)を携え再びシルクロードを通って母国・中国へと帰る。帰国後は持ち帰った経典類の翻訳に従事し、20年の歳月をかけて、大般若経600巻をはじめ75部1335巻の翻訳事業を成し遂げる。
 
 本展では、国宝・重要文化財をはじめ薬師寺の寺宝が一堂に会するほか、『西遊記』をパロディ化した浮世絵版画や、三蔵法師をモデルにした平山郁夫・不朽の名作《仏教伝来》も公開されるなど、見どころ満載。孫悟空や沙悟浄、猪八戒たち旅の仲間に助けられ、妖怪を退治し、天竺まで旅をするというあのストーリーはどこまでが実話だったのか。また天竺へ辿りついた後日談は…? 奈良の法相宗大本山薬師寺に伝えられた宝物を手がかりに、1400年の時を超えて語り継がれる三蔵法師の真の物語を紐解く。



三蔵法師展―薬師寺の宝物とともに
▼10月1日(土)~11月27日(日)
佐川美術館
一般1000円 高大生600円
※9:30~17:00(最終入館~16:30)。月曜休館(祝日の場合は翌火曜)。中学生以下は無料。障害者手帳をお持ちの方(手帳をご提示ください)、付添者(1 名のみ)無料。
077-585-7800

(2016年9月27日更新)


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