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日本人に本物の美術作品を見せたい―
ひとりの実業家の世界最大級のコレクション

 モネ、ロートレック、ピカソ、北斎など、松方幸次郎の夢のコレクションを一堂に展示する「松方コレクション展 -松方幸次郎 夢の軌跡-」が9月17日(土)より神戸市立博物館にて開催される。
 
 松方幸次郎(1866~1950)は、現在の川崎重工業株式会社、神戸新聞社の初代社長で、神戸にとどまらず日本の近代産業の発展に尽力した実業家だ。その一方で「松方コレクション」と称される西洋美術の一大コレクションを形成した大収集家として知られている。彼は、上質の美術作品を日本に紹介したいと考え、第一次世界大戦中の1916年から1927年までの11年間、ヨーロッパで多くの美術品を、私財を投じて収集してきた。
 
 本展は、国立西洋美術館所蔵作品、そして国内外に散逸した松方コレクションの名品―絵画、彫刻、タペストリー、家具約90点に加え、フランスに留め置かれたロートレック、ピカソ、スーチン、セザンヌ、モローの5点、松方コレクション以外のコロー、エンネル、カロリュス=デュランほか、フランス各地から集めたフランス絵画18点、東京国立博物館所蔵の歌麿、北斎の浮世絵19点、さらに関係資料20点を加えた約160点を展示する。注目は、フランス・オルセー美術館の代表作、ロートレックの名品《庭に座る女》の出展。その他にもパリ国立近代美術館・ポンピドゥーセンター所蔵ピカソの《読書する婦人》、ルーヴル美術館所蔵セザンヌ、モローの水彩などが来日する。また、フランス側監修者として元オルセー美術館主任研究員カロリーヌ・マチュー氏を迎え、「フランスから見た松方コレクション」という視点も取り入れ、松方が収集した時代 ―1910~20年代の美術思潮を浮き彫りにする。
 
 本格的な松方コレクション展としては、約19万人の来館者を数えた1989年の開催以来27年ぶり。美術館建設を夢見ながらも一大コレクションの散逸を防ぐことができなかった松方幸次郎の、叶わなかった想い、追い求めた夢の軌跡をあとづける、またとない展覧会だ。 



神戸開港150年プレイベント 「松方コレクション展 -松方幸次郎 夢の軌跡-」
発売中 Pコード:767-705
▼9月17日(土)~11月27日(日) 
神戸市立博物館 
前売一般1300円 高校・大学生900円 小・中学生450円 
当日一般1500円 高校・大学生1100円 小・中学生600円 
※9:30~17:30(土曜~19:00)。入館は閉館の30分前まで。月曜休館、9/20、10/11休館(ただし、9/19、10/10は開館)。小学生未満は無料。障害のある方は身体障がい者手帳・療育手帳などの提示で無料。神戸市および隣接6市1町、篠山市、淡路3市、鳴門市、徳島市の小中学生は、「のびのびパスポート」の提示により無料。
神戸市立博物館
078-391-0035

(2016年9月 9日更新)


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トゥールーズ=ロートレック《庭に座る女》1891年 オルセー美術館蔵 © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
フランク・ブラングィン《松方幸次郎肖像》1916年 松方家蔵 © David Brangwyn
ポール・セザンヌ《ジョルジョーネの「田園の合奏」より》1878年 ルーブル美術館素描画室蔵 © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Tony Querrec / distributed by AMF