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戦後の前衛芸術運動「アンフォルメル」と
日本の美術を考察する展覧会が開催

 フランスの美術評論家ミシェル・タピエがセレクトし「アンフォルメル」(未定形の芸術)と名付けた欧米の最新の美術作品群。「もはや戦後ではない」が流行語となった1956(昭和31)年に日本に上陸したこの運動と日本の美術を再考する展覧会「あの時みんな熱かった! アンフォルメルと日本の美術」が、7月29日より京都国立近代美術館にて開催される。
 
 コレクターでもあったタピエは、大戦によって人間が「非定形」なまでに破壊された状態を表現したフォートリエやデュビュッフェから、かつてのフランスのシュルレアリスム、同時代のアメリカの抽象表現主義、日本の具体美術協会に至るまで、混沌とした世界観をひとつに紡ぎ上げた。
 作者の行為(アクション)の痕跡や鮮烈な色彩、素材そのものの生々しい物質感を強調したこれらの作品は、日本の美術家たちに大きな衝撃を与えた。1956年にはタピエが来日し、いわゆる「アンフォルメル旋風」が巻き起こる。以後数年にわたり、洋画や彫刻のみならず、日本画や陶芸、生け花といった日本の伝統的な表現ジャンルで、アンフォルメル風の“熱い”表現が爆発的に流行することとなった。
 
 本展では、ジャンルの広範さと展開の多様さにおいて日本の美術史上例を見ないこの特筆すべき現象を、約100点の作品で紹介する。
 アンフォルメルの様式的な影響や類似点、共通点を見るだけでなく、アンフォルメル上陸以前の作品も含めて展覧。ジャンルや世代を超えて、多くの美術家たちが熱い表現を意識したのはなぜだったのか、戦後日本の美術においてアンフォルメルが果たした役割とは何だったのかを考察する。
 



あの時みんな熱かった! アンフォルメルと日本の美術
▼7月29日(金)~9月11日(日)
京都国立近代美術館
当日一般900円 大学生500円 
※9:30~17:00(金曜~20時)。最終入場は閉館の30分前まで。月曜休館。高校生以下、心身に障がいのある方とその付添者1名は無料(要証明)。本券でコレクション展も観覧可能。
京都国立近代美術館
075-761-4111
 

(2016年7月28日更新)


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