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新作歌舞伎『NARUTO-ナルト-』
南座公演に向けて中村隼人のサスケが進化!

昨年東京で好評を博した新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』が、6月の京都・南座に初お目見得。原作は、落ちこぼれ忍者・うずまきナルトの成長を描いた、岸本斉史の大人気漫画。脚本・演出のG2が全72巻を練り上げ、新作歌舞伎に仕立てた。ナルト役の坂東巳之助と並び、昨年24歳の若さで主演を勤めた花形俳優、中村隼人。現在主演を勤めているBS時代劇「大富豪同心」でのコミカルさとは打って変わり、憂いを含んだ瞳と気迫の立廻りで、復讐心に燃える忍者・うちはサスケを好演した。
 
初演を振り返り「宝物が増えた」と話す隼人。「初演はこれまで数多くの新作歌舞伎を経験された(四代目市川)猿之助にいさん、(片岡)愛之助にいさんに支えられ、無事に千穐楽を迎えることができました。お客様の中には初めて歌舞伎に触れた方も多かったようで、当日券売り場に並ぶ子どもたちの姿を見たときは、とてもありがたく、更にパワーを貰いました」。
 
演じるのは実兄に一族を殺され、復讐に生きるサスケ。壮絶な過去を明るさに変えたナルトとは、対照的な役柄だ。「サスケはエリートとして育ちながらも、言いようのない怒りと悲しみを抱いている。それをナルトに解いてもらうのですが…。原作では多くの人との出会いの中で変化するサスケの心情を、約3時間のうちに表現するのが難しかった」。そんな隼人のサスケに、原作者の岸本は太鼓判を押している。「初演では2回、観に来てくださって、サスケの心情がよく表現できていたよ、と。一番うれしかったことですし、自信にも繋がりました」。

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今回は初演で猿之助と愛之助がダブルキャストで演じた“ラスボス”の、うちはマダラを中村梅玉が勤め、台本も改善。立廻りはゼロから作り替える。進化に挑めるのも、隣りに巳之助がいればこそ。「もう15年以上の付き合いになる、とても信頼している方です。僕らはさまざまな座組に関わる機会が多かった。その中で、4つ歳上の巳之助にいさんには大変助けていただきました。南座公演でも、二人で良い作品を作っていきます」。
 
立廻りでは現代のアクションも盛り込み、様式美を際立たせる。原作でも重要な「終末の谷」の場面では、本水を使った大掛かりな演出に圧倒されるはず。「例えば劇団☆新感線とか、次々と素晴らしい舞台が生まれる中、自分たちは何をすべきかを考えています。動けるうちは限界を超えてやれたらいいなと。今の二人にしか出せない若さと熱量を持って進化した舞台を、ぜひ南座でご覧いただければと思います」。
 
公演は6月26日(水)まで京都・南座にて上演中。

取材・文:石橋法子



(2019年6月 5日更新)


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南座新開場記念 新作歌舞伎
『NARUTO-ナルト-』

チケット発売中 Pコード:493-332

▼6月2日(日)~26日(水)
昼の部 11:00~
夜の部 16:00~

南座

特別席-15500円 一等席-14500円
二等席-8500円 三等席-5000円

[原案・原作]岸本斉史
[劇作・脚本・演出]G2
[出演]坂東巳之助/中村隼人/市川猿弥/市川笑也/市川笑三郎/嘉島典俊/中村梅丸/市瀬秀和/中村梅玉

※日時・席種により取り扱いのない場合あり。3歳以下は入場不可。4歳以上は有料。
※6/5(水)11:00は貸切。
※6/10(月)夜の部は18:00開演。
※6/14(金)は休演。

[問]南座■075-561-1155

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