ホーム > インタビュー&レポート > 新歌舞伎座で初の座長公演に挑む水森かおり 加藤茶、仲本工事らレジェンドとのコントも
5月4日(土)から大阪・上本町の新歌舞伎座で幕を開ける新歌舞伎座開場60周年記念『水森かおり特別公演』。水森かおりにとって新歌舞伎座での初の座長公演だ。「ご当地ソングの女王」との異名でも知られ、昨年末のNHK『紅白歌合戦』ではイリュージョンに挑戦。生放送であっと驚く瞬間移動を成功させ、おなじみのドレス姿も早着替えで披露した。来年でデビュー25周年、今や演歌界はもちろん、エンタメ界を盛り上げる一人だ。
新歌舞伎座・初座長公演の第一部は『東京そば屋人情物語 にぃねえちゃん!』を上演。昭和30年代の東京人形町を舞台に繰り広げられる人情喜劇で、「にぃねえちゃん」とは「二番目の〈に〉、兄ちゃんの〈に〉」。両親亡きあと恋人と駆け落ちした長女の代わりに、水森扮する次女の“にぃねえちゃん”が残された二人の妹のためにも実家のそば屋の跡を継ぎ、奮闘する。ところが、やることなすことトンチンカン。しかも、次々とトラブルが重なって…という物語。
今年3月まで東京・明治座で上演していた本作。「大阪公演はよりパワーアップしてできると思う」と期待を寄せる。加藤茶、仲本工事も出演し、ドリフのコントを彷彿とさせるようなシーンもあるとか。「加藤さんと仲本さんが作ってくださったシーンで、私がいろいろなもので叩くんです。手加減しないで叩いてねとおっしゃっていたのですが、最初は本当に大丈夫かなぁと遠慮していました。そしたら“そういうことはお客様は見抜かれるから、本気でやらないとだめだよ”っておっしゃって。それからガーン!って本気でやり始めたら、音もすごいし、お客様の笑い声も同じくらい大きくなるんです。改めてプロフェッショナルだなと思いました」と感服しつつ、今回もそのシーンが楽しみで仕方がないと笑う。
第二部の『水森かおりコンサートin新歌舞伎座』では、ヒット曲から新曲まで、劇場公演でしか見られない特別バージョンで展開。昨年の『紅白歌合戦』でも着た桂由美による純白のドレスも披露するという。「『紅白』の時は、イリュージョンをした後の早着替えだったので、テレビでは40秒くらいしか映っていなくて。新歌舞伎座公演では後ろ姿までじっくり皆様に見てもらいたいと思います」。
椎名佐千子、岩佐美咲、はやぶさのステージも用意。「若手4人を皆様にどのように観ていただくか、“この子はこの歌がいいかな”とか、考えています。私も関西のご当地ソングを中心に歌わせていただこうと思っています」。
ご当地ソングは現在、43都道府県で109曲におよぶ。「私は東京出身なのですが、歌の舞台になった場所は自分にとって大事な故郷に変わっていきます。やがては日本中が故郷と言えるようになりたいですね。平成7年9月25日にデビューしたのですが、その日は大阪で迎えました。大阪は水森かおりが誕生した地だと誇りに思いますし、すごく特別な場所です。今回、新歌舞伎座で初めて座長公演やらせていただくことができて、応援してくださる皆様に新しい自分を見ていただける、恩返しさせていただけるという喜びもあります」と水森。新元号・令和になって初の公演でもあることから「感謝の思いを込めて、10日間勤めさせていただきます!」と意気込んだ。
新歌舞伎座開場60周年記念『水森かおり特別公演』は5月4日(土)から13日(月)まで新歌舞伎座で上演。チケット発売中。
取材・文/岩本和子
(2019年4月25日更新)