劇場全体が宇宙空間に!
舞台『銀河鉄道999』がツアー最終地の大阪で開幕!
1977年の連載開始から今年で40周年、松本零士原作の漫画『銀河鉄道999』が、中川晃教を主演に迎えて音楽劇として上演される。東京、北九州での公演を終え、ツアー最終地となる大阪で7月25日(水)に開幕。梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて29日(日)まで上演される。大阪公演開幕前に囲み取材が行われ、星野鉄郎役の中川晃教、宇宙海賊クイーン・エメラルダス役の凰稀かなめが作品の見どころや魅力をアピールした。
物語の舞台は、裕福な人々が機械人間となって永遠の命を手に入れた未来世界。貧しい人々は機械化人の支配に怯えていた。機械伯爵の人間狩りにより母を殺された16歳の星野鉄郎は、母の望みである機械の体(=永遠の命)を手に入れるため、機械伯爵への復讐を果たすため、謎の美女メーテルと共に銀河超特急999(スリーナイン)号に乗り、機械の体をくれる星を目指して旅に出る…。
東京、北九州公演を終えて「今作品が一番熱い状態で、すごく大きく成長したと思います」と語る中川。16歳の星野鉄郎を演じることについては「最初は自分にできるのか?と思いましたが、舞台に立つことの面白さは、自分とまったく違う人物を演じられること。演じるうえでは、自分自身を星野鉄郎に重ねつつ、子どもの純粋な気持ちから生まれてくる感情を大切にしています」とコメント。
一方の凰稀は、「エメラルダスは、その姿を見たものは死ぬと言われるくらい冷酷な女性ですが、だれよりも優しい心を持った女性でもあります。心にちゃんと芯がある人、情熱を持った人に対してはすごく優しいんです。鉄郎が誰と出会って、どういう風に変わっていくか、成長していくかを見守る存在として、稽古のときから中川君がどういう行動を起こすのか観察をしていました。すごい寝癖をつけながらご飯食べていることもあって、同い年ですけど純粋で可愛らしい方だなと(笑)」と笑う。
原作ファンも多い本作に対して「作品のイメージは崩さないように」と、コスチュームにもこだわった。特に凰稀は「ベルトの位置とかスカートの長さ、ブーツの長さ、ヒールの高さ、髪の毛の色、すべてアニメに近づかせるようにしました。髪の毛の色はライトが当たることも考えて少し暗めにしたんですが、意外とライトが暗かった」と、誤算はあったものの、細部にまでこだわって作り上げた。すると中川は「さすがです。普段から着こなしも完璧で、自分の身体に合うものを選んでらっしゃるなと思います。そういうのって、エメラルダスを造形していくうえでもすごく重要なことで。あと、今回こだわったのは質感。美しいだけじゃなくて、汗をかいたり、衣擦れを起こしていたり。どこまで見えるかは分かりませんが、宇宙という場所に生きている過酷さも衣装で表現されていたりするので、双眼鏡で観ていただけたら」と語る。
映像や照明を駆使し「劇場全体が本当に宇宙空間のよう」と凰稀。中川も「大阪の皆さんに観に来てよかったと思っていただけるように千秋楽まで務めたいと思っています」と意気込みを語った。
(C)松本零士・東映アニメーション
(C)舞台『銀河鉄道999』実行委員会2018
取材・文:黒石悦子
(2018年7月25日更新)
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