古典のパロディで七変化! 川中美幸の座長公演
川中美幸が座長を務める『川中美幸特別公演』が大阪・上本町の新歌舞伎座で3月15日(木)より幕を開ける。第一部は「七変化!美幸一座~母娘愛情物語~」を上演。大衆演劇の“かわなか一座”が『ねずみ小僧』や『八百屋お七』など古典の名作を劇中劇で演じるほか、俳優の赤井英和を相方に夫婦漫才を披露する。第二部は新曲『深川浪花物語』から『二輪草』『ふたり酒』など往年のヒット曲まで織り交ぜた歌謡ショー「川中美幸オンステージ 人 うた 心」を贈る。
第一部の芝居はパロディで展開。「古典作品の“いいとこ取り”です。七変化もやったことないので、じゃあ、挑戦してみようかと。今、暗いニュースも多いでしょう? だからこそ笑いも必要ですし、楽しいものをお見せしたいと思います」。
あの手この手で見せる七変化、お手本をしている人物を明かした。「以前、中村勘三郎さんの平成中村座を拝見して、斬新な演出にすごいなぁと思ったんです。お客様がお芝居の世界に参加しているような感覚で楽しんでいらして、本来、お芝居というのはこれなんだなぁと思ったんです。この座長公演でもお客様参加型の場面も考えています」
川中は昨年、愛する母を亡くした。「七変化!美幸一座」は本来、母を元気づけるために考えたものだったという。「お母ちゃんが楽しんでくれるものをと思いながら作ってきたのですが、10月に旅立ってしまって…。母は苦しい時こそ笑っていたんです。“笑顔が大事なんや”でといつも言っていました。そうやって生前、教えてくれたこともたくさん、セリフに入れています。このお芝居でたくさん笑って、ちょっと泣いて、元気になっていただきたいと思います」。
ファンからの声援が何よりもうれしいと顔をほころばせる。「ステージに出たとき“美幸ちゃん、待ってたよ!”と言われると、ああ、私の居場所はここやなって、頑張らなあかんなと思うんです。第一部ではお客様に喜んでいただける、おもちゃ箱をひっくり返したようなお芝居を楽しんでいただいて、第二部では歌をじっくり聴いていただいて。“もう、寝てる暇なかったわ!”と言ってもらえる舞台をお届けします!」。
「母とのお別れはありましたが、いろんな方の心の痛みが分かるようになりました。だからこそ歌に深みが出てきたと思います。いい歌をお届けできるのはこれからかなと思います」と情熱をさらに傾ける。ますます円熟味が出た舞台に期待が募る。
公演は、3月15日(木)から27日(火)まで大阪・新歌舞伎座にて。チケットは発売中。
取材・文:岩本和子
撮影:森好弘
(2018年2月28日更新)
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