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『上方落語若手噺家グランプリ2017』
決勝進出者インタビュー、桂雀五郎編

6月20日(火)に天満天神繁昌亭で開催される『上方落語若手噺家グランプリ2017 決勝戦』。第3回目を迎える今年も、4月に予選を行い、桂華紋、桂小鯛、桂三四郎、桂雀五郎、桂雀太、桂二乗、桂米輝、笑福亭喬介、林家染吉の9名が40人のエントリーの中から決勝へと進出を決めた。上方落語界から次世代スターを輩出しようと2015年に創設、第2回のファイナリストでも桂雀五郎は、連続で決勝へ。ネタは予選と同じく「初天神」を披露する。

--予選通過、おめでとうございます。いかがでしたか?

ほっとしましたね。一番上で、一応先輩になるので。

--今回、なぜ「初天神」を選ばれたのでしょうか?

時間のこともありますけど、時間に収まるネタの中でこれかなと。得意かというとちょっと違うのですが…。このネタの好きな部分をまとめたという感じですね。

--決勝のメンバーの顔ぶれをご覧になって、いかがですか?

みんなそれぞれ、がんばっている、面白いメンバーが揃っているんじゃないかと思います。

--決勝のネタも同じ「初天神」ですよね。ちょっとだけ時間も長くなりますね。

はい、構成も多少変わります。

--雀五郎さんは落語しているとき、どんな心境ですか?

その時によります。ウケていると時は楽しいですし…。ウケていない時もあるし、うろ覚えで必死の時もあるし。

--なぜ、落語家を目指されたんですか?

子どものときから落語を見ていて、そのうちになんとなくですね。これというきっかけが明確にある感じではないです。

--小さい頃はどなたの高座をご覧になっていたんですか?

「枝雀寄席」とか見ていると思うんですけど、見始めた頃の記憶はそんなにないので、テレビでやっていたのを見ていたという感じです。

--親御さんの影響とかは?

特に(親が)落語ファンというのはないんですね。演芸全般が好きな子だったので、それもきっかけが分からないんですけど、その延長で落語を見つけてそっちにはまっていったっていう感じですね。

--いち落語ファンとして、どういうところが面白かったですか?

今でも何でも好きなんですけど、自分でやろうと思ったのが落語っていうだけで…。

--ご自分でやろうと思ったきっかけは?

大学は落研があるところを受験して…。落研がない大学を候補から外したっていう感じで。

--桂雀三郎師匠に入門されたのは?

いろんな落語を見ていたうちに入門を決めたので、「あの高座です」とかは挙げられないんですけどね。

--雀五郎さんは、落語の登場人物を表現するとき、どういうような工夫をされていますか?

基本的には習ったことを忠実にやろうとしているんですが、何か変える、工夫するといっても、何とかしようとじーっと考えるというよりか、やっていて思いついたようにやるみたいな感じですね。

--やりながら雀五郎さんのカラーを差し込んでいくんですか?

思いついたり…、お客さんの反応でここが面白いのかなとか、そんなことを感じながらですね。

--演芸全般が好きだったいうことですが、落語にそのセンスを出すというのは?

そうですね。僕はそういうことを意識していないので、分からないです。演芸を見るときは、僕は完全にお客さん目線です。『M-1』とか賞レースも全部見てます。

--最近の気になる漫才師、コント師は?

結構前から銀シャリが好きだったので、応援していました。

--コンテストに出ることに関しては、いかがですか?

宣伝というかPRにはなりますよね。僕のことを知らないお客さんもいるので。落語以外でPRしろとなると困るので、コンテストはいいチャンスだと思っています。

--ネタで勝負する?

そうですね。

--闘うことが好きか嫌いか、大雑把に二分化するとしたら、このうちのどちらに属しますか?

せっかくのチャンスなので、もちろん負けたくはないですからね。ただ、人と比べて負けず嫌いかというと分からないです。

--人と比べるという点では気にならない方ですか?

しているといえばしているんですけど、してないといえばしてないというか…。

--しているというのは、どういう時ですか?

誰々の会はお客さんが入ってるとか、誰々の会がウケたとか、それは気にしているといえば気にしているんですけど、しゃあないといえばしゃあないですし。「あれをやるのは、僕はしんどいな、もうええか」みたいなところもあるので、そういう意味ではしていないと言えばしてないし。

--人の会を見て悔しいなと思っても、ぱっと切り替えられるんですか?

割とそうしていると思いますね。

--入門して17年ですが、この17年のうちにご自身のスタイルは確立されてますか?

まだまだですね。自分なりの口調とか、だんだんできてこないといけないんでしょうけど、そういう意味では入門した頃と自分の認識は変わってないです。ひょっとしたら変わっているのかもしれないですけどね。一遍にがらっと変わるものじゃないので、気づいていないのか…。変わってないのか…、分からないです。

--二乗さんともこの話題をしたのですが、一つのネタをじっくり取り組むのと、いろんなネタをしたい、雀五郎さんはどちらでしょう?

どっちでしょうね? 僕は師匠にやれと言われているので。いろんな勉強会があっちゃこっちゃでありますよね。いろんな会に来られるお客さんもいて、できるだけ自分がレギュラーの会はネタが重ならないようにしているので、自然とそっち(いろんなネタをする方)のパターンになってますね。

--将来的にはどういう噺家に?

こいつの落語は面白いと思ってくれる人がたくさん増えて、落語会にたくさんお客さんが来てくれて、落語会が増えてっていうのが理想ですね。

--いわゆるタレント願望は?

ないです!

--即答でしたね(笑)。

レポートとか面白い人は面白いですけど、それを自分がするのは面白いとは思わないですし、得意分野では確実にないでしょうし。テレビに出る噺家はいてほしいと思いますけど…。

--では決勝についてですが、トリですね。

僕は順番決めの時、欠席していたので、まあトップじゃなくてよかったとほっとしました。最後、トップかトリが残っていたらしいので(笑)。

--では、最後に意気込みをお願いします。

頑張ります。それだけです。




(2017年6月15日更新)


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繁昌亭夜席 第三回 上方落語若手噺家グランプリ2017 決勝戦

▼6月20日(火) 18:30

天満天神繁昌亭

当日-2500円

[出演]桂華紋/桂小鯛/桂三四郎/桂雀五郎/桂雀太/桂二乗/桂米輝/笑福亭喬介/林家染吉

※未就学児童は入場不可。

[問]天満天神繁昌亭
[TEL]06-6352-4874

※前売り券完売ため、当日券若干枚数あり。

天満天神繁昌亭
http://www.hanjotei.jp/

ファイナリストが意気込みを語る!
https://kansai.pia.co.jp/interview/stage/2017-05/1705-whgp2017.html

桂雀五郎

1977年4月30日生まれ
大阪府豊中市出身 
2000年6月、桂雀三郎に入門