ホーム > インタビュー&レポート > 期待の若手演出家、柿喰う客・中屋敷法仁が演出する ウェルメイド・コメディの傑作『サクラパパオー』 主演・塚田僚一(A.B.C-Z)と黒川智花が意気込みを語る!
喜劇の名手・鈴木聡が主宰するラッパ屋で1993年に初演された舞台『サクラパパオー』が、5月25日(木)・26日(金)、大阪・サンケイホールブリーゼにて上演される。本作は競馬場を舞台にしたウェルメイド・コメディで、4度目の上演となる人気作。今回は、注目を集める若手演出家で劇団柿喰う客の中屋敷法仁が演出し、主演をA.B.C-Zの塚田僚一が務める。ツアー最終地となる大阪公演に向けて、塚田と塚田の相手役を演じる黒川智花が意気込みを語ってくれた。
舞台はトワイライトレースが始まろうとしている夜の競馬場。田原俊夫(塚田)は婚約者の岡部今日子(黒川)と競馬場デートを楽しもうとしていたが、競馬に詳しい様子の俊夫に今日子は小さな疑念を抱く。そんな二人に、競馬場に集う個性あふれる人たちが絡み合い…。さまざまな事情を抱えた8人の人生が交錯する、スリリングでおかしくて、ホッと温かい気持ちになれる物語だ。
役者の身体能力を最大限に引き出すエネルギッシュなステージが魅力の中屋敷演出。塚田と黒川にも運動量が求められているようで、「僕たちはこのメンバーの中では若手になるので、一番大事なのは運動量。アクロバティックなパフォーマンスもあるんです。競馬場を走り回っている感じがすごく楽しいですね」と笑顔で語る塚田。黒川も「塚田さんはすごく運動神経がいいので、塚田さんにしかできない田原君が観られると思います」とうなずく。そして「私はとにかく田原君に対して怒っていることが多いんです。最初は真面目な優等生のイメージで演じていたんですけど、中屋敷さんから“もっと激しく怒って”と言われて。田原君の胸ぐらとか首を掴んだりしています(笑)。私が爆発すればするほど、中屋敷さんが嬉しそうにするので、暴れまくりたいと思います」と語る黒川に、塚田は「すごく気迫があるから、圧倒されてセリフ飛んじゃうんです(笑)」と笑う。
演じる役については「田原は、婚約者に隠していることが競馬場で次々と明るみになっていく。でも、自分のやりたいことを貫き通すところでは男らしさを感じています。それに、“競馬好き”というだけで初対面の人とも盛り上がれる競馬場ならではのコミュニケーションは素敵だなって思います。結構、憧れますね」と塚田。黒川は「どんどんギャンブルにハマっていく田原君を見て、今日子は何とか戻そうとする。登場するキャラクターの中で一番真面目で、お客さんが感情移入しやすい役だと思います」。
間もなく幕が上がる大阪公演。塚田は「大阪公演が最後になるので、すごくいい状態のものをお見せできると思います。最後にはお客さんも自然と前のめりになって、サクラパパオーを応援したくなるんじゃないかな。ぜひ楽しみに来てほしいです!」と力を込めた。
取材・文/黒石悦子
(2017年5月23日更新)