勘違いが勘違いを生む傑作コメディが6年ぶりに登場
笑いに振り切ったコメディをお届けする宅間孝行主宰の『タクフェス 春のコメディ祭!』。この春はさびれた田舎町の温泉旅館「まつばら」を舞台に、町おこしに奮闘する人々を描いたシチュエーションコメディ『わらいのまち』を上演する。本作は2011年に再演して以来、6年ぶりとなる。
物語の軸となる「まつばら」の三兄弟を宅間と、永井大、柄本時生が演じるほか、仲居役に柴田理恵、2度目の舞台出演となる鈴木杏樹が登場する。宅間と柴田以外はすべて新キャストだ。
柴田はいまや、宅間作品には欠かせない存在だ。初出演は2011年の『わらいのまち』だった。「柴田さんは稽古場でも率先して恥をかいてくれるのでありがたいです。WAHAHA本舗を背負ってずっとやってきて、今も第一線で居続けている人の覚悟や凄みがありますね。芝居に対するアプローチも、役者さんは割と自分の役と向き合うことが多いのですが、柴田さんは作品と向き合うタイプ。実はそれができる人は珍しくて。彼女はすごくクレバーで非常に頭を使う、本当にすごい役者さんだと思います」と彼女の魅力を説く。本作でも彼女なしでは成り立たないほどの存在感で魅せる。
ほかに、関西弁をしゃべる役の鈴木や宅間作品の2008年『夕』で初舞台を踏んだ永井、「顔で選んで、役者としては未知数」という柄本など、新キャストらとどのような笑いを巻き起こすか、宅間自身も楽しみだと期待を寄せる。
「コメディはずっと気持ちを上げていかなきゃいけないので、気持ちが切れちゃうと芝居としてつながらない。僕がカンパニーにお願いしているのは、人としてそこにどう生きているかということ。彼らにとって町おこしがどれだけ大事で、町を視察に来た国会議員の先生におもてなしすることにどんな思いを持つのかとか、どこまで命を賭けられるかで必死さが変わってくると思うんです」。
そんな必死な様が多くの笑いを呼ぶ。「実際、お客様の反応がいいと僕らも乗ってきます。やっぱり一緒に作っているという思いがあるので」と観客あってこその作品だと語る。それだけに観客参加型の仕掛けも入れていきたいと意気込む。「お客さんになるべく楽しんでもらいたいので。今回は特にコメディだし、客席に座っていてもより楽しめるものができないかなといろいろ考えています。お約束で写メタイムもありますし、開演前、終演後にもよりエンタメ感を出せていけたらと思います」。
公演は、3月30日(木)から4月12日(水)まで東京グローブ座、4月14日(金)から16日(日)まで名古屋・中日劇場、4月18日(火)から23日(日)まで兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演。チケットは発売中。
(2017年4月 4日更新)
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