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「上方落語若手噺家グランプリ2016」予選会
第四夜をレポート!

4月28日、天満天神繁昌亭にて「上方落語若手噺家グランプリ2016」予選会の<第四夜>が行われた。この日出場したのは、林家染太、桂雀太、笑福亭松五、桂ぽんぽ娘、桂咲之輔、露の紫、桂あおば、桂小梅、桂米輝の9人。白熱の高座で盛り上げた。

トップは桂小梅で「始末の極意」を。「こんばんは!」と勢いよくスタート、大胆な発想の男を豪快に描いた。続いて桂雀太は「上燗屋」を。高座につくなり酔っ払い、その“瞬間芸”にどっと会場が沸き、酒の匂いまで漂うような熱演で爆笑を誘った。桂ぽんぽ娘は創作落語の「引き出す女」を披露。文福一門ならではのダジャレや、出演者いじりなど自由な高座で魅せた。お次は桂あおば。「飽きられないよう、一生懸命やります!」と「動物園」を披露。ぽんぽ娘の落語を受けての返しなど、アドリブも効かせて楽しませた。そして前半のトリで登場したのは桂米輝。冒頭のシーンからは想像及ばぬ展開で惹きつける創作落語「寿司屋兄弟」を披露した。

中入り後は桂咲之輔の「三十石」から始まった。声を響かせて、男の妄想シーンも揚々と。風情たっぷりに聴かせた。笑福亭松五は狂言師を真似た謡も面白い「松竹梅」を。登場人物の個性も鮮やかに描き、聴きごたえある落語で魅了した。続いて「風呂敷」を口演したのは露の紫。庶民的な親しみも沸いた妻の愚痴に、さっぱりとした男同士の会話と、登場人物を丹念に描いて笑いを誘った。トリを飾ったのは林家染太で「ちりとてちん」。旦那の貫禄と、軽やかな喜ぃさんの太鼓持ちっぷり。その対比も鮮やかに。タケのやせ我慢も客席に伝わるほど、力いっぱい演じきった。

審査中はトークを。「お客様をつかむのが難しかった」とトップの小梅。雀太は「だいぶ酔いました」。ぽんぽ娘は「芸以外は誰にも負けてません!」とアピール。「楽しくやらせてもらいました」とあおば。米輝は「来年は古典をやらしてもらいます」と早くも次の目標へ!? 「緊張せんとこ思ったんですけど、出番前に時間のことを言われて緊張しました。だいぶ船酔いしました」とは咲之輔。松五は「いつもどおりやらせてもらいました」と今年もひょうひょうと。「待ち時間が長かった…!」と紫、「終演後はお菓子を食べたい」。染太は「出番前、げんかつぎでカツ丼食べたんですが、胸焼けしました」と苦笑いでした。

そして結果発表へ。第四夜は、予選1位通過は桂雀太。2位通過は桂あおば。3位は露の紫という順に決定した。同時に3位の決勝進出者も発表され、4回行われた予選で最も得点の高かった<第一夜>の3位、桂雀五郎と露の眞が駒を進めた。

決勝は6月21日(火)、天満天神繁昌亭で開催。優勝を巡り、10人の若手噺家がしのぎを削る。



(2016年6月 7日更新)


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桂雀太
桂あおば
露の紫

上方落語若手噺家グランプリ2016 決勝

上方落語若手噺家グランプリ2016 決勝

▼6月21日(火) 18:30

天満天神繁昌亭

[出演]
笑福亭たま
林家笑丸
桂雀五郎
桂ちょうば
桂雀太
桂三四郎
笑福亭喬介
露の眞
桂三語
桂あおば

※未就学児童は入場不可。

[問]天満天神繁昌亭
[TEL]06-6352-4874

※前売券完売。

写真左から、桂小梅、桂雀太、桂ぽんぽ娘、桂あおば、桂米輝、桂咲之輔、笑福亭松五、露の紫、林家染太。