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『上方落語若手噺家グランプリ2015』
〈予選第四夜〉の模様をレポート!

4月22日、天満天神繁昌亭で『上方落語若手噺家グランプリ2015』〈予選第四夜〉が行われた。『上方落語若手噺家グランプリ』は関西のアートや文化、伝統芸能の支援を目的としたアーツサポート関西を通じて、“若手育成のために”とアートコーポレーションが上方落語協会に500万円の寄付をし、1年に1回で10年間、開催されるグランプリ。出場資格は入門6年目から15年目までの上方落語協会所属の噺家で、第1回目となる今年は31人が参戦を決めた。

〈予選第四夜〉は、桂雀五郎、森乃石松、笑福亭生寿、桂咲之輔、笑福亭呂好、桂三輝、桂和歌ぽんが出場。笑福亭岐代松の司会進行で出番順を決める抽選会を行い、持ち時間一人15分のコンテストが始まった。
 
1番はカナダ出身の桂三輝(さんしゃいん)。アメリカでは有名なジョークを取り入れた創作落語「誰がファースト」を揚々と。押し問答のようなやり取りに会場は早くもヒートアップ! 続いて笑福亭呂好が「天狗裁き」を好演。丁寧な語り口が印象的だった。森乃石松はダイエットの話をマクラで。異性にモテたいためとその動機を語りつつ、「転宅」を。機転の利いた“おてかけさん”を愛嬌たっぷりに魅せた。雀五郎は「初天神」、口達者な子どもと父親のやり取りを生き生きと。最後のいか揚げ(凧揚げ)の場面まで演じた。
 
中入り後は笑福亭生寿の「阿弥陀池」からスタート。よくできたオチで笑いを誘うエピソードを自分のものにしようと必死の男を熱演した。続いて、師匠の桂文福に“瓜二つ”桂和歌ぽんは「平林」を披露。クライマックスの場面では師匠譲りの相撲甚句を取り入れて、朗々と歌い上げた。最後は桂咲之輔、ハメモノも取り入れて「七段目」をにぎやかに。熱のこもった“芝居”で大いに沸かせた。
 
すべての演技が終わり、出演者全員に感想を尋ねた岐代松。三輝は「めちゃ楽しかったです。野球のネタですし、“トップバッター”でちょうどよかったかな」とダジャレも効かせてにこやかに。続く呂好は「三輝の後で緊張しました」。石松は「今日の占いで絶好調って出たんですけど、さっぱり当たりません!」。手ごたえを聞かれて「どうですかね? よくわかりません…」と明言を避けたのは雀五郎。生寿は「めちゃめちゃ緊張したけど、楽しくやらせてもらいました」とやりきった様子で応え、続く和歌ぽんも「以下同文です」。そして咲之輔は「和歌ぽんは相撲甚句やらへんって言ってたのに、やったからびっくりしました!」と楽屋エピソードを明かした。
 
いよいよ結果発表へ。3位・笑福亭呂好、2位・笑福亭生寿、1位・桂咲之輔という結果に。咲之輔は名前が呼ばれた瞬間「びっくり!! やったー!!!」と体全体で喜びを表した。敗者復活は、予選第一夜から四夜で3位になった4人から、風紀委員会により<予選第二夜>で3位となった露の雅が選ばれ、決勝の舞台へと駒を進めた。
 
『上方落語若手噺家グランプリ2015』決勝は6月23日(水)に開催。桂三幸、笑福亭べ瓶、桂雀太、桂吉の丞、桂二乗、桂三四郎、笑福亭生寿、桂咲之輔、露の雅が第1回のグランプリをかけて火花を散らす。
 



(2015年4月30日更新)


Check
桂咲之輔
笑福亭生寿
笑福亭呂好

『上方落語若手噺家グランプリ2015』決勝

6月23日(水)18:30

5月1日(金)~チケット発売

天満天神繁昌亭

前売-2000円(整理番号付き自由席)

当日-2500円

※25歳以下 要証明で500円キャッシュバック。

[出]桂三幸/笑福亭べ瓶/桂雀太/桂吉の丞/桂二乗/桂三四郎/笑福亭生寿/桂咲之輔/露の雅

上方落語協会
http://www.kamigatarakugo.jp/

予選第一夜 レポート
https://kansai.pia.co.jp/interview/stage/2015-04/1504006.html

予選第二夜 レポート
https://kansai.pia.co.jp/interview/stage/2015-04/1504013.html

予選第三夜 レポート
https://kansai.pia.co.jp/interview/stage/2015-04/1504-016.html